PCビジネスを主体とするHP Inc.が発表したQ1決算では、PC事業が増収だった。
PC市場全体が拡大しているのではなく、Lenovo, HP, Dellの上位3社に寡占化が進んでいるだけだ。Acerなどの台湾メーカーの不振が大きい。
進化が止まり、価格勝負になってきたPC業界では大量生産できる上位企業がより優位になってきている。仕入れ部品がコスト高になる中位企業は利益かシェアのいずれかを落とす選択をしなければならず、どちらを選んでもネガティブスパイラルに陥ることになる。上位3社が有利な構図は当面変わらないだろう。
今回の決算ではPC事業は増益でもあった。AppleのMacbook, MSのSurfaceなど強豪が多い中、高付加価値PCであるEliteが好調だった。
PC市場が拡大しない現状で、上位PCベンダーは、利益がとれる高付加価値のPC、DellはXPSシリーズ、LenovoはYoga, ThinkPadの販売に注力している。
大量生産で利益を上げているからこそ、高付加価値PCの開発に資金が遣えている。次のポイントは、さらにPC市場が縮小したときに、上位3社のいずれが生き残れるかだ。それぞれ特徴があるので、興味深いところだ。