iPhone XRが売れていない?
iPhone XRが販売不振で、増産を中止するという報道があった。
日経の記事によると、当初見通しより20%から25%減少の生産になり、代わりにiPhone 8とiPhone 8 Plusの増産を図るという。
iPhone XR不振の原因
この報道が事実かどうかわからないが、事実だとすると原因はなんだろう。iPhone XRは液晶ディスプレイ搭載ながらフラッグシップモデルのiPhone XSとほぼ同等の性能を誇り、価格も安く大画面ディスプレイと「売れる」要素がたっぷり含んだ意欲的モデルと言われていた。iPhone XS、iPhone XS Maxを加えた3モデルの中で最もバランスが取れたモデルと評判だった。
iPhone XRの性能面で死角はない。問題があるとすれば、マーケティング的な観点だろうか。可能性を探ってみる。
iPhone XSも売れていない報道もでている。そちらに関してはの考察は、こちら。
長くなった買い替えサイクル
スマートフォンのスペックが以前より頭打ちになり、一般ユーザーの買い替えサイクルは以前よりも伸びている。
1年や2年で買い換えるのはハイスペック嗜好のユーザーだけで、そういったユーザーはハイエンドのiPhone XSを求める傾向がある。iPhone XSと比べればスペック的に中途半端なiPhone XRを選択しない可能性はある。
大画面ユーザーがiPhone XS Maxを選んだ
大画面ディスプレイを好むユーザーは多い。6.1インチのiPhone XSは大画面ではあるが、最大サイズではない。大画面ディスプレイのユーザーは両手で操作し、ポケットに入れることもないので、ボディが大きくても大した問題にはならない。大画面好きのユーザーが最も大きなディスプレイサイズを誇るiPhone XS Maxを選んだ可能性はある。
コストパフォーマンス重視のユーザーがiPhone 8を選んだ
当初安価モデルと言われたiPhone XRだが、そんなに安いわけではなく、iPhone XSより17,000円安い。この17,000円をどう捕らえるか。たとえば3年間同じスマホを使うなら、一年当たりの差は6,000円弱。
iPhoneシリーズの価格(64GB)
- iPhone 8 67,800円
- iPhone XR 84,800円
- iPhone XS 112,800円
これがiPhone 8を選ぶと、iPhone XSとの価格差は45,000円まで広がる。一年当たりの差は15,000円。ここまで広がると結構大きな価格差だ。
コストパフォーマンス重視のユーザーがiPhone XRではなくiPhone 8を選択した可能性はある。
販売台数を自慢しなかったクックCEO
10月のイベントでクックCEOはiPhoneの販売台数に言及しなかった。いつもはイベントの冒頭で販売実績を高らかに自慢するのが常だった。
直近であるQ4の決算ではiPhoneの売上は好調だったが、次期より販売台数の公表を取りやめると発表した。
以上のことから、iPhone XRだけではなく、iPhoneシリーズ全体の売上がAppleの予想以下だったという憶測が立ってもおかしくはない。
まあ、iPhone Xも高価過ぎて売れていないと言われたが、蓋を開けてみると過去最高の売上を記録したから、真相はわからないけど。