PayPayが有料化
今まで手数料が無料だったPayPayがついに有料化へ踏み切った。10月から加盟店が決済するときの手数料が最低1.6%に設定される。
この手数料は、他のスマホ決済やクレジットカードの手数料と比較すれば安く、PayPayがいうには業界最安値らしい。
とは言っても、今まで無料だから対応していた個人店舗が「手数料取るならやめる」と言い出すかもしれない。これをきっかけにスマホ決済は衰退するか考えてみます。
定着したスマホ決済
手数料が取られるからといって店舗がスマホ決済をやめるのもリスクがある。QRコード決済を利用している人は全体の3割を超えている。
そのQRコード決済のなかでPayPayのシェアはダントツだ。PayPayが使えるからその店舗に行こうとは思わなくても、現金しか使えない店舗の利用を躊躇する人はいるだろう。
PayPayの対応中止は、売上にも顧客サービスにも影響する。
ギリギリの手数料
クレジットカード全盛の頃から、手数料は約3%というのが相場だった。それと比較すると、1.6%というのは格安ではある。おそらくPayPayはこのパーセントをかなり長い間協議して決定したのだと思われる。この手数料はシステム維持費ギリギリなのだろう。少なくても、大きな利益が出るとは思えない。
それでも、PayPayがこの手数料で運営する背景には、他のビジネスに繋がる余地があるからだ。
そのひとつが、「PayPayマイストア ライトプラン」だ。PayPayマイストアは、店舗がユーザーに向けて情報を発信したりクーポンを発行したりするなどして集客するサービスだ。今回の手数料1.6%というのは、「PayPayマイストア ライトプラン」に加盟していることが条件となる。
PayPayからしたらプランの利用料が収益になるのと同時に店舗情報が手に入る。PayPayのアプリを立ち上げて、近所の店舗情報が入手できるようになれば、アプリの利用頻度が増える。Google Mapや食べログなど広告費用をもらい、近隣の店舗情報を集めたアプリを提供するのは大きなビジネスになっている。
PayPayは決済する度にアプリを立ち上げる必要があるので、利用頻度は高い。そこに店舗情報を紐づければ、大きな広告収入となる。
スーパーアプリ化を目指すPayPay
決済するたびに起動するPayPayアプリは、ホーム画面で目立つ位置に置かれるし、使用頻度も高い。このPayPayアプリに多くの情報や機能を付加していけば、これだけでいろいろなことが完結するスーパーアプリになる可能性がある。
採算ギリギリの手数料に設定した背景には、PayPayアプリに多くの機能を集約しスーパーアプリにする戦略があると思われる。