競争するQRコード決済
一般の人にも浸透してきたQRコード決済。複数のサービスが競合し、頻繁にキャンペーンを行うので、どのサービスが便利でお得なのかよくわからない。現在国内でユーザー数が多いサービスは、PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、d払いだろうか。
キャンペーン抜きで、どれが一番便利なのか比較してみます。
コンビニ
買い物する頻度が多いコンビニエンスストア。店舗によって使えるサービスが異なる。
- セブンイレブン:なし
- ファミリーマート:PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、d払い
- ローソン:LINE Pay、楽天ペイ、d払い、PayPay(3月26日から対応)
- ミニストップ:PayPay、LINE Pay、楽天ペイ
コンビニ最大手のセブンイレブンは自社サービスの「nanaco」を推しているので他社のサービスの導入には意外と消極的だ。
その他3店舗で使えるのは、LINE Pay、楽天ペイ、PayPay(ローソンは3月26日から)だ。
- コンビニ:PayPay、LINE Pay、楽天ペイ
ファストフード
マクドナルド、ロッテリア、モスバーガー、ファーストキッチンいずれもQRコード決済サービスが利用できない。ファストフード店舗はどうして対応しないのだろう。
ファストフード店舗は、Suicaや楽天edy、iDに対応しているのが理由の一つだ。非接触型の決済ができるなら、QRコード決済を導入する理由はない。文字通りファストフードはスピードが売りだが、QRコード決済は非接触型決済より時間がかかる。
今回の比較対象ではないが、ケンタッキーフライドチキンはOrigami Payを導入している。
- ファストフード:なし
飲食店
どのサービスも和民、白木屋、魚民、笑笑、山内農場など居酒屋で利用できる。松屋では、PayPay・LINE Pay・楽天ペイが使える。ピザーラは、PayPayと楽天ペイが利用できる。
ファミリーレストランでは、すかいらーくグループが2019年半ばからLINE Payと楽天ペイに対応予定。セブン&アイグループのデニーズとロイヤルホスト、ココスは対応なし。
九州地区に多いジョイフルと全国にあるサイゼリヤはQRコードはおろかクレジットカードすら利用できない珍しいファミリーレストランだ。
サービスによって使える店舗は異なるので比較しづらいが、対応している店舗数が多そうなのは、PayPayと楽天ペイかな。
- 飲食店:PayPay、楽天ペイ
ショッピング
QRコード決済が最もよく浸透しているのは家電量販店だ。PayPayは、ビックカメラ、ジョーシン、コジマ、ソフマップ、ヤマダ電機全ての店舗で使える。特にヤマダ電機が対応しているQRコード決済サービスはPayPayだけだ(2019/03/18 追記:LINE Payに3月下旬から対応するとヤマダ電機が発表した)。
ビックカメラは、楽天ペイ以外のサービスに対応している。d払いは高島屋、タワーレコード、JINSなど他のサービスが対応していない店舗で利用できる。
チェーン店ではなく、個人商店では楽天ペイが先行していたが、LINE Pay、PayPayの追い上げも激しい。
他に目立つのはドラッグストア。ウエルシアに対応しているのはPayPayのみ。サンドラッグはPayPayとLINE Pay、ツルハドラッグはLINE Payとd払いに対応している。楽天ペイは大手のドラッグストア にはなぜか対応していない(ネットで薬品を販売しているから?)。系列によって使えるサービスが異なるので、近所にある店舗を確認しておこう。
九州地区に多いコスモス薬品はQRコード決済はおろか全ての電子決済サービスが利用できない。
各系列の店舗数を考慮すると、PayPayと楽天ペイが利用できる店舗数が多そうな気がする。
- ショッピング:PayPay、楽天ペイ
銀行口座によるチャージ
QRコード決済サービスの中にはチャージしてプリペイド式に使えるサービスがある。銀行口座からのチャージに対応しているのはPayPay、LINE Pay。楽天ペイはクレジットカードによる後払いのみなので、銀行口座からチャージできない。d払いはドコモの携帯料金とともに払うことになる。
- 銀行口座によるチャージ:PayPay、LINE Pay
クレジットカード払い
クレジットカードの代わりにQRコードを提示して支払うことができる。クレジットカードがあるならQRコード決済を使わなくても良いように思えるが、メリットもある。
- プラスティックカードを持ち歩かなくてもすむ
- QRコード決済サービスのポイントが貯まる
- クレジットカード決済を導入していない店舗でも使える
スマートフォンを持ち歩かないケースは稀だと思うので、カード代わりになるなら荷物がひとつ減る。
クレジットカード代わりに使うことで、クレジットカードのポイントと合わせてQRコード決済サービスのポイントも貯まるので、クレジットカードで支払うよりお得だ。
QRコード決済サービスを店舗が導入する理由の一つに、店舗側が端末を導入する必要がないことがある。QRコードを店頭に提示するだけで良いので、導入コストがいらない。だから、クレジットカード決済はできなくても、QRコード決済はできる個人商店も多い。
クレジットカード代わりに利用できるのは、PayPay、楽天ペイだ。LINE PayはLINE Payカードのみクレジットカード代わりに利用できる。d払いは、ドコモの携帯料金とともにクレジットカードで払える。
-
クレジットカード払い:楽天ペイ、PayPay、d払い
ポイント還元
サービスを選ぶ上で気になるのはポイント還元率だろう。色々なキャンペーンがあってややこしいので、今回はキャンペーン抜きで比較してみる。
- PayPay:0.5%
- LINE Pay:最大2%(前月1万円以内の支払なら0.5%)
- 楽天ペイ:0.5%
- d払い:0.5%
実は、どのサービスも横並びで、ポイント還元率は0.5%だ。LINE Payのみ月々の両状況により還元率が変わる仕組みだ。
LINE Payのポイント還元率の仕組み
キャンペーンがなくても、支払決済額に応じて、還元率が増える可能性があるLINE Payが一番お得と言える。
- ポイント還元:LINE Pay
まとめ
- コンビニ:PayPay、LINE Pay、楽天ペイ
- ファストフード:なし
- 飲食店:PayPay、楽天ペイ
- 銀行口座によるチャージ:PayPay、LINE Pay
- クレジットカード払い:PayPay、楽天ペイ、d払い
- ポイント還元:LINE Pay
該当した項目が多かったのはPayPayだった。多くの店舗に導入されていて、銀行口座によるチャージ、クレジットカード払いの両方に対応しているのが大きい。
ただ、それ以外のサービスもそれぞれ特徴がある。
LINE Payは、決済額に応じて変動する還元率に魅力がある。割り勘などの時に他者へ簡単に送金できるのも便利だ。
楽天ペイは、クレジットカード代わりに使うだけでクレジットカードと合わせてポイントが貯まる。楽天カードと併用するとポイント還元率も上がるし、楽天スーパーポイントはQRコード決済以外でも利用できるので使い勝手が良い。
d払いは、ドコモの携帯料金とともに支払えるので、クレジットカードがなくても利用できるし、支払い方法を統合できる。
どのサービスも、今まで自分がどのサービスをメインに使っているかによって使い勝手が異なる。楽天カードをメインに使っている人は楽天ペイが便利だろうし、ドコモユーザーはd払いが導入しやすい。
今回は除外したが各種キャンペーンによっても変わってくるので、新しい情報を入手して、自分が使うサービスを選ぼう。