iPhoneにApple Pencil
iPhoneではApple Pencilが使えない。小型のiPad miniでもApple Pencilは使えるようになったので、たとえば大型ディスプレイを搭載しているiPhone 13 Pro MaxならApple Pencilが使えても良いと思うのだが、対応していない。
噂によると次期iPhoneであるiPhone 14シリーズでも対応していないそうだ。どうしてiPhoneがApple Pencilに対応しないのか理由を考えてみます。
画面が小さい
iPhoneのPro MaxシリーズはiPhone史上もっとも大きなディスプレイだが、それでも6.7インチしかない。iPad miniは小さいといっても8.3インチある。数字的には近く感じるが、比べてみると全然違う。アスペクト比が異なることもあるが、体感的にはiPad miniのほうが2倍大きい。
6.7インチのPro Maxでは、Apple Pencilを使って繊細な絵が描けない。この画面サイズだと、Apple Pencilと指で操作するのと大差がなく、Apple Pencilの良さが活かせない。
iPadとの棲み分け
ディスプレイサイズが近づいても、AppleはiPadとiPhoneでは役割を明確に分けている。iPadにはできるが、iPhoneではできないことがいくつもある。
Apple Pencilだけではなく、マルチタップジェスチャー、ふたつのアプリを表示するSplit View、Macのサブディスプレイ化するSidecar、USB-C端子を用いた周辺機器との接続は、iPadにしかできない。
こうやって機能を並べるとわかるが、iPadはクリエイター向きの機能が満載だ。iPhoneはコンテンツを消費するためのデバイスで、iPadをコンテンツをクリエイトするためのデバイスというようにAppleは棲み分けをきっちりしている。
だから、絵や図を描くためのApple PencilにiPhoneは対応しないのだ。
コスト
Apple Pencilを使えるようにするためには、デバイス側も改良が必要だ。iPadには手のひらを置いても反応しないパームリジェクションが必要になる。iPhoneの画面は小さいので手のひらを置くことは少ないかもしれないが、第2世代Apple Pencilを使うには充電するための磁気コネクタが必要だ。磁気コネクタを内蔵すればコストもかかるし、そもそもiPhoneには内蔵する場所がない。
メリットより多いデメリット
iPadとiPhoneを棲み分けたいAppleの事情はさておき、iPhoneがApple Pencilに対応するメリットは少なそうだ。Apple Pencilを使ってコンテンツを作りたいなら、素直にiPadを購入した方がよく、iPhoneはやはりコンテンツを消費することに注力したほうがスマートだと思います。