iPhone減産報道
iPhone XRに続き、iPhone XS / iPhone XS MAXのサプライチェーンへの注文が減った報道がされている。
報道を受けて、Appleの株価は急落している。
WSJによると、iPhoneが3モデル態勢になって予測しづらくなったのが一つの要因とのことだが、昨年も3モデルだったので、主因は他のところにあると思われる。
魅力に乏しいiPhone X
筆者が思うに、Appleが革新的な製品を開発できなかったことにある。iPhone XSはiPhone Xからの進化が乏しい。すぐに実感できる新たな機能は「ボケ機能の進化」だが、Googleフォトなどサードパーティ製のアプリを使えば、iPhone XSに似た機能をiPhone Xでもつかうことができる。
少なくても、10万円以上支払って買い換える動機にはなりづらい。筆者はiPhone 3GからiPhoneを毎年買い替えてきたが、今年初めて買い換えなかった。
良い製品なのに売れないiPhone XR
iPhone XRは、液晶搭載モデル初のFaceI ID対応と、非常に良くまとまっている製品で価格もiPhone XS、iPhone XS MAXより安い。そのiPhone XRが売れていないとしたら、事態はより深刻だ。
一個の製品として見た場合、iPhone XRの欠点は少ないし、改良すべき点が数多くあるようには思えない。
それでも売れないなら、「そこそこの製品」を出しても現在のスマートフォン市場では需要を喚起できず、「革新的な製品」を市場が求めている証になる。
iPhone XRは来週より値下げする報道もでている。これが事実なら販売開始から一ヶ月での値下げは、かなり深刻な状況といえる。
市場がAppleにもとめていること
今年Appleが発表した製品は、どれもソツがなかったと思う。値下げしたiPad、フルFace IDのラインナップを揃えたiPhoneシリーズ、ユーザーの欠点を解消したiPad Pro、多くのユーザーが望んでいたMacBook Airのアップデート。
今までのAppleとは想像できないほど、ユーザーの意見を聞いて改善した製品ばかりで、非常に完成度が高い。Apple Pencilのキャップをなくすこともなくなったし、年寄りには厳しかったApple Watchの画面は大型化し、今となってレトロ感があった額縁のようなベゼルを纏ったAirも消えた(併売はしているけど)。
ユーザーとして欠点だった部分が改善されるのは嬉しいが、ユーザーがAppleに求めているのは、ソツがない製品だけではない。誰もが驚く、革新的な製品をユーザーは望んでいる。それがあれば、自分の新しい生活が想像できるような製品だ。
革新的な成分が、今年発表した製品にはあまりに少なかった。特にiPhone XSは、過去のiPhoneの中で最も進化が乏しかった。
これでは、10万円を超えるお金をだして買い換える気分になれない。過去は”S”モデルでも、3D Touchなどの新基軸を打ち出してきた。3D Touchは成功したとは言い難い機能だが、それでも画面を強く押すという新しい動作と機能は人の注目を集めた。
たとえ、ハッタリでもいいので、来年のiPhoneには革新的な機能の登場を期待したい。