来年も外観が変わらない?
来年発売のiPhoneは今年と同じ形状で、2020年にフルモデルチェンジすると、野村證券のアナリストが発表した。
Anne Lee氏は、今年発売のiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRの3モデルから外観は変わらず、AR(拡張現実)機能がアップデートされるだけと予測している。
信憑性は?
iPhone XSは前モデルのiPhone Xと外観はほとんど変わらない。もし来年も変わらなければ、三年連続同じ外観となる。
今年のiPhone XSでさえ販売不振が言われているのに、来年も同じ外観であれば、さらに売れなくなる可能性が高い。
どのように変わればいいのか?
と言っても、現行のiPhone XSからどのように変更すればよいかと問われても、なかなか思いつかない。
ホームボタンがなくなりフルディスプレイが実現したiPhone Xは、Appleのミニマルデザインの究極形に近く、あと減らせる部分といえばアンテナぐらいだけど、iPhone XSではiPhone Xよりアンテナの数が増えたので、ここも難しい。
電源ボタン、音量ボタンも減らすのは機能性の低下に繋がるし、SIMスロットも外せない。
軽量化? 大画面化?
ITデバイスの歴史は薄型軽量化の歴史でもあるが、最近はケースを装着するのが一般的になり、軽量化を望んでいる人は減ってきている。
大画面化はどうだろう? iPhone Xがディスプレイサイズをこれ以上大きくすると、iPhone XS Max、iPhone XRのディスプレイサイズと競合する。iPhone XS Maxも、これ以上大きくなるとタブレットになってしまう。
前面がだめなら、背面はどうか? ワイヤレス充電に対応したため、iPhone XSから背面がガラス仕様になった。ワイヤレス充電をやめるわけにもいかないので、ガラス仕様も変更できない。
残るはカラバリ?
色々考えると、iPhone XSの外観を変えるのが非常に難しいことがわかる。残る変更できる外観は色だ。ただ、iPhone XSからゴールドが加わり、iPhone XRが豊富なカラーバリエーションを展開しているので、これ以上のカラバリも厳しい。フラッグシップモデルのiPhone XSは、あまり大胆なカラーも使いづらいだろう。
デザインでも袋小路?
スマートフォン市場の飽和化、スマホのスペック向上の行き詰まりが言われて久しい。デザインもスペックもあまり変わらなかった今年のiPhoneは売上不調に陥っていると言われ、Appleの株価下落を招いている。
スマートフォンはスペックだけではなく、デザインでも袋小路に嵌っている。余計な装飾を廃し、シンプルなデザインこそがAppleの真骨頂だ。ミニマルデザインの追求がホームボタンやオーディジャックを減らし、フルディスプレイを実現させた。
だが、フルディスプレイを現実にすると、これ以上削ぎ落とすものがない。来年もデザインが変わらないというのは、あながち嘘ではないかもしれない。