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アメリカで大量離職が発生中。日本では大量離職が起きないから給料が上がらない

アメリカで大量離職

アメリカでは自発的に仕事を辞める人が急増している。もっと待遇が良い職場に転職するために離職者している。

景気回復によりアメリカは人手不足が深刻だ。特に外食産業など、時給を2倍にしても人が集まらないという。オフィスワーカーでも離職者は増えていて、大手IT企業でも欠員が続き、Amazonでは年収を2倍にし最大年収を4000万円に引き上げる報道があった。

人手不足になれば、人材を確保するために企業は当然給料は上げる。

長年給料が上昇しないことで悩んでいる日本には羨ましい話だ。

コロナ前、日本では人手不足が叫ばれていて、コロナ明けの景気回復が順調に進めば、日本も再び人手不足になるはずだ。実際に、都心の飲食店では人が集まらない。

ただ、日本の場合、アメリカのように大量離職は起きていない。特にオフィスワーカーでは離職する人は少ない。

日本の給料が安い理由の一つが、ここにある。なぜ日本では大量離職が起きずに、給料が増えないのか考えてみます。

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辞める人が少ないから、給料は増えない

給料が安くて辞める人が多ければ、企業は給料を上げて求人しなければならない。逆に、職場に不満があっても退職者がいなければ、企業は給料を上げる必然性がない。日本人は離職者が少ない。ご存知のように日本の失業率は欧米より低い。失業率とは離職して求職している人の割合なので、離職者が少なければ失業率は当然低い。

でも、日本の会社員で会社に不満がある人は多い。日本人の仕事への満足度は欧米各国よりも低い。

では、どうして不満があるのに日本の労働者は辞めないのか。今より良い待遇の職場が見つからないからだ。良い待遇の仕事を確保した人は辞めないので、それ以上に良い待遇を求めないので、待遇の良い仕事が転職市場に出ることが少ない。つまり辞める人が少ないから、良い転職先がない、転職先がないから辞められないという悪循環が日本ではずっと起きている。

アメリカと事情が違う点は、2つある。一つは企業の解雇権。アメリカでは企業に解雇権がある。アメリカでは景気が悪化すれば社員を解雇し、回復すれば再び雇用する。だから、企業の業績が良ければ大量に人を雇う。業績が悪化すれば、解雇される危険性はあるが、別の業績が良い企業のポジションに転職できる。つまり、アメリカの場合はダイナミックに人材が流動しているのだ。

日本の企業の場合、自社の従業員を容易に解雇できない。解雇できないから、業績が好調でも人材確保に積極的になれない。

もう一つの理由は、自分のスキルへの自信だ。

解雇されても再び仕事が得られる保証はないので、アメリカでは他の職場でも働けるように自分のスキルを磨く。その会社で一生を終えることが少ないので、社外でも働けるスキルや資格を持つことに熱心だ。

日本の場合、今の企業では存分に働けるが、他の企業だと役に立たない社員も多い。大企業の部長職を経験した人が転職の面接で「何ができる?」と聞かれて「部長ならできます」と答えた笑い話がある。

いつでも解雇になる可能性が高いから、アメリカの社員には一定の緊張感がある。一方、日本では解雇されると、次に良い職場が見つからないことが多いから今の職場で辞めさせられないスキルや人脈を磨くことに注力する。

どちらが良い?

日本のやり方が悪いのかというと、そうでもない。企業の解雇権が制約されていることで、解雇される恐れがなく、社員は今の仕事に集中できる。社員は長く働くので、スキルは蓄積されるし会社への忠誠心も生じる。それは一概に悪い人生ではないかもしれない。

ただ、グローバル経済になり、日本の企業力は相対的に衰えてきている。社員が自身のスキルを磨くよりも社内政治などに執着し保守的になれば、企業のイノベーションが起きない。それでは、日本企業は国際競争に負けてしまい、売上は伸びない。

「社員は家族」のような今までの家族型経営が通用しなくなってきている。本当に賃上げを進めるなら、企業の収益力を高めないといけないのは当然で、政府がいくら賃上げしろと言っても、絵に描いた餅でしかない。

「解雇」という言葉に日本人は敏感だが、グローバルで勝ち抜いていくためには、人材の流動化についてそろそろ考えないといけない時期かもしれない。

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