過去の命名規則が覆される
イベントが終わっても謎が残ったのがiPhoneの名称だ。過去の命名規則通りなら、
- 5.8インチOLEDモデル・・・iPhone XS
- 6.5インチOLEDモデル・・・iPhone XS Plus
- 6.1インチ液晶モデル・・・ iPhone 9
となるはずだった。
ところが、実際は、
- 5.8インチOLEDモデル・・・iPhone XS (あたり!)
- 6.5インチOLEDモデル・・・iPhone XS Max (えっ?)
- 6.1インチ液晶モデル・・・ iPhone XR (まじっ!)
だった。
Appleも適当に名前をつけているわけではなく、意外だった名称から新しい命名規則が見えてくる。
iPhone XSは過去の命名規則どおり
過去の命名規則では、本体デザインが変わらず機能だけを強化した場合、ナンバリングにSがついた名称になる。今回は本体のデザインはiPhone Xと全く変わらないので、iPhone XにSがついてiPhone XS。過去の命名規則通りである。
過去のSモデル
- iPhone 4s (2011)
- iPhone 5s (2013)
- iPhone 6s (2015)
iPhone XS Plusではない理由
ディスプレイサイズが大きいiPhoneは通常のiPhone名にPlusがついた名称だった。まさかMaxみたいなマッチョな名前をAppleがつけるわけがないと思っていたが、冷静に考えると妥当性がある名称だった。
実は、Plusの意味はディスプレイサイズが大きいではなく、通常モデルよりも性能が”プラス”されている意味がある。
過去のPlusモデル
- iPhone 6s Plus (2015)・・・光学式手ぶれ補正
- iPhone 7 Plus (2016)・・・12MP広角カメラと12MP望遠カメラ
- iPhone 8 Plus (2017)・・・ポートレートライティング(ベータ版)
ところが、今回のiPhone XS MaxはiPhone Xと全く同じ性能だ。今まで差別化されていたカメラ機能も変わらず、プラスする性能がひとつもない。だからPlusとつけるわけにはいかず、iPhone XのディスプレイサイズがMaximumなバージョンなので、iPhone XS Maxとなったのだ。
- Plusは機能を付与する意味。今回は追加機能がないのでPlusはつけられない
- iPhone XSのディスプレイが最大サイズなので、Maxがつく
iPhone XRである理由
iPhone 8から本体デザインが変わっているので、過去の命名規則ならiPhone 9とするところが、iPhone XR。iPhone 9をとおりこしてiPhone Xとなるのも異例だし、Rのは今までiPhoneに使われなかったアルファベットだ。
iPhone Xの”X”は、Appleにとって特別なアルファベットだ。2001年から2015年の15年間、MacのOSの名称はOS Xだった。元々XはVer. 10の意味だったが、10の意味ではなく固有名詞として扱われるようになった。
2017年、iPhone発売十周年モデルとして登場したiPhone X。本来であれば、2016年のiPhone 7から本体デザインが変わったのでiPhone 8になるところが、8と9をスキップしてiPhone X。10ではなくXと記載したのは、言うまでもなくOS Xを意識している。
過去のiPhoneのアイデンティティと言うべきホームボタンを廃止したiPhone Xは十代目のiPhoneではなく、”iPhone X”という名前なのだ。過去のOS Xと同様に。
では、Rは何の意味があるのだろうか。Appleは何の説明もしていない。過去のiPhone 5cのCはColorのCだと推定された。
今回のiPhone XRもカラーバリエーションモデルが用意されているので、iPhone XCでも良かったと思うが、iPhone 5cはヒットしなかったので、あまり使いたくなかったのだろう。
iPhone XRはミッドレンジの価格帯なので、Reasonableとも考えられるが、ちょっと直接的すぎる。今回のカラバリは6色、Appleのレインボーロゴも6色。RainbowのRが一番妥当に思える。
- ”iPhone X”でひとつの固有名詞
- Rは、Rainbowの意味?
まとめ
”iPhone X”が固有名詞となり、今後はiPhone X +?の名称になると思う。人気が出れば、来年もiPhone XRも継続するだろうし、次期モデルに付加価値がなければ、Maxがつくだろう。付加価値があったらPlusが復活するかもしれない。