たまに出てくるバズワード
IT業界では、たまに新しいワードが出現する。今だとメタバースなんかがその典型。そのワードを「バズワード」と揶揄気味に呼んだりする。
IT企業は商売のために、このバズワードを使って、自社の新規サービスと製品を盛んにPRする。だけど、まあ、バズワードで煽るだけ煽って、一年後ぐらいすると、消えちゃって誰も喋っていないワードも多多々ある。
過去に消えたバズワードを検証したいと思います。
IoT
IoT (Internet of Things)は日本語で「モノのインターネット」、スマホやPCだけではなく、あらゆるものがインターネットに繋がることを意味する。
一番流行ったのは2017年辺りかな。いっときほど言われなくなったけど、バズワードの中ではまだ優秀な方で、今でもまだ使われている。
そもそも、どうしてIoTが流行ったかというと、各IT企業がビジネスに使いやすかったからだ。モノがインターネットに接続するには、無線やNFCチップの他にデータを大量に収集するセンサーが必要になる。そういった機器を売りたいIT企業にとってIoTは好都合だった。
Web 2.0
今となっては懐かしいWeb 2.0。2005年ぐらいに流行ったので、もう17年も経つのですね。なんとくなく新しい感じするこのワードは、当時も何のことかよくわからなかったけど、今でもよくわからない。なんとなく言われていたWeb 2.0の概念は、双方向のWebを意味していた。当時はWebサイトから情報を入手したりダウンロードするのが主なインターネットとの使い方だった。現在のSNSの隆盛を考えると、未来の予測としては、Web 2.0はまあまあ上手くいった方かもしれない。
今はWeb 3.0が盛んに使われている。Web 2.0もよくわからなかったけど、Web 3.0もよくわからない。ブロックチェーンを中心とする分散型保有のことを意味していることが多い。Web 1.0がデータの読み込み、Web 2.0はデータの書き込み、Web 3.0ではデータの保有を意味するそうだ。
数年後には多分使われていない気がするけど。
ユビキタス
ITの世界でユビキタスは「いつでもどこでもアクセスできる」という意味で使われていた。高速なモバイル通信と携帯できる端末によってそれが実現できるといわれていた。
スマホと4G通信によってユビキタスは現実になったので、ユビキタスは使われなくなった。実現したので、消えていったバズワードの中では幸せな方かもしれない。
ビッグデータ
膨大なデータを保存し活用するのが、ビッグデータだ。2012年ぐらいに流行った言葉ですね。記憶容量の大容量化、低コスト化に伴い、大容量のデータを保存できるようになった。ビッグデータもシステムを販売するIT企業には好都合なバズワードだった。
でも、よく考えれば、たくさんのデータを保存するのは当たり前のことだし、わざわざわ強調するようなことでもなかった。
ビッグデータは、今でもたまに使われているのは、曖昧で使い回しの良いワードだからだろう。
AI
バズワードのキングともいうべきワードが「AI」だ。AIほど応用がきいて、使い勝手が良いバズワードはないだろう。コンピューターを使って解析すれば、すぐに「AI」と呼ばれる。AIという用語は随分前から使われている歴史ある用語で、スピルバーグが「AI」という映画を撮影したのは2001年だ。
将棋の評価値計算、競馬の予想などでもAIが使われていて、もはや何がAIで、人工知能かよくわからなくなっている。
AIという言葉は案外長続きするんじゃないかな。
クラブハウス
バズワードとはちょっと違うけど、2021年にめちゃ流行ったのが「クラブハウス」。ざっくり言えば、双方向インターネットラジオなんだけど、招待制で希少性もあり、芸能人を巻き込んで大騒ぎになった。多くの人が次世代のメディアと絶賛していた。
だけど、一年経った今では、クラブハウスというワードはほとんど聞かれなくなった。よくわからないうちに消えたという点ではバズワード的使われ方をしたサービスだ。
メタバース
今一番ホットなバズワードといえば「メタバース」だろう。メタバースは仮想空間でのサービスを指す。Facebookは社名を「メタ」に変えてしまうぐらいメタバースに全振りしていて、メタバース普及に全力を注いでいる。
だけど、メタバースが本当に普及するのか、どういう風に使われていくのか今のところよくわからない。メタバースと言われると新しそうに聞こえるけど、仮想空間という言葉はマトリックスの昔からあるし、仮想空間サービスのセカンドライフが流行ったのは2003年だ。
目新しそうだけど、どういう意味があるかよくわからないという意味では、メタバースはバズワードにピッタリだ。
果たしてメタバースが3年後にも使われているのか、ちょっと楽しみだ。