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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
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インフラと独占。僕らはずっとLINEとGoogleを使い続けるのか

インフラ事業は独占?

電気ガス鉄道などのインフラ事業は許認可事業だ。値上げ・値下げするのに監督官庁の許可が必要になる。こういったインフラ事業は、初期投資が莫大になり、一企業の独占になりやすいからだ。また、政府から民間に設備を移管された歴史的背景もある。

電力自由化といっても、規模の経済の論理で送電線を既存の電力会社とは別に敷設する会社はなく、既存電力会社から施設を借りている。

限られたインフラを利用しているのに許認可制ではない事業がある。携帯電話事業だ。

 限られた資源である電波

携帯電話各社は電波の使用許可を総務省から得て、事業を行っている。総務省が企業に周波数を割り当てているのだ。周波数は限られているので、周波数が割り当てられないと多額の投資をして基地局を設営しても携帯電話サービスを開始できない。

秋にサービスを開始する楽天には、1.7GHz帯の周波数がすでに割り当てられている。

国民の共有財産である電波を使用しているのに、携帯電話事業は許認可制ではなく、各社が基本的に自由に料金を設定できる。

携帯電話事業は明治からあるインフラ事業ではないので、インフラ施設を国から払い下げられていないからだ。これは、インターネット事業も同様だ。

民間が新しくはじめた事業なので、監督官庁が許認可で縛ることができなかった。今回大騒ぎになった携帯電話料金への総務省の横槍は、監督官庁なのに権限が小さいことへのフラストレーションが背景にある。携帯電話サービスで事故があると総務省がすぐに警告をするのは、少しでも自分たちの権限を広げたい総務省の思惑がある。

新しいインフラ事業を縛ろうとする政府

インターネットの時代になって、新しいインフラというべき事業が次々と生まれている。Googleの検索事業は、ほぼ独占に近い。ユーザーが料金を払っていないのが従来のインフラ事業とは異なるが、検索結果を自由に操作できてしまうので、Googleの独占と優位は今後も動きづらい。

FacebookはFacebook事業だけではなくInstagram、WhatsAppという大手SNSサービスを傘下にしている。

Amazonはインターネット通販で圧倒的な地位を得るだけではなく、AWSなど多くのインフラとサービスを支配し、膨大な個人情報を握っている。

ヨーロッパを中心にGAFAへの規制論議が喧しいのは、ここに理由がある。

日本だとLINEのサービスがインフラ事業に近くなっている。LINEが停止したら、多くの人だけではなく、社会に大きなインパクトをもたらす。ところが、LINEサービスは許認可事業ではないので、政府からペネルティを課すことはできない。

政府が民間の事業に介入するのは、公平な競争を行うためなので、無料サービスへの介入は難しいというのがある。

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無料サービスをどう規制するか

個人的には、できる限り政府がビジネスに介入しないで、民間企業が公平に競争できれば良いと思っているが、LINEがデファクトスタンダードになり、他のサービスが使いづらい状況が良いかと言われるとちょっと首を傾げてしまう。たまには他のメッセージソフトも使いたいが、他者が使ってくれなければ自分だけでは使えない。

無料サービスに大規模な障害が起きるなどしないと、この議論は活性化していかない気もするが、どうだろう。

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