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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
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iPhone Xユーザーは買い換えるべき?新型iPhone XSの比較で見えてきたAppleの戦略

新型iPhone発表

怒涛の流出情報により、すっかり答え合わせの場になったAppleの新作イベントだけど(最後はApple自らの流出もあり)、細かく見ていくと色々な違いとAppleの戦略が見て取れる。

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流出そのままの画像をトップページに使う大胆なApple

噂通りの3モデル

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5.9インとOLED、6.5インチOLD、6.1インチ液晶モデルと噂通りのラインナップ。名称は、本サイトの予想と反して、iPhone XS Max、iPhone XRだった。まさか、「Max」なんて新たな名称を使うとは。PlusからMaxに変わる意味、Rが何の略かも説明していなかったような。

iPhone XとiPhone XSの比較

外観

名前が示すようにiPhone Xの後継であり、外観もほとんど変わっていない。

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左がiPhone X。右がiPhoneXS。壁紙以外で違いを見つけるのは困難

唯一の違いは、上部のアンテナ分割バー。iPhone Xにはない。通信関連の変更は発表していなかったが、通信速度がアップしているのだろうか。

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サイズ

寸法も変わらず、iPhone XSは3g重い。誤差範囲なので持っても違いはわからないだろう。

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カラー

iPhone XSはゴールドモデルを追加。機能があまり変わらない時に新色を追加するのはAppleの常套手段。高級モデルであるiPhone XSにふさわしいゴールドの追加だ。シルバーとスペースグレイはiPhone Xと全く同じ色。

ディスプレイ

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サイズも画質も全く変わらない。Super Retina HDディスプレイ搭載も同じ。

Face ID

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iPhone Xから搭載されたFace IDは、カメラなどの仕様は変わっていないが、iPhone XSになって高速化した。どれぐらい速いのかデモではよくわからなかったが、指紋認証のTouch IDも2世代目で目に見えて速くなったので、Face IDも進化しているのかも。ただiOS 12でも必要なアンロック後の上スワイプの動作の方が時間かかりそうだが。

基本性能

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iPhone XSは次世代チップ「A12 Bionic」を内蔵している。最大15%高速、グラフィック性能は最大50%アップになったらしいが、iPhone Xで遅いと実感したことはないので体感ではわからないのでは? 古いiPhoneでもキビキビ使えるのがiOS 12の売りでもあるし。

A12 Bionicは省電力になっていて、iPhone Xより最大30分のバッテリー駆動時間が長い。ただ、そう言っておきながら、通話時間はiPhone Xより短いので、こちらも体感的にはわからないだろう。

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左がiPhone X。右がiPhone XS。通話時間はiPhone Xの方が長い

カメラ

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カメラのハード的スペックは変わっていないが、内部構造とソフトウェアの改善で、ポートレートモードのボケ効果が進化し、深度コントロールができるようになった。ボケ効果はiPhone 7 Plusのツインカメラからできるようになった機能だ。たまに被写体を背景と認識しボケさせてしまうことがiPhone Xではあったが、解消されただろうか。

深度コントロールは、撮影後にF値(絞り)を変更できる機能で、あとからボケ効果を調整できる。iPhone XSの新機能の中で、筆者が唯一欲しいと思った機能。ちなみにボケは、Bokehと表記し、日本語由来の英語。

iPhone XSはスマートHDR機能搭載により、より明暗がはっきりした写真が撮影できる。

ビデオ撮影

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拡張ダイナミックレンジの採用で暗い場所でも撮影できるようになった。4つのマイクでステレオ録音ができるらしいが、小さいボディでどれだけ差異がだせるか試してみたい。

防水性能

iPhone XSは水中での使用が可能なIP68基準の防水性能をもつ(iPhone XはIP67基準。1mの水深で30分浸けられる)。とは言っても、水中でiPhoneを使う機会は、そうないだろう。

デュアルSIM

噂にあったとおりデュアルSIMに対応してきた。DSDS(Dual SIM Dual Stand-by)に対応しているので、両方のSIMの電話番号で着信することができる。

ただし、中国以外の国では二枚目のSIMはeSIMのみなので、キャリアが対応してくれないと使用できない。日本国内のキャリアは対応しないのでは?

予備電力機能付きエクスプレスカード

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iPhone XSには「予備電力機能付きエクスプレスカード」の表記がある。字面からは、iPhoneのバッテリーがなくなっても、エクスプレスカードは使えるように解釈できる。今回新モデルすべてに同じ記載があり、iPhone X、iPhone 8はただの「エクスプレスカード」としか記載がないので、明らかに違う機能と思われる。

同梱物

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今まで同梱されていたLightning-イヤホンアダプタがなくなった。

確定事項のように言われていた充電アダプタのUSB-C仕様への変更はなく、従来どおりUSB-A仕様。

価格

iPhone XSは64GBで112,800円。iPhone Xと同一価格だ。あまりに高いので安くなると言われていたが、強気の価格のままだ。iPhoneの総売上は伸びているので値下げする必要はないという判断だろう。

まとめ

今までのSモデルは外観が変わらなくても、インターフェイスの進化はあったが、今回はインターフェイス絡みの目立った新機能はない。噂にあったApple Pencil対応もしていない。

代わりにカメラ機能が大きな進化ポイントになっている。デジタルコンパクトカメラの市場をスマートフォンが侵食して久しいが、カメラとしてスマートフォンが使われる機会は増え続けているので、Appleとしては電話というよりデジカメとしての性能を高めるのは市場の要求にそっている。

今回はPlusユーザーをiPhone XS Maxで取り込み、リーズナブルなiPhoneを求めるユーザーにiPhone XRを売ることで売上拡大を図る戦略なのだろう。

高価だったiPhone Xから一年で買い替える人はどうせ少ないから、iPhone Xからの大型進化は不要だった。

比較すればわかるとおり、 iPhone Xユーザーからしたら買い替えするモチベーションはかなり低い内容。いいなと思えるのは、カメラの深度コントロールとFace IDの高速化だけ。

iPhone 3GSから毎年iPhoneを買い替えてきた筆者も、たぶん(おそらく)今年は買い換えないだろう。

逆に言えば、iPhone Xの完成度が高かったということでもある。iPhone 8以前に機種を使っている人で、iPhone XSの細身ボディが良いという人が買い替えても損はしないと思う。