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テレビ離れが進む若者向けの番組を制作するテレビ局の意図と課題

10代の半数は「テレビを見ない」

NHKの調査によると、16歳から19歳にテレビを見る人が5割を下回った。この調査は15分以上テレビを見た人の割合で、2015年は71%だったので、5年間で24%も減少したことになる。

「若者のテレビ離れ」の原因と衝撃の大きさを考えます。

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原因はYouTube

若者がテレビを観なくなったのは、いうまでもなくスマホの影響だ。若者のほとんどがスマートフォンを持ち、好きなコンテンツを一人で鑑賞できるようになった。部屋にテレビがない若者も多いので、そもそもテレビを視聴できる環境がない。

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平均利用時間でもインターネットを利用している時間がテレビの2倍掛けていて、動画だけでもテレビ視聴より長い。

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実際に若い人を観察すると、YouTubeの視聴時間がかなり長い。YouTubeは動画時間が短く、忙しい若者でも気軽に鑑賞できる。

YouTubeは面倒がない。テレビ番組のように番組開始まで待つ必要はないし、つまらなければ他のチャンネルをすぐに鑑賞できる。CMも短い。視聴1週間後までTVerで視聴できる番組はあるが、全ての番組ではない。YouTubeは過去の動画も参照できるし、レコーダーで録画する手間もいらない。

自分が好きな動画だけを延々と観られるYouTubeは若者の嗜好にマッチしている。

注目される個人視聴率

最近テレビ番組が変わってきている。若者向けの番組が増えて、いわゆる大御所のタレントの代わりに若手芸人が起用されるようになった。

これは個人視聴率が重視されるようになったからだ。2020年春から活用され始めた個人視聴率では、今までの世帯視聴率と違い、個人毎に誰が視聴しているかわかるようになった。

地上波テレビはスポンサーがいるから番組を制作ができる。そのスポンサーが求めるのは自社の商品・サービスを売れることだ。商品・サービスを買ってくれる購買層にCMを見てもらいたいし、その購買層の多くは若者だ。個人視聴率の普及に伴い若者重視の番組制作が始まった。今までは世帯視聴率を上げるために視聴者数が多い高齢者を重視した番組制作を行なってきた。

視聴者が多い夜の時間帯はCM料金は高い。その時間帯に視聴しているのも若者が多いことが、個人視聴率で明らかになった。その若者が好きな番組制作にTV局はシフトしている。

今回のNHKの調査とは相反しているように見えるが、同じ現象を別の方角から見ているだけだ。若者のテレビ離れは事実だが、それでもテレビを視ているは若者は半数いて、毎日1時間ほど視聴している。これは現時点では動画鑑賞とほぼ同じ時間帯だ。

今までは世帯視聴率を上げるために高齢者向けに制作した番組を購買力が高い若者向けにスイッチすることで、若者の視聴者を繋ぎ止められれば、スポンサーも喜び、CM収入も上がる。

次の5年がテレビが生き残るかどうかを決める

個人視聴率を重視し若者向け番組制作に乗り出した地上波テレビ局。多数のユーチューバーとタレントが参加し若者向けコンテンツ数を急増させているYouTube。長期トレンドとしてはYouTubeを主体とする動画に人気が集まる傾向は変わらないだろう。

ただ、地上波は番組制作にコストを掛けて多数の視聴者数を1つの番組に集めることができるので、話題性が高い。YouTubeは莫大なコンテンツが人気なわけで、1番組だけなら100万PVを集めるのも大変だが、テレビ番組では比較的容易な数だ。

1つの番組が多くの人を集め世の中を動かす力は地上波テレビの方がある。長いテレビの歴史で培われた番組制作のノウハウが若者に向けられた時に良質なコンテンツを作れるかもしれない。

課題はテレビ受像機がないことだ。若者向けの番組を家族と一緒に視聴するのは難しい。若者向け番組を視聴するためには若者の自室にテレビ受像機を置いてもらわないといけない。そうなると解決策は明らかだ。スマホで地上波の番組を視聴できるようにすることだ。

同じスマホという土俵に若者向け番組を乗せることができれば、YouTubeのコンテンツとまだまだ戦えると思う。テレビ局もそれを認識していて、TVerやYouTubeを使って、リアルタイム視聴を試みている。

このまま今のトレンドが続き、YouTubeに若者が流れてテレビ視聴が減ると、若者の個人視聴率が減り地上波テレビのスポンサーが逃げてしまうと良質なテレビ番組が作れなくなってしまう。

次の5年が鍵だろう。その間に、テレビ局は若者向け番組を制作しネットで配信できるかどうかがポイントになると思われる。

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