新型DM250登場
デジタルメモ「ポメラ」の新モデル「DM250」をキングジムが発表した。ポメラは小説やブログを執筆する人に好評なテキスト入力ツールだ。
高品質なキーボードとカバーを開けたらすぐに入力できる即時性が人気だ。筆者は小説やブログを書くので、新型が出るたびに購入を検討するけど、いまだにポメラを買ったことがない。
どうして買わないのか、新型は買うべきかみてみます。
欠点を解消したDM250
新型ポメラ「DM250」は過去モデルの様々な欠点を解消した。バッテリー容量が増えて連続使用が24時間に伸びた。充電端子もUSB-Cに変わり、充電しやすくなった。
執筆に使用するのに大きいのは保存文字数が2倍になり、20万字へ増えたことだ。ちょっと長い小説を書くと10万文字を超えることが多い。20万文字あれば長編小説の執筆も大丈夫。
USキー配列への対応
入力する人にはUSキーに慣れている人も多い。今まではJIS日本語キーボードだけだったが、US配列、親指シフトに対応するようになった。と言っても、キーの形状が変わるわけではなく、キー表面にシールを貼る作業が必要だし、Enterキーの形状もJISキーのままだ。
執筆に使えるか?
ポメラはテキスト入力ツールなので、執筆には便利なツールだ。文字数を増えて長編小説の執筆も可能だ。17mmキーピッチのキーボードは打ちやすく、開けたらすぐに入力できるので、ちょっと時間があればすぐに執筆できる。新型の重さは620gとPCに比べて軽量なので、荷物にならない。カバンに放り込んでおけば、座れる場所があったときに気軽に取り出して入力できる。
ただ、執筆するのに課題もある。最大の課題は、同期だ。Wi-Fiが使用できるようになり、以前よりは同期が簡単になったが、他社のクラウドサービスや他の機種で文章を共有するには、スマホでアプリを起動し、同期を実施する必要がある。PCやスマホで直接クラウドサービスに入力するなら、その手間は不要だ。
QRコードを使うなど、同期には色々工夫しているが、ポメラが直接クラウドサービスに書き込めない限りはこの手間は無くならない。
もうひとつの課題は、拡張性だ。ポメラは独自OSなので、アプリをインストールすることは基本的にできない。入力用IMEとしてポメラ用にカスタマイズされたATOKを搭載しているが、それ以外のIMEを使うことは実質できない。他の様々なツールやアプリを使うこともできない。
スマホ+Bluetoothキーボードとの比較
Mac以外で執筆するとき、筆者はスマホとBluetoothキーボードを使っている。最近はMagic Keyboardを導入して、どこへ行くにも持ち歩いている。
この構成とポメラを比較すると、ポメラの方がどこでも入力できる。ポメラは机がなくても膝の上に置いて入力できるが、スマホとキーボードだと安定しないので、執筆にはデスクが必要になる。
即時性も開けてすぐに入力できるポメラには敵わない。スマホ執筆の場合、スマホスタンドを立ててスマホを載せて、キーボードの電源を入れる必要がある。
だが、それ以外では、スマホとキーボードも負けていない。まずは可搬性。ポメラユーザーもおそらくスマホも一緒に持ち歩くので、ポメラの分だけ荷物が増えることになる。キーボードとポメラとの対比なら、キーボードの方が軽いし、また3つ折りキーボードなど色々と選ぶことができる。金額も2,000円ぐらいからあるので、複数所有するのも容易だ。
スマホで入力すれば、常にネットにつながっているので同期も気にする必要はない。iCloud、Evernote、OneDriveなど様々なクラウドサービスが直接利用できる。
どこでも入力できるのがポメラの特徴だが、フリック入力に慣れた人ならスマホ単体でも入力できる。入力や推敲をスマホだけで立って行うことも可能だ。
ポメラは執筆に使えるか?
もちろん回答はイエスだ。カバーを開けてすぐに執筆できるのは快適だし、手間がない。ポメラだけで執筆を続けるなら、同期の問題も起きない。
新型ポメラの価格は、60,280円。執筆だけに使うにはちょっと高価だ。Bluetoothキーボードなら数千円だし、Magic Keyboardでも1万3800円ちょっと。スマホは持っているだろうから、同期や拡張性の課題が残ったまま、6万円払って執筆だけのツールを買うかというと、筆者はやはり躊躇してしまう。面倒くさがりなので、同期するのがどうしてもたるいし、忘れてしまいそうな気がする。
もちろん、スマホ+キーボードでは味わえない簡易な入力環境は貴重だし、入力しか使えないことで集中力が削がれないメリットもある。Magic Keyboardを買ったばかりなのでポメラは買わないけど、入力しか使えないツールはちょっと欲しいかも。