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楽天モバイルが通話無料とデータ無制限の見直し?事業売却の可能性は?

巨額な赤字を計上し続ける楽天モバイル

楽天モバイルは巨額の赤字を計上し続けている。黒字化するためにコストを削減して、売上を伸ばさないといけない。

コスト削減するには楽天モバイル社内の努力が大きいが、売上を伸ばすためには販売戦略を変更する必要がある。

今後、楽天モバイルが実施しそうな戦略を考えます。

Rakuten Linkの変更

楽天モバイルユーザーはRakuten Linkを使うと無料で通話できる。通話無料は楽天モバイルの売りの一つだけど、通話無料のおかげでARPUが上がらない問題を抱えている。

他社は「かけ放題」をオプションにしている。povoのかけ放題オプションはプラス1,500円だ。

通話オプションでARPUをあげられないのは売上を伸ばす上で支障になる。

楽天もそこを理解していて、OS標準アプリで電話できる「15分通話かけ放題」オプションを1,100円を販売しているが、アプリを使えば無料なので、このオプションを追加するユーザーは少ないだろう。

ARPUを上げるために、今後Rakuten Linkの通話無料を制限する可能性があると思う。

データ無制限の変更

楽天モバイル一番の売りはデータ無制限だろう。いくら使っても、毎月3,278円しかかからないので安心して利用できる。

無制限といっても、完全に無制限ではなく、パートナー回線エリアでの通信は5GBの制限がある。

データ無制限は、楽天基地局に接続時。公平にサービスを提供するため通信速度の制御を行う場合があります。パートナー回線エリアは、国内は5GB超過後は最大1Mbps、海外は2GB超過後は最大128kbpsで使い放題。最大1Mbpsで使用時、動画再生・アプリダウンロード等では、時間がかかる場合あり。通信速度はベストエフォート(規格上の最大速度)であり、実効速度は通信環境・状況により変動します。

現在の楽天回線には制限がない。以前は、1日10GB使うと、その日のうちは最大3Mbpsに制限されていたが、2022年10月に廃止された。

廃止した理由は、おそらく回線容量に余裕があるからだろう。1GB未満無料プランがなくなり契約者が減少したので、無制限にしても問題がない状況だと思われる。

今後、契約者が増えてくれば、回線容量が逼迫してきて、無制限運用に制限を設ける可能性はある。繰り返しになるが、データ無制限は楽天モバイル最大の売りなので廃止はかなり難しい。データ無制限の看板を残したまま、ヘビーユーザーに制限をかける時期が来るのでは?

値上げ

どんなに使っても3,278円以上は費用がかからないのは楽天モバイルの一番のセールスポイントだけど、逆にこれ以上はARPUが上がらないことを意味する。ドコモなど3台キャリアのARPUは4,000円前後だ。

楽天モバイル全員がデータを20GB以上使ったとしても、ARPUが3,278円以上を超えることはない。しかも、携帯ユーザーの8割が3GB未満しかデータを消費しないといわれており、データ無制限だけのユーザーのパイは著しく限られている。

オプションで上げる方法もあるが、データ無制限で通話無料だと、売れるオプションがない。

そうなると、データ無制限を維持したままARPUを上げるには、値上げしかない。3,278円で無制限プランは他社との比較ではまだ余裕がある。

これは楽天モバイルの資料だが、他社のデータ無制限は7,000円に近い。5000円ぐらいに値上げしてもまだアドバンテージがある。

もちろん、値上げすることでユーザーが離れるリスクはあるが、安くデータ無制限を使いたいユーザーは、他に選択肢がないので楽天モバイルから離れづらい。データ無制限のユーザーは楽天モバイルの回線網にも不満は少ないと思うので(自宅が繋がらなければ無制限まで使えない)、回線が不満で離れる人は少ない。

売却?

楽天モバイルが単体で黒字化するの不可能だという人も多い。通話無料データ無制限という大きなカードを切ってしまっている楽天モバイルのARPUを上げるのは難しく、1GB未満無料プランがなくなり、他社より劣る回線品質では契約者数を大幅に伸ばすのも難しい。

いくら楽天が巨大企業で、インターネット通販や金融で儲けていても、赤字を補填し続けるには限界がある。株主からの批判もどんどん大きくなり、経営者が経営責任を取らされることになりかねない。

そうなると、見えてくるのが事業の売却だ。楽天モバイルさえなければ楽天グループは黒字の健全企業だ。だが、売却するには買ってくれる企業が必要だ。

国内の3大キャリアが楽天モバイルを買うメリットはほとんどない。楽天モバイルが所有する周波数はいわゆるプラチナバンドではなく、他社は不要だ。3大キャリアの方が2倍以上の基地局を持っているので、楽天モバイルの基地局もいらない。

そうなると、他事業者か海外のキャリアが売却先になるが、大幅赤字を計上している楽天モバイルを購入する企業があるとは考えにくい。楽天ぐらい大きな企業ではないと、現在巨額の赤字を計上し続けている楽天モバイルが黒字化するまで維持できない。

以前は黒字だったがコスト高で赤字に転落している企業なら、事業を効率化すれば黒字化する可能性があるが、楽天モバイルは創業以来一度も黒字になっていない。赤字額は増える一方だ。

楽天が決断したとしても、売却はかなり困難を極めると思う。

三木谷会長自身が言っているように、楽天モバイルにとって今年は試練の年だと思う。黒字化できなくても赤字が縮小できれば、今後の見通しがひらけてくるが、改善できないようだと、市場の批判も強まり、いよいよ何らかの決断を迫られることになりそうだ。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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