マイナーチェンジ?
今年のiPhone 14とApple Watch series 8はデザインも変わらず、iPhone 14はナンバリングモデルでは初めてチップも据え置きだ。
新機能もあまり多くない。
iPhone 14の新機能
- カメラ(Photonic Engine)
- ビデオ(アクションモード)
- 衝突事故検出
- Bluetooth 5.3
Apple Watch series 8の新機能
- IP6X等級認証の防塵性能
- 皮膚温センサー
- 衝突事故検出
- 高重力加速度センサー
これだけである。万が一の時には衝突事故検出機能は役に立つが通常時は意味がない。皮膚温センサーも便利な人もいるだろうけど、体温が計測できればもっとよかった。
この2つの機能が欲しくて買い替える人はいないと思う。
今回の2モデルは明らかにマイナーチェンジモデルだ。
どうしてこうなったか考えてみます。
売れるから
どうしてナンバリングモデルの性能が大して変わらなかったというと、それでも「売れる」からだろう。iPhoneを買い替える人は、大体iPhoneに買い替える。その割合は90%を超える。アメリカのスマートフォン市場におけるiPhoneのシェアは1位になった。定期的に買い替えるユーザーは、新しい機能がそれほど増えなくてもiPhoneを買ってくれる。
だから、新機能を増やしてコストが上げるより、価格を抑えたモデルを販売する方が売れると判断しているのだろう。
現実に、iPhone 13もiPhone 12と機能・デザインは大きく変わっていないのに売上を伸ばした。
上位モデルとの差別化
スマートフォンもスマートウォッチも機能が飽和化してきてはいるが、それでも上位モデルには新機能を積極的に採用している。
iPhone 14 Proは常時表示ディスプレイ、Dynamic Iskandを採用した。
この2つの機能は、それほどコストがかかるわけでもなく、例年通り最新チップ性能を搭載すれば、iPhone 14でも対応できたはずだ。
しかし、iPhone 14には最新チップは採用されず、新機能も付与されなかった。明らかにProと標準モデルの差別化を図っている。
Apple Watchはさらに顕著だ。新たに登場した「Apple Watch Ultra」は別格の機能を有している。チタニウムボディに、大型ディスプレイ、アクションボタン、高精度2周波GPSなどあげればきりがないほどたくさんの新機能を搭載してきた。
価格も破格で、標準モデルの2倍以上する。
iPhoneもApple Watchも高価格帯には力を入れて、マニアへ早めの買い替えを促しているようだ。
二極化するデバイス市場
ガジェット好きはどんなに高くても高機能な製品を毎年買うだろうし、それ以外の一般のユーザーは数年に一度バッテリーが劣化した頃に買い替える。
スマートフォンなどのITデバイスが一般化するにつれて、市場は二極化してきた。スマートフォンを普段使いの道具として買っている層と、趣味として最新ガジェットを求める層だ。Appleのように市場で優位なポジションを得ていると、双方にあった製品を販売する戦略がとれるわけだ。
今年のiPhoneとApple Watchのモデルはその傾向が顕著で、おそらくこの傾向は今後もしばらくは続くだろう。