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総務大臣がauの新サービスに苦言。誰のためのサービスなのか?

auの新サービスに苦言

武田総務大臣が記者会見でauの新プラン「povo」が「非常に紛らわしい発表だ」と発言した。「通話料金なし」で「最安値」と表現するのがややこしいというのだ。

この発言について考えてみます。

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 「最安値」と言っていないau

先行して発表したドコモとソフトバンクに比べて、auは通話料金なしで500円安い20GB2480円のプラン「povo」を発表した。単純に比較すればauは「最安値」だが、ドコモ・ソフトバンクと電話料金のプランを揃えると、同じ金額になる。

それが紛らわしいと総務大臣は発言したのだが、auは「最安値」とは言っていない。国内通話が20円30秒というのをauは明確に記載されている。

以前批判を浴びたように様々な割引きをした額を見せているわけではない。極めてシンプルな表記だ。

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シンプルなプランとは?

今頃auの社長は頭を抱えているのではないだろうか。オプションや複雑な割引プランを叱責されて、今度は通話料金も減らした極めてシンプルなプランをだしたらやっぱり怒られる。

筆者はpovoを評価している。ドコモの社長が言っていたが、5分かけ放題を好むユーザーはざっくり30%、かけ放題を好むユーザーも30%ぐらいだということだ。ということは電話料金が不要なユーザーが30%以上いることになる。不要なサービスを含めて抱き合わせで売ることが正しいかというと違うのでは。

もちろん、「わかりやすさ」も大事だが、auは今回「利用スタイルに応じてトッピング形式」とニーズに合わせてオプションで追加できると明確に言っている。

総務大臣が言う通りにするには、全ての会社が同一内容のサービスを販売し、価格だけで競争することになる。同一内容しか販売できないなら、選ぶ基準が価格だけでしかなくなる。

様々なニーズがあるはずのに、価格だけでしか選べないのも不幸だし、携帯電話各社も企業努力の余地もなくなる。

各国と比較して高額で硬直化した携帯電話料金を値下げさせるために、ある程度の圧力は必要悪だと思っていたが、サービス内容にここまで関与してくると民主主義国家としてどうなのだろうか。

「わかりやすさ」と「多様なニーズに合わせる」を両立するのは確かに難しい。ただ、シンプルなプランでサービス内容を明示して、通話かけ放題などをオプション扱いするのは良いバランスの取り方だと思う。今回のauのpovoは、まさにその通りのプランだと思う。

総務大臣のこれ以上の介入は、民間企業の自由度を著しく損なうことになる。auが折角良いサービスを発表してよい流れになってきたのだから、総務大臣には3大キャリアではなくMVNOへの回線使用料の値下げなど、小容量プランの値下げに注力して欲しい。

 
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