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2018年のIT業界を振り返る。その6:電子マネー

2018年の電子マネー

来年度予定されている消費税値上げの緩和策としてポイント還元が検討されたことで注目を集めたキャッシュレス決済。中国や韓国に比較して日本のキャッシュレス決済は大きく遅れている現状を打破するのと、消費税値上げのインパクトを抑えるのと一挙両得になると政府が進めている政策だ。

比較的治安が良い日本では現金での決済がまだ一般的で、クレジットカードの利用率が他国と比較して非常に低い。借金を忌避する国民性も影響し、現金を好む国民が多い。

 Suicaのインパクト

状況が変わったのはSuicaとApple Payの普及だ。公共交通機関が発達している日本ではSuicaをはじめとするIC乗車カードが大きく普及した。

ただ、日本のスマートフォン市場で大きなシェアを握るiPhoneが電子マネーに対応していないので、Suicaもカード型が主流だった。

その状況が大きく変わったのは、Apple Payの開始だ。2016年に日本でもはじまったApple Payにより、モバイルSuicaが一気に普及した。Apple Payに対応したiPhoneが登場して3年が経ち、都市生活者を中心にApple Payの利用者は増加した。

公共交通機関発行の電子マネーが標準となり、日本は独自の電子マネー環境となっている。

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QRコード決済の先にあるもの

PayPayの大胆なキャンペーンで一般にも知れ渡ったQRコード決済。

端末を購入しなければならない店舗側の負担が電子マネー普及を阻害している。QRコード決済では、店舗側の負担は大幅に軽減される。PayPayなどは店舗側が負担する導入料金などをゼロ円に設定している。

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電子マネー決済を導入していない個人経営の店舗にもQRコード・バーコード決済がある程度普及するかもしれない。

ただ、利用者が増えなければ、いくら無料でも導入する店舗は増えていかない。ネックになるのはSuicaだ。改札でも使えるほどスピーディーな反応速度を誇るSuica決済はコンビニでは最も便利な決済方法だ。QRコード決済のようにアプリをいちいち起動させる必要がない。

公共交通機関を利用するためにSuicaへチャージする人は多い。QRコード決済が普及するにはSuicaを上回る利便性を高める必要がある。

たとえば、iOSがQRコード決済をOSレベルでサポートすれば、状況は大きく変わるかもしれない。

今年はQRコード決済元年と呼べる年だった。来年が本格普及の年となるかは、OSの対応が鍵となるかもしれない。