auのオンライン専用の新ブランド「povo(ポヴォ)」
KDDIがオンライン専用新ブランド「povo」を発表した。月間データ容量20GBを月額2,480円のサービスで、いうまでもなくドコモ「ahamo」の対抗サービスだ。
ソフトバンクの「Softbank on LINE 」と合わせて比較してみます。
料金
- ドコモ「ahamo」：2980円
- ソフトバンク「Softbank on LINE 」：2980円
- au「povo」：2480円
一見すると、料金はauの圧勝。大手3社横並びの料金になるかと思われたが、驚きの500円引き。ahamo発表直後にAmazon Primeとのバンドルを発表して叩かれたのがトラウマになっているのか、社長の鶴の一声で決まったのか、大胆な価格設定だ（と思う）。
今までの「データMAX 5G」は使い放題で8480円（割引なしの状態）だったので、半額どころではない。もちろん、今までのプランは家族割引きなどがあるが、シンプルに2480円というワンプライスはわかりやすい。
「auだけ安い！」と思いそうだけど、カラクリがある。カラクリは通話料金にある。ドコモとソフトバンクは5分かけ放題だが、auだけ20円30秒。auが同じように5分かけ放題にするにはプラス500円なので、そうなるとドコモとソフトバンクと同料金になる。
ずるい気もするけど、LINEなどで通話するから電話料金のオプションが不要な人には親切なサービス内容だ。
使用回線
- 4G/5G回線
povoも他のサービスと同様に4Gと5G両方の回線を使用できる。povoはauブランドなので記載はないが回線速度はauと同一なのだろう。
データ容量
- 20GB
3サービスとも全て20GB。20GBで合わせているので、povoの安さが一見際立つ。
超過後の速度
- 1Mbps
こちらも同じ。
通話料金
- ドコモ「ahamo」：５分かけ放題。かけ放題は+1000円
- ソフトバンク「Softbank on LINE 」：５分かけ放題。かけ放題は+1000円
- au「povo」：20円/30秒 。5分かけ放題は+500円、かけ放題は+1500円
povoだけ20円30秒で、5分かけ放題はオプション扱い。５分かけ放題が必要な人は3社と同額料金で、auだけ安いわけではないので、お間違い無く。
povoの通話かけ放題はプラス1500円なので、オプションをつけると3社同じ金額になる。
データ追加
- 1GBあたり500円
こちらも同じ。
データ使い放題
povoの特徴として、200円で24時間データ使い放題というオプションがある。1ヶ月のオプションではなく、24時間限定なので注意。
出張中にオンライン会議をする時などに使えるかと。
同条件だと見事に同額料金
初見ではauだけお得なプランかと思ったが、５分かけ放題のオプションをつけると、ドコモ・ソフトバンクと見事に同額。
オンライン申し込みで店舗サポートが受けられないのも同じだ。
povoは、シンガポールの通信事業者「Circles Asia」と協業して運営するそうだ。昨年10月にauはCircles Asiaと協業して、「KDDI Digital Life」という完全子会社を設立していて、おそらくこの子会社でpovoを運営する予定だったのだろうが、総務大臣の鶴の一声でKDDIのブランドであるauのサブブランドとして開始することになった。
政治が民間企業のサービスに口出しするのは感心しないが、携帯電話料金が安くなるのは歓迎だ。５分かけ放題にしたのも好感が持てる。LINEやFaceTimeを使って毎月500円も電話をしない人も多い。
これで大手3社の格安プランが揃った。これを踏まえて楽天モバイルがどうするのか。楽天は自社エリアなら使い放題とはいえ、今のままの価格帯では大手3社との競争は難しいだろう。
もう一つ、MVNOがどうするのか。今回はKDDIはUQ Mobileの新プランも発表している。20GBも不要な人には3GB1480円からの格安プランを用意した。この金額はMVNOと比較して遜色ない。サブブランドであるUQ MobileはMVNOよりも高速だ。MVNOは更なる値下げを強いられることになりそうだ。
