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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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Apple WatchのワークアウトとNike+ Run Clubを実際にランニングして比較してみた【2018年版】

ワークアウトとNike+ Run Club

筆者は、過去十年間400回以上Nike+ Run Club(以下、NRC)を使ってランニングをしてきた。最初の頃はiPhoneを携帯し、Apple Watch登場後はApple Watchだけのときもあれば、iPhoneも携行して走ったこともあった。

Apple Watch series 4(以下、Apple Watch 4)に買い替えたのを機にApple Watch純正アプリ「ワークアウト」を使って最近ではランニングを愉しんでいる。

今までもいくつかランニングアプリの記事をアップしましたが、改めて「ワークアウト」とNRCの比較をしたいと思います。

ワークアウトとは?

Apple Watchに予めインストールされている純正のワーキングアプリが「ワークアウト」だ。純正なので安定度が高く、今までアプリを使用していて落ちた経験がない。ランニングだけではなく、多くのワークアウトに利用できるのが特徴だ。

ワークアウトの種類

  • ランニング (室内・屋外)
  • ウォーキング(室内・屋外)
  • サイクリング(室内・屋外)
  • エリプティカル
  • ローイング
  • ステアステッパー
  • 高強度インターバルトレーニング
  • ハイキング
  • ヨガ
  • スイミング (プール・オープンウォーター)
  • 車椅子

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もうひとつ大きな特徴はApple Watchしかアプリがない点。他のサードパーティ製のランニングアプリはiPhoneにもインストールされているので、Apple Watchがなくても利用できるが、「ワークアウト」はApple Watchしかインストールされないので、Apple Watchがないと利用できない。

Nike+ Run Clubとは?

NRCは、Nike社が提供するランニングアプリで、iPhone用のアプリはかなり昔からある。Apple Watch用のアプリもかなり早い時期から提供されている定番ランニングアプリだ。Apple Watch Nike+を購入すると最初からインストールされていて、専用の文字盤からNRCを起動できるので、Apple Watchの中でも特別扱いされているアプリでもある。

最大の特徴は、音声ガイダンスだ。iPhoneから音声ガイダンスを発するランニングアプリは多くあるが、Apple Watch単体で音声ガイダンスができるアプリを他に知らない。

ワークアウトとNike+ Run Clubの比較

ターゲット設定

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左がワークアウト。カロリーや距離の目標を決められる。右がNRC

ワークアウトには、フリーラン以外に、消費カロリー、走行距離、走行時間などの目標を定めて走ることができる。NRCは1つのランのターゲット設定はできないが、後述する「マイコーチ」のランニングプログラムがあったり、トロフィーのチャレンジで毎日曜日、毎月の走行距離の目標を目指すことはできる。

簡単に目標が設定でき、過去の目標設定を引き継ぐことができるワークアウトの方が優れていると思う。

  • ターゲット設定:ワークアウト

表示項目数

  

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左がワークアウト。右がNRC

ランニング中に表示できる項目の種類がびっくりするほど多いのがワークアウト。11種類から選ぶことができる。

  • 継続時間、距離、現在のペース、ローリングペース、心拍数、平均ペース、アクティブカロリー、トータルカロリー、現在のケイデンス(ケイデンスは1分間の歩数)、平均ケイデンス、上昇した高度

ただし一度に表示できるのは5種類まで。5種類表示すると文字サイズがかなり小さく走行時に視認するのが難しくなる(特にApple Watch 3までのモデル)。項目は多いが、カロリーや高度などは、通常のランニングではあまり使わない項目もある。

NRCは、2つの項目(走行距離と走行時間のみ)か4つの項目(走行距離、走行時間に加えて心拍数と平均ペース)の画面が選べる(アプリの「設定」の「すべての数値」をオンにすると4つの項目)。

一度に表示できる項目が多いのはワークアウト。ただNRCは一つの項目を大きく表示して視認性を高めることができて、Digital Crownを回して大きく表示する項目を変更することができる。

ワークアウトも水色に強調する項目をDigital Crownを回して選べる。カスタマイズが色々できるワークアウトを推したい。

  • 表示項目数:ワークアウト

ペース

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ランニングしない人には何のことかわかりづらいと思うが、自分がどれぐらいのスピードで走行しているかペースを知ることは効率よく走るために重要。

ワークアウトは、現在のペース、平均ペース、ローリングペースの3つのペースが選べる。「現在のペース」は「今どれぐらいのペースで走っているか」、平均ペースは「このランニングのすべての平均ペース」を表示する。

watchOS 5で追加されたローリングペースは、直近1キロのペースを表示してくれる。これが非常に便利だ。現在のペースだと信号で停止したときなどに数値がブレやすいが、ローリングペースだと1キロのペースなので大きく変動しないので、いつでも正しいペースを把握しやすい。

目標ローリングペースを設定して走ると、設定したペースを上回ったか下回ったときに振動と画面で通知してくれる。設定したペースを行ったり来たりしていると何度も通知が来るのは少々うざい。

ローリングペースを表示していなくても、ワークアウトは1キロ走行毎に画面が変わり、直近1キロのペースを教えてくれる。

NRCは、「現在のペース」か「平均ペース」のいずれかを選択して表示できる(iPhoneのNRCアプリの「設定」)。1キロ毎のペースは走りきらないとわからないので、走行中に確認できない。

直近の正しいペースを把握できるワークアウトが優れていると思う。

  • ペース:ワークアウト

 フィードバック

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ワークアウトは音声フィードバックが無く、振動と画面の通知のみだ。1km走る毎に振動と画面で1キロのペースを教えてくれる。

NRCは音声タイプ(男女)、内容(時間、距離、ペース)、頻度(ラン終了時のみ、距離、時間)と多くの種類を選べる。

AirPodsなどのBluetoothイヤフォンを装着していなければ、Apple Watchのスピーカーから聞こえる。

ワークアウトの振動は控えめなので、気づかないことも多い(筆者の場合3回に1回ぐらいしか気づかない)。設定もないので、項目を変えることも、止めることもできない。一度通知を見逃すと、走行中はあとからチェックする方法もない。

音声でペースなどを教えてくれると画面を見なくて済むので、安全だ。一方で、ガイダンスの間は聴いている音楽が一時中断するので、音楽を聴きながら集中して走っていると集中が途切れる場合がある。また、集中して走っていると、ガイダンスを聞き逃すことも多い。

それでも、画面を見ないでペースが分かるNRCの方が優れていると思う。

  • フィードバック:NRC

走行結果 

走り終えたら、両方のアプリとも走行結果を表示してくれる。

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ワークアウトの走行結果。走行時間、距離、消費カロリー、平均ペース、平均ケイデンス、平均心拍数、上がった高度、天気がわかる
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NRCの走行結果。距離、時間、ペース、心拍数と走行軌跡がわかる

ワークアウトは、表示項目で選択できる全ての項目と天気を確認できる。気温がわかるので、「今日遅かったのは暑すぎたからだ」とあとから振り返ることができる。

NRCは、タイム、平均ペース、高低差、心拍数、1キロ毎のペース、走行軌跡がわかる。どこでペースが落ちたか分かるスピリットは走りを振り返るのに便利だ。走行軌跡は簡易地図なので、どこを走ったかわからない。

すぐにスプリットを確認できるNRCの方が筆者には嬉しい(iPhoneのアクティビティを立ち上げればワークアウトのスプリットも確認できるが、Apple Watchではできない)。

  • 走行結果:NRC

モチベーション

いくら走りが好きでも、継続的に走るのはなかなか大変だ。たとえ画像でも、もらえるものがあると目標になり続けられやすい。

両アプリとも、モチベショーンをあげるいくつかの方法を用意している。

ワークアウトは、3つのリングとバッジだ。リングは「ムーブ」(消費カロリー)、エクササイズ(ワークアウトなどの運動。早歩きなども可)、スタンドの達成度を表す。Apple Watchを使っていると、この3つのリングが完成しないと気持ちが悪くなってくる。

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バッジは、友人と競争に勝つともらえる「競争」、毎月のターゲット達成で「月間チャレンジ」、リングの達成度合いで「リングを完成しよう」、ワークアウトを実施するともらえる「ワークアウト」がある。

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NRCのモチベーションアップの手段も、いくつも用意されている。

月々の走行距離や回数など様々な条件を達成するともらえる「トロフィー」、累積走行距離で画面の色が変わる「ランレベル」、友人などと競争できる「ランキング」、知らない人と目標の達成状況を比較できる「チャレンジ」、NIKEが主催するランニング大会などに参加できる「イベント」と豊富な内容が揃っている。

トロフィーは距離や頻度だけではなく、「ハロウィンの日に走った」など面白いものもある。

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NRCは、走行後に、長谷川理恵さんや安田美沙子さんなど芸能人からの応援メッセージも流れる。

多種多様なモチベーションアップの方法があるのは、アスリートの好みを熟知しているNIKEならではだ。ワークアウトのモチベーションアップの方法もシンプルでよいが、「ワークアウト」関連を除き、リングなどはワークアウトを使わず、NRCで走っても記録される。アクティビティのバッジとトロフィーの両方獲得できるNRCに軍配を上げたい。

  • モチベーション:NRC

コーチング

最適な走る頻度を通知してくれたり、走り方を教えてくれたりする機能だ。ワークアウトには、コーチング機能は特にない。

NRCは、走る頻度やランニングプログラムを指南してくれる「マイコーチ」、走行中に最適な走り方を教えてくれる「音声ガイドラン」がある。マイコーチは、フルマラソンのレース日を設定すると、最適なランの頻度や練習プログラムをレース日に合わせて教えてくれる。レース直前になると軽い運動をするようにアドバイスするなど芸が細かい。こちらはiPhoneのアプリで設定する。

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「音声ガイドラン」は、走行中に走り方や呼吸方法を専門トレーナーが音声でアドバイスしてくれる機能。走りはじめた人には走る心構え、中級者にはインターバルトレーニングのやり方を教えてくれる。走り方を教えてくれるといっても、走行距離やペースをチェックしてアドバイスしてくれるわけではなく、経過時間に応じてガイダンスを流しているようだ。

この音声ガイドラインはiPhoneアプリだけではなく、Apple Watchでもファイルをダウンロードできるので、通信機能がないApple Watch単体でも利用できる。

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コーチング機能はワークアウトにはないので、NRCの方がもちろん優れている。

  • コーチング:NRC

走行記録

あとから「あの日はどれぐらい走ったか知りたくなる」ことがある。ワークアウトはiPhoneでは走った履歴を参照できないが、iPhoneアプリの「アクティビティ」で参照できる。「アクティビティ」はApple Watchのワークアウトだけではなく、NRCでの走行記録やPokemon GOで歩いた記録も一緒に確認できるが、ワークアウト以外のサードパーティ製のアプリだと1キロ毎のスプリットは表示されない。

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ワークアウトの走行記録

NRCにない表示として心拍数の回復が表示がある。運動後心拍数がどれぐらい正常に戻ったかによって心肺機能をチェックできる。NRCなど他のアプリで走っても確認できる。

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NRCは、Apple Watchでは直近5回のランと当月の累積記録を確かめることができる。

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Apple Watchに確認できるNRCの走行記録

iPhoneのNRCアプリでは、より詳細な走行記録をチェックできて、ペースと高低差、心拍数の推移を1つのグラフで参照できる。

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走った軌跡は両アプリで確認できるが、ワークアウトはApple純正のマップ、NRCはGoogle Mapを使っている。純正マップも良くなってきたが、詳細な情報ではGoogle Mapにはまだかなわないと思う。

  • 走行記録:引き分け

まとめ:3勝3敗1引き分け

  • ターゲット設定:ワークアウト
  • 表示項目数:ワークアウト
  • ペース:ワークアウト
  • フィードバック:NRC
  • 走行結果:NRC
  • モチベーション:NRC
  • コーチング:NRC
  • 走行記録:引き分け

様々な機能で、ワークアウトとNike+ Run Clubを比較してみた。結果は五分だったが、それぞれのアプリの特徴が出て面白かった。

純正アプリであるワークアウトはAppleらしい非常にシンプルな内容だが、ローリングペースなど必要十分な機能が揃っている印象だ。

NRCはシューズメーカーのNIKEが開発したアプリらしく、アスリートが好む機能を多く取り入れている。

どちらか一方を選べといわれると非常に悩む。自分が決めたターゲットに向けて走るならローリングペースを表示できるワークアウトがふさわしいと思う。音声ガイドラインやマイコーチなどでトレーナーのアドバイスを受けたいならNRCだ。

あとは、ローリングペースと音声フィードバックが必要かどうかで、使うアプリを決めて良いと思います。なんなら、両方のアプリを起動して走ってもいいですし(古いApple Watchだとアプリが落ちる可能性は高いが)。

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