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最後のWindowsの後にWindows 11が登場するのはなぜか?

最後のWindowsじゃなかったの?

Microsoftは、次世代WindowsとしてWindows 11を発表した。インターフェイスが刷新され、ウィジェットが復活するなど、多くの機能が追加・変更された。

WIndowsがモダンになるのは良いことだけど、ちょっと引っ掛かるのはMicrosoftが「Windows  10は最後のWindows」と言っていたことだ。2015年にWindows 10を発表したときに、「これが最後のバージョンのWindows」だと発言し、今後はWindowsの製品名を変えることなく、一定期間毎に無償でアップデートしていく方式に変更するとしていた。

それなのにどうしてWIndowes 11が発表されることになったのか考えてみます。

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どうして最後のWindowsと発表したのか?

そもそもどうしてMicrosoftはWindows 10を「最後のバージョン」と発表したのか。ひとつの理由は、Windowsが成熟化したことだ。Windowsは四半世紀以上バージョンアップを繰り返すことで、近年は大幅な変更が行われなくなってきた。Windows 10は、1994年のWindows NTを基礎としていて、それからゼロからOSの開発を行っていない。巨大になったWindowsは過去のソフト資産を継承する必要があるので、互換性を維持するために大幅な変更ができなくなっている。

Windowsの主要な顧客は企業だ。製品名を変えると、企業のIT部門は導入するのが慎重になる。自社で使用しているソフト・ハードがキチンと動作するのか互換性を検証した後でないと導入できないので、バージョンアップを行わない、遅くなる企業が出てくる。古いOSを使うユーザーがいて、バージョンが揃わないと、セキュリティ面やサポートに問題が出てくるので、Microsoftとしては全ユーザーにバージョンアップして欲しい。

一方、Windowsがアップデート繰り返す間に、OSを取り巻く事情が変わってきた。iOS、Androidなどのスマホ向けOSの台頭だ。スマホOSは毎年のようにアップデートされるが全て無償だ。WindowsのライバルであるPC向けOSであるmacOSのバージョンアップも無償だ。

もはや、OSは、バージョンアップでお金を取ることができない市場になっていた。

今までは店舗で販売していたアップデート版WIndowsを「新発売のOS」として販売できなくなったので、「製品名」をつける必要がなくなったのだ。

方針を変更した理由は?

メジャーバージョンアップをやめたはずなのに、Windows 11を発表した理由はなんだろう?

名称は変わるが、Windowsのアップデートの方式が変わったわけではない。Windows 11は、もともとWindows 10のバージョンアップ版としてコードネーム「Sun Valley」の名で開発されてきたものだ。

それがWindows 10のバージョンアップではなく、Windows 11とした背景には、やはりスマホ用OSがあると思う。

iOSもAndroidも新しいOSを大々的に発表することでユーザーの注目を集めている。新機能をPRすることでスマホの買い替えを促す効果がある。

macOSも毎年名称を変えたバージョンをWWDCで発表し話題になる。Windows 10は名称を変えないので、大きな話題にならず、どちらかというとバージョンアップにより不具合が出ることを心配されてしまう。

今までは互換性を心配してバージョンアップを躊躇する企業を減らすためにも名称を変更しなかったが、企業用OSはWindowsが独占していてライバルは実質いない。Windowsが圧倒的に強い企業向けとは異なり、個人用はmacOSだけではなく、Chromebook、Android、iPadOSとシェア争いをしている。特にiPadが新しいコンピュータとなるように進化を続け、Windowsのシェアを奪おうとしている。

モダンになった新しいWindowsをPRするために、過去の発言を翻し、Windows 11を発表したのだと思う。

激しくなるコンシューマ向けOS

企業向けでは無敵のWindowsも、コンシューマ向けではChromebook、iPadOSの追撃を受けている。今回のWindows 11ではWindowsの強みであるゲーミングPC向けの機能を強化した。

iPadOSのようにWindowsが毎年バージョン番号を変更するかはわからないが、個人ユーザーへのPRのために名称を変える戦略はしばらく続きそうだ。

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