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SONYが自動車を作った理由に「モビリティ」を掲げた5つの理由

SONYの自動車

世界最大の家電ショーである「CES 2020」でSONYが試作車を公開し、大きな話題を集めた。SONYが発表した「VISION-S」はSONYのイメージセンサーやセンシング技術を応用し、自動運転、360度オーディオを車内で実現しているという。SONYがクルマを開発販売するというわけではなく、多くの企業と協同して、自社の技術と合わせて、こういった製品が開発できる見本みたいなもののようだ。

今回クルマを発表した理由として、「今までの10年はモバイルの時代だったが、これからの10年はモビリティの時代」だとSONYが説明していた。

「モバイル」も「モビリティ」も文字にすると似たような意味のように思えるが、SONYがモビリティとあえて言及した理由を考えます。

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モバイルとモビリティ

「モバイル(Mobile)」も「モビリティ(Mobility)」とも語源は、「動く(Move)」だ。モチベーション(Motivation)のように、何かが動く意味に用いられる。

「モバイル」は、「ものを動かす」意味が強く、携帯電話やタブレットのように可搬できるデバイスを指す言葉になっている。確かに、PCからスマートフォンへ移行したように、今まで持ち運びづらかったものが、小さく高機能化し、持ち運べるようになり、多くのイノベーションがこの10年で生まれた。

今回SONYが使った「モビリティ」は「移動する可能性」の意味が強い。例えば、外資系企業では、海外に転勤して働ける可能性がある社員を「モビリティが高い」と称する。

恐らくSONYは、「移動体」という意味で、この「モビリティ」という単語を使用したのだろう。

アメリカの自動車文化

CESはアメリカ・ラスベガスで開催される。アメリカで移動手段といえば自動車だ。アメリカの移動手段というとニューヨークの地下鉄を思い出す人もいるだろうが、地下鉄で移動している人はアメリカではごく少数だ。地方に住む圧倒的大多数のアメリカ人は自動車で移動する。西部開拓時代に広い国土を移動していた馬から進化した自動車文化は、アメリカのアイデンティティだ。

アメリカの地で「新しい自動車を見せる」というのは日本人が考えるよりも大きなインパクトがある。自社の先進的技術をPRするには、自動車はうってつけの製品だ。

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最後のスキマ時間

サブスク型サービスが全盛になり、サービスに使いたい時間は映画に音楽に増える一方だが、各々の時間は有限だ。

モバイルデバイスを持ち歩けるようになり、自宅でも外出先でも仕事も遊びもできるようになった。どこでも大なり小なりのディスプレイの前にいる人も多いだろう。

ユーザーに残った時間が「移動時間」だ。その移動時間で高い付加価値を与える車内空間の提供がSONYの目指すところだ。自動運転、OLED、音響技術は、すべて移動している時間を高次元にサービスを消費する空間したいとSONYは考えているに違いない。

センサーの需要を増やす

今のSONYにとってイメージングセンサーは重要な屋台骨だ。スマートフォンのカメラが大型化、複眼化したことでSONYの売上は急伸した。

だが、スマートフォンの需要増加も一段落して、内蔵カメラの進化もハードからAIに移行し、これ以上の需要は見込みづらい。

そこで、SONYが次に目をつけたのがクルマだ。自動運転を実現するには多くのセンサーが必要になる。VISION-Sには車内にも多くのセンサーが活用されている。

VISION-Sを開発公開することで、自動車を販売するのではなく、センサーを新たに活用する方法を提示し、センサーの需要を喚起するのがSONYの目的だ。

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自動車という世界最大のマーケット

様々な機械製品の価格が下落しているのに自動車の価格は高くなっている。年々厳しくなっていく安全技術をクリアし、新しいIT技術を導入することで、自動車だけはデフレ化していない。

多くの製品が安くなった中で、自動車だけ異質だ。しかも、もともと単価が高いので自動車マーケットは、あらゆるコンシューマ製品の中で最大だ。

AppleやGoogleが自動車を開発していると言われるのも、この大きなマーケットを制覇したい野望があるからだ。

このマーケットで、メーカーとしてプレゼンスを高めるのは、ブランド価値の向上にも繋がる重要な施策だ。

タイミングはバッチリ

SONYが自動車産業に本格進出するのに、絶妙なタイミングだったと思う。自動運転技術はいよいよ現実化し、SONYとしてもイメージングとPS4によるゲームからの売上がある間に、新しい分野に進出するのは極めて妥当な経営判断だ。

SONYとホンダが組んだら

SONYとホンダといえば、今から数十年前に日本の先進的な技術を証明するクールなブランドだった。長い時間で両社のブランドとも変質してしまったが、今もしも両社が提携し新しいクルマを開発すれば、あの頃のようにワクワクした製品を世間に披露できるに違いない。

今のところ、その兆候はないが、実現したらオールドファンとしては嬉しい。

 

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