宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

MENU

トランプはなぜTikTokを禁止したいのか。貿易戦争だけではないある目的

TikTok騒動

ここ一ヶ月TikTokの話題がマスコミを賑わしている。アメリカのトランプ大統領がTikTokを危険視しているからだ。すでにアメリカの各軍ではTikTokの使用が禁止されていて、米国内での使用をトランプは全面的に禁止しようとしている。

どうしてトランプはTikTokを禁止したいのだろう。考えてみます。

f:id:tkan1111:20200811111256p:plain

個人情報の流出を懸念?

真っ先に頭に浮かぶのは個人情報流出の懸念だ。TikTokを運営しているのは中国企業だ。TikTokを経由して個人情報が中国政府に流れる可能性はある(もちろんTikTokは否定しているが)。

ただ、TikTokがもつ個人情報はたいしたことない。銀行口座や個人の行動が記録されるわけではなく、名前とアカウント名、パスワードぐらいだ(あと顔認識か)。GoogleやFacebookがもつ個人情報の数百分の一ぐらいの価値しかないだろう。

TikTokなど中国系のアプリがスマートフォンのクリップボードを定期的に参照しているという噂もあるが、そういった行儀の悪いアプリは他にもある。

個人情報の流出だけを理由に使用禁止にするのはちょっと無理がある。

中国にデファクトスタンダードを握られる危険性

個人情報よりもアメリカが危機感を抱いているのは中国系のアプリがデファクトスタンダードになることだろう。

実際にTikTokはこの手の動画配信アプリではトップシェアを握っている。アプリのダウンロード数ではInstagramを上回る。

標準アプリになると何が問題かというと、王様のように振る舞うことができるからだ。ちょっと怪しいことをしても、他に代替アプリがなければユーザーは離れられない。

たとえば、TikTokが中国政府に批判的な動画を一方的に削除したり、逆に中国政府を礼賛する動画をサブリミナル的に流しても誰も咎めることはできなくなる。

言うまでもなく中国の言論統制は欧米よりも遙かに厳しい。その基準でTikTokが運営されたら、欧米政府にとってはたまったものではない。

貿易戦争の一環では片付けられない

今年は大統領選がある。戦時は現職有利と言われているから、再選のためにトランプは中国に貿易戦争を仕掛けたという見方がある。もちろんそういう思惑もあるだろうけど、中国政府の論理で標準アプリが運用されるリスクは大きい。

中国国内ではGoogleやFacebookなどの欧米系のアプリは利用できない。欧米政府に個人情報を抜かれるから禁止していると欧米政府とおなじようなことを中国は言うが、自分たちがコントロールできない言動を排除するのが真の目的だろう。

TikTokみたいな子ども向けアプリに目くじらたてるなと言う人いるだろうけど、蟻の穴のような小さい綻びが言論の自由を将来的に阻害しかねない。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。

ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
Kindle Unlimited会員ならすべて無料、非会員の人にも99円からご用意していますので、お読みいただけると幸いです。感想もいただけたら感涙でございます。