iPhoneはなぜ高い?
iPhoneの売り上げが低迷しているのは、あまりに高い値付けが原因の一つと挙げられることが多い。確かに最近のiPhoneは高い。
256GBのiPhone XSは129,800円もする(Appleの公式サイト)。でも、どうしてこんなに高いのだろう? 例えばiPhone XSと同じプロセッサを搭載するiPad AirはiPhone XSより大きなディスプレイサイズで256GB Wi-Fiモデルが71,800円。なんでこんなに価格差があるのか、考察してみます。
セルラー機能が高い?
iPhoneよりiPadが高い理由に挙げられるのは、セルラー機能を付与するのにコストがかかるということだ。セルラーチップのコストもかかるが、それよりも各国の認証を受けるのにコストがかかると言われている。モバイル通信を行うには、各国の認証機関から認証を受ける必要がある。国によって利用できるバンド幅も異なるし、法律も違う。今やライフラインとなっている通信が使用できない状態は許されないので、慎重な審査が必要だ。
iPadで比較すると、セルラー版はWi-Fi版より15,000円高い。これはどのiPadも共通の価格差だ。なるほど確かにセルラー機能は高い。
- セルラー機能は15,000円
iPhoneとiPadの価格差
では、iPhoneとiPadのセルラー版を比較してみよう。いずれも256GBモデルでiPadはセルラー版。
- 6.5インチ iPhone XS Max・・・141,800円
- 5.8インチ iPhone XS・・・129,800円
- 6.1インチ iPhone XR・・・101,800円
- 11インチ iPad Pro・・・123,800円
- 10.5インチ iPad Air・・・86,800円
- 7.9インチ iPad mini・・・77,800円
一番高価なのは、iPhone XS Maxの141,800円で、11インチのiPad Proよりも高い(12.9インチ版の iPad Proは145,800円)。
iPhoneが大幅に値上がりしたのはOLED搭載のiPhone Xからで、OLE搭載のiPhone XS MaxとiPhone XSは液晶モデルのiPadよりも高い。
液晶モデル同士のiPhone XRとiPadを比較すると、iPhone XRの値づけは、iPad ProとiPad Airの中間に位置する。
iPad ProとiPhone XRはFace IDを搭載しカメラのスペックも似ている。22,000円の価格差は液晶サイズの大きさと考えることができる。
液晶サイズが大きいiPad miniの方がiPhone XRより安いが、Face IDの有無とカメラ性能の違いと考えられる。その違いに24,000円を出せるかというと、ちょっと高すぎる気もするが。
iPhoneとiPod Touchの比較
発売されたばかりのiPod TouchとiPhoneも比べてみよう。iPod TouchのプロセッサはA10なので、同じプロセッサ搭載のiPhone 7の128GBモデルを比較対象とする。
- 4インチ iPod Touch・・・32,800円
- 4.7インチ iPhone 7・・・61,800円
価格差は29,000円。2倍近い価格差がある。iPadの例からセルラー機能の価格は15,000円だとすると、残りの機能に14,000円を払う計算になる。iPhone 7とiPod Touchの大きな性能差はカメラ、Touch IDとApple Payの有無だ。
モバイル通信をしないで自宅使用であればApple Payとカメラの出番は多くないだろうから、iPhone 7をiPod代わりに買うのは新品の場合かなりの割高になる。
なかなかうまくできている
画面サイズが小さい割にiPhoneは高すぎるのではないかと調べ始めたが、そこまでの割高感はない。セルラー機能に15,000円、最新カメラに14,000円ぐらい、Face IDが10,000円というのが、ざっくりとしたAppleの価格設定のようだ。
以上の設定で考えれば、全部が組み込まれた最新のiPhoneが最も高いのは頷ける。
ただ、これはApple内の世界の話で、他社の製品と比べてiPhoneが高いのはまた別の話だ。