ソフトバンク上場
ソフトバンクが上場したが、公募価格を下回ったと大きく報道にされた。史上最大規模の上場で大量の資金を集めたおかげで、相場全体が崩れたと株式関係者から恨み節も聞かれる。
上場した目的は?
親子上場で資金集めが一番の目的だ。5Gへの投資のために多額の資金がキャリアは必要になる。
ソフトバンクの上場記者会見でも5Gの普及は通信事業の大前提となっていた。
引用:ソフトバンク上場記者会見資料
もうひとつの理由は日本市場への特化だ。ソフトバンクグループの事業領域が拡大して米国携帯キャリア、半導体と多岐にわたるようになった。孫さんがいるから為せる技だが、キャリアとしてのソフトバンクの位置が曖昧になってきた。
通信事業を主軸にして国内市場に集中し、より迅速なビジネス展開を図るのが新生ソフトバンクの戦略だ。
今後の成長は?
近年、どの携帯キャリアもいわゆる格安SIM事業者の影響を受けてきた。ソフトバンクは、ヤフーモバイルというサブブランドを展開し、MVNOへの移行を食い止める戦略にでて、ある程度の効果を出している。
ただ、今後は不確定要素が多い。
菅官房長官の「携帯電話料金を3割下げる」発言の影響がどうなるか。官房長官の発言を受けて、ドコモは値下げすると表明し株価を下げたが、ソフトバンクはサブブランドですでに値下げしていると反論したが、今後も抗うことができるか。
5Gへの投資も重荷だ。今後、3大キャリアで最も脆弱な通信網を保有するソフトバンクがどこまで5Gへの投資を加速できるか。
楽天の携帯キャリア進出に最も影響をうけやすいのもソフトバンクだ。楽天はauと提携して、携帯電話事業を加速させようとしている。楽天が通信網を築いて格安の料金で事業を開始したら、一般顧客からすると楽天と企業イメージが近いソフトバンクからの流出が予想される。
ソフトバンクは、キャリア以外の様々な成長戦略を描いているが、それらの事業をどこまで伸ばせるのか。上場して得た自由と資金をどのように成長につなげるか、一年以内に何らかの結果がみたいところだ。