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総務省が楽天モバイルを指導する理由。総務省と楽天モバイルは一蓮托生?

楽天モバイルへ指導

楽天モバイルが4G基地局を予定通り開設するように、総務省が要請した。楽天モバイルは4G携帯サービスの免許を取得し、新サービスを10月に開始する予定だが、準備が大幅に遅れていると言われている。総務省は楽天に「基地局の速やかな設置」「進捗の報告」「サービス開始前にユーザーへ状況を通知」を要請した。

実は、こういった総務省からの要請は今回で3度目。どうして総務省は楽天に対して、何度も要請しているのだろう。

背景を考えてみます。

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総務省と楽天モバイルは一蓮托生?

監督官庁として、計画に遅延があるなら指導勧告を行うのは当然のことだが、ここまで何度も指導するのは異例だ。それだけ計画通りできていないことの証左かもしれない。サービス開始が近づいている現状でもサービスの料金・詳細を楽天は明らかにしていない。

ユーザーが想像していたのと異なり、サービス開始当初は少数のユーザーだけになる可能性も楽天は言及している。

とりあえず発表しておいて、あとは走りながら考えるというのは、いかにも楽天らしいビジネス展開だ。過去もいろいろなサービスがそんな感じで導入されてきた。

とは言え、今回ばかりは総務省は黙っていられなかった。楽天モバイルのサービス開始は総務省にも大きく影響するからだ。

分離プランは楽天モバイルの登場に合わせた?

ご存知のように携帯電話料金の値下げを総務省は主導してきた。かなり強引に大手キャリアの料金プランを変更させてきた。具体的には「わかりづらい料金プランの改訂」「端末販売料金との分離」だ。

実際に携帯電話料金が下がったかと言われれば、家族全員で同じキャリアを使用しているなど、かなり限定されたユーザーだけが大幅値下げを実感できる内容になった。

携帯端末販売と分離することで、新規の携帯電話を買う時に、今までの感覚からすると多額の支出が強いられるようになる(今までも支払ってはいたが、携帯電話サービス料金に含まれていたので見えづらかった)。

これにより新型iPhoneなどの売上が落ちることが予想されており、Appleが反発している。

既存大手キャリアにも、携帯電話メーカーにも恨みを買ってまで、いわゆる「分離プラン」を総務省がすすめてきたのは、楽天モバイルの登場が背景にあったからだ。

楽天モバイルは「第4の携帯電話キャリア」として、従来と比較して格安のサービスを開始すると標榜している。

ところが、いくら格安の料金プランをつくっても、他のキャリアから乗り換えしづらかったら、楽天モバイルのユーザー数は増えず、「第4の携帯電話キャリア」が幻に終わってしまう。

そのためには、キャリア間の乗り換えを阻む「端末の販売料金」込みの料金プランを止めさせる必要があった。従来のプランだと長期間にわたり端末の値引き分が通信料金から引かれる仕組みだったので、途中でプランを解約すると実質違約金が発生した。これではキャリア間の移動がスムーズに行えない。

新しいキャリアが増える機会は、早々ない(現行のような基地局敷設が必要なキャリア開設は、これが最後だろう)。この千載一遇のチャンスをいかすために、総務省は強引に「分離プラン」を推進したわけである。

ここまで援護射撃を行っていたのに、肝心の楽天モバイルの準備状況が滞っている。総務省としては、楽天に騙された感じだろう。

もしも、楽天モバイルが当初の予定通りサービスを開始できなかったり、開始しても十分なサービスを提供できなかったりしたら、強引に「分離プラン」をすすめてきた総務省も批判にさらされることになる。

そんな悪夢のような事態に陥らないために、総務省は楽天に対して何度も指導をしているに違いない。

9月上旬の発表会に注目

楽天はサービスの内容・料金について9月に発表するらしい。サービス開始予定日である10月1日まであと一ヶ月。どういった内容が発表されるか注目される。

 

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