Appleの2020Q3(4月から6月)決算
AppleのQ3決算は売上が前年同期比プラス11%、純利益もプラス12%と増収増益だった。
今回の決算の注目はiPhoneだった。過去最安値のiPhoneとなった「iPhone SE」を発売したことで、Appleの屋台骨であるiPhoneの売上が下がるのではと危惧されていたが、iPhoneの売上は前年同期比プラス2%だった。
各カテゴリー別の成長率は、こちら。
- iPhone:+2%
- Mac:+22%
- iPad:+31%
- Apple Watchなど:+17%
- サービス:+15%
どのカテゴリーも満遍なく伸びている。
iPhone依存からの脱却
Apple全体の売上の半分以上を占めるiPhoneの依存から脱却するのは近年のAppleの課題だった。今期のiPhoneの売上が占める割合は44%と、ここ数年では最小レベルだ。他のカテゴリーが大きく成長したのが理由だ。
Macはプラス22%の大幅増加。コロナ禍でリモートワークを行う人が増えたのが要因だ。
iPadはプラス31%。同じくリモートワークとタッチパッド付きMagic Keyboardが話題になった新型iPad Proの貢献が大きい。
Apple Watchなどの周辺機器もAirPodsシリーズの人気で大きく伸びた。
サービスも堅調と、今までAppleが行ってきた施策が全て成功したことになる。
地域別でも、アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本、アジアとどの地域でも伸びている。
Appleの課題は?
コロナ禍の中でも増収増益のAppleに課題はあるのだろうか。
ひとつは新型iPhone。今回異例なことにクックCEOは新型iPhoneの発売が10月になると予告した。コロナによる影響で新製品の開発が遅れているのだ。今後も開発スケジュールに影響が出る可能性はある。
特にMacはApple silicon版の発売が控えている。ここが遅れると、Intelからの脱却するスケジュール全体が出てくる。
もうひとつの課題は、次世代カテゴリーの製品開発だ。今回は全カテゴリーで売上が伸びているが、ここ数年iPhoneもApple Watchも進化が停滞している。AirPodsシリーズは大ヒットしたが、単価が安いので、より高価格帯の新製品がほしいところ。
それはきっとAppleグラスなのだろう。ARにご執心のAppleは、ウェアラブルデバイスのAppleグラスでリアルと拡張現実の融合をはかると思う。