10年使っているEvernote
筆者は10年以上Evernoteを使用している。iPhoneを買った頃、iPhoneとPCで覚え書きや書きかけの小説を共有したのがEvernoteを使い始めたきっかけだ。
当時のiPhone純正アプリ「メモ」の機能は貧弱だったので筆者は使わなかったが、10年の間にメモも大きく進化している。
改めて、Evernoteとメモを比較してみます。
Evernoteとメモの比較
すぐに入力
メモアプリで一番大事なのは「さくっとメモを残せること」だと思う。がっつり文章を書くより、日々思いついたこと、忘れてはいけないことを残すのがスマートフォンのメモの使い方になるだろう。
メモはフォルダ構造になっていて、PCアプリのようだ。メモを残すには、フォルダを選択し、新規作成ボタンを押す必要がある。
Evernoteは、どの画面でも画面下の「+」ボタンを押せば、新規メモが残せる。Evernoteのほうがひと手間少ない。
- すぐに入力:Evernote
クラウドの同期
各端末で同じ情報を参照できるクラウド同期は、スマートフォンのメモアプリではなくてはならない機能だ。スマートフォンで残したメモをPCで加工したり、スマホとタブレットで情報を共有したりできる。
メモは、iCloud経由で共有できる。さすが純正らしく、iOS、macOSのデバイスには瞬時に同期をとってくれる。余計な手間は一切不要だ。
メモのiCloud設定方法
- iPhoneの「設定」→「パスワードとアカウント」→「iCloud」→「メモ」をオン
メモが格納されるiCloudのストレージは5GBまでが無料で、それ以上は別料金がかかる。50GBだと月額130円、200GBは月額400円、2TBだと月額1,300円。
メモなら5GBで十分そうだけど、iCloudはメモだけではなく、iPhoneのバックアップや写真、メール、メッセージなど多くのアプリで使われる。iPhoneのバックアップと写真だけで、あっという間に5GBを超えてしまう。
それでも写真を大量に格納しないなら50GBで十分だろう。
Evernoteのクラウド同期も瞬時に行われる。「Wi-Fi接続時にのみ同期」をオンにするとモバイルデータ通信環境では同期されない。
Evernoteも無料でクラウド同期が可能だが、無料のベーシックプランだといくつかの制限がある。
Evernoteではクラウドで使用できる全体容量が決まっているのではなく、月間のアップロード容量が決まっている。無料のベーシックプランだと60MB、プレミアムだと10GB。
ひとつのノートの上限サイズも違う。ベーシックは25MB、プレミアムは200MB。
クラウド同期の点で、ベーシックとプレミアムの最も大きな違いは、同期できるデバイスの数だ。ベーシックは2デバイスまで、プレミアムだと無制限のデバイスと同期がとれる。Evernoteのプレミアムプランは月額600円。
複数の端末やPCで遣いたい人は有料プランが必須になる。ちなみにWebブラウザからのアクセスは端末の数には含まれない。
iCloudの「メモ」は無料のプランでも無制限のデバイスと同期が取れる。
金額で比較すると、50GBぐらいで使うならメモのほうが安い。「iCloud」のアプリをインストールして設定すれば、Windowsでも同期がとれる(たまに不安定だけど)。
- クラウド同期:メモ
Webクリップ
一からメモを作成する他にWebページをクリップして保存することも多いと思う。
メモはiPhoneのSafariからWebページをクリップしようとすると、URLだけがクリップされる。
メモのWebクリップ方法
- Safariで画面を開く。画面下の「出力」ボタンをタップ
- 「メモに追加」をタップ。表示されないときは一番右端にある「その他」をタップし「メモ」をオン
クリップしたメモ。URLだけ。タップすれば、元のWebページが参照できる。
ちなみに、Macで同じ動作をしてクリップすると、ページ全体をクリップしてくれる。
Evernoteは、iPhoneからもWebページごとクリップしてくれる。
EvernoteのWebクリップ方法
- Safariで画面を開く。画面下の「出力」ボタンをタップ
- 「Evernote」をタップ
-
タイトルとノートブック、タグを変更して、保存
Webページごと保存してくれる。MacのSafariからは拡張機能「Evernote Web Clipper」をインストールして、クリップできる。
- Webクリップ:Evernote
装飾
メモの装飾は、どちらのアプリも豊富。太字や箇条書き、写真の添付などが可能。
メモ
左から表、文字フォント、箇条書き、添付、マークアップ。
Evernote
左から、添付、カメラ、文字フォント、太字、斜体、下線、箇条書き。
- 装飾:引き分け
3D Touch
どちらも3D Touchに対応している。最近のノートも参照できる。
- 3D Touch:引き分け
ウィジェット
どちらもウィジェットに対応している。直近のノート(メモ)を表示してくれる。Evernoteは、ウィジェットからノート作成が可能だ。
- ウィジェット:Evernote
整理
メモは、フォルダを作成してメモを整理できる。非常にPCライクな構造だが、サブフォルダは作成できない。
Evernoteは、ノートブックというフォルダに似たものにノートをまとめて保存する。それ以外に各ノートにタグを残せる。タグを使えば、ノートブックを横断して整理することも可能で、作業中のノートにタグをつけて、完了したらタグを外すこともできる。サブフォルダみたいにタグを使う方法もある。
- 整理:Evernote
その他の機能
Evernoteには、頻繁に参照するノートをまとめる「ショートカット」、一定時刻後にノートを表示する「リマインダー」、ノートを残した場所を記録することもできる。
- その他の機能:Evernote
安定度
Evernoteは新しい機能の取り込みに貪欲で、サードパーティ製ながらApple WatchやSiriショートカットにも対応している。
ただ、筆者の環境だけかもしれないが、アプリが安定しない。アップデートの度にフリーズしたり、検索してもヒットしなくなることがある。
メモはさすが純正アプリ。常に安定している。
- 安定度:メモ
Evernoteの4勝2敗2引き分け
- すぐに入力:Evernote
- クラウド同期:メモ
- Webクリップ:Evernote
- 装飾:引き分け
- 3D Touch:引き分け
- ウィジェット:Evernote
- その他の機能:Evernote
- 安定度:メモ
Evernoteの機能は非常に豊富だ。Webクリップやショートカットなど様々な機能が用意されている。
ネックは料金。Evernoteプレミアムの月間600円をどうみるか。以前はEvernoteプラスというベーシックとプレミアムの中間のプランがあったが、今は契約できないようだ(筆者はずっとプラスプラン)。
メモは純正アプリらしく、非常にシンプル。写真やバックアップにiCloudを使わなければ、当分無料で使える。
Evernoteはがっつり使うなら2つ以上のデバイスで同期がとれるプレミアムプランへの加入は必須になると思う。
まずはメモとEvernoteを無料で使ってみて、自分がどこまでの機能を必要としているか確かめるのがよいと思います。