史上最多のPK
ロシアワールドカップはPKがやたら多い。40試合消化時点で、PKは22。史上最多の数だ。前大会は13だったので、大会終了までには2倍近い数になるだろう。
VARの効果
原因は、VAR(ビデオアシスタントレフリー)と言われている。22回のPKのうち8回はVARによる判定だ。今までレフリーが見えなかった部分での反則もVARがチェックしてくれるので、PKが増大した。
VARで判定した8回のPKを除いても、本大会のPK14回はブラジル大会より多い。この増加もVARの影響だ。
VARがあるから、レフリーが逡巡することなく決断よくPKを宣告できる。万が一間違えていても、VARが指摘してくれる。レフリーがPKを宣告しなければ、あとからVARが指摘してくるというプレッシャーもある。最終的な判断はレフリーが行うといっても、あとから自分のジャッジを指摘されるのは面白くないし、レフリーとしての信用に関わる。PKかどうか、今まで以上にレフリーがしっかりとチェックするようになったことがPKの増大に繋がった。
正しいサッカーを行うために
FIFAがVARを導入した目的は、正確なジャッジを行うことと、ラフプレイの減少にあると思われる。ディフェンスだけではなく、ネイマールが引っかかったようにPKが取り消しにあうこともある。VARがあることで、ラフプレイが減り、オフェンス側のシミュレーションも減っていくはずだ(そのためにはシミュレーションに対してカードを厳しく出していく必要がある)。
世界にVARを
VARみたいな判定システムは何もサッカーだけではない。VARはIT技術発展の申し子だ。今まで曖昧だった判定をITを使うことで可視化できるのではないか。小さい例で言えば、交通ルール違反。交差点にカメラとシステムを組み込めば、事故の際にどちらが信号無視したか可視化できる。個別に取り付けるドライブレコーダーよりも効率がよく、公平だ。
大きな例で言えば、少し夢想的だが国家間の紛争などにも役立てられそうだ。今話題の北朝鮮の核廃絶の進捗をカメラで監視したり、両軍の軍事基地に監視装置をつけたり。本当に敵対したら、そんな監視装置など破壊するだろうから、レフリーのような第三者機関をどのように作るかは課題になるだろう。
ITシステムを監視に利用するのは、管理社会と言われプライバシー問題に関わるので議論は必要だが、誰かが恣意的に判断できるよりは良い場合も多いと思う。