iPhone 13 miniはない?
そろそろ新型iPhoneの噂が出回っている。噂の中には「iPhone 13 mini」は存在しないという話がある。
本当なのか考えてみます。
販売不振
iPhone 12シリーズで登場したminiの後継機が存在しない理由は、iPhone 12 miniが単純に売れていないからだ。
iPhone 12 miniは日本だけではなくアメリカでも販売で低迷している。すでに製造停止している情報もある。iPhone全般が売れていないわけではなく、iPhone 12シリーズは過去最高の出荷台数らしい。
販売不振の主な理由は、価格にあると思う。
iPhone 12とiPhone 12 miniの違いはディスプレイサイズと価格だけだ(すごく細かく言うとMagSafe充電時の最大ワット数が異なる)。
iPhone 12 miniは無印iPhone 12よりディスプレイが0.7インチ小さくて、12,100円安い。言い換えれば、iPhone 12を選ぶと0.7インチディスプレイを12,100円で買うことになるのだが、それぐらいの価格差なら大きなディスプレイを好む人の方が多かったということになる。
大きなディスプレイのスマートフォンが人気なのは、携帯端末の使い方が変わったことが背景にある。テレビ画面やタブレットではなく、スマートフォンで動画、映画鑑賞まで済ませてしまう人が増えている。
一時期流行したアンドロイドタブレットは衰退し、大画面スマートフォンが代替するようになった。iPadはモデル数も増えて未だ人気だが、スマートフォンの延長というよりはパソコンの代替として使われることが多く、AppleもiPadを次世代コンピュータに位置付けている。
これだけの価格差なら、大型ディスプレイのiPhone 12を選ぶのは確かに必然だ。
iPhone 12 miniを選ぶ理由は小型で軽量なボディだが、手帳型ケースを使う人が多い現在、軽くて小さいことにこだわる人が減ってきていると思われる。
重複するiPhone SE
iPhone 12 mini販売不振の理由は、iPhone SEの存在の方が大きいかもしれない。
小さいディスプレイには訴求効果は小さかったが、リーズナブルな価格の影響は大きい。第2世代iPhone SEは49,280円からで、iPhone 12 miniの82,280より33,000円も安い。iPhone 12のほぼ半額である。
iPhone SEのディスプレイは小さく動画鑑賞には不向きだが、これだけ価格差があると「安い」という理由だけで、iPhone SEを選びたくなる。iPhone 12 miniはシリーズで比較する対象の価格帯だが、iPhone SEの価格は比較の範囲外で、「安い」という理由だけで選ばれる。
新機能が取り込めない?
次期iPhoneには、カメラ性能の向上とノッチの縮小化、ディスプレイ内蔵のTouch IDの復活が噂されている。新機能実現のために、今までよりパーツ点数が増えることが予想される。特にディスプレイ内蔵のTouch IDは、従来のFace IDと合わせて指紋認証のパーツが必要になる。これは予測だが、miniの小型ボディでは新機能のパーツを内蔵するのが困難なのかもしれない。
だから、iPhone 13 miniの開発を断念した可能性はある。
買っておいてよかった
筆者はiPhone 12 miniに買い替えたが、買い替えた理由のひとつは「miniは今年だけかもしれない」からだ。
最新性能を内蔵する小型軽量デバイスは筆者好みだが万人向けではない。多くの人は安いiPhone SEかディスプレイが大きいiPhone 12を選ぶと予想していたが、実際その通りだったようだ。
高性能小型スマートフォンを望んでいる人は今のうちにiPhone 12 miniを買った方が良いかもいしれない。