使われる「PayPay」
最も利用されているQRコード決済サービスは「PayPay」だということがMMD研究所の調査で明らかになった。
PayPayを最も利用しているQRコード決済サービスにあげた人は27.7%、2位がLINE Payの21.6%、次が楽天ペイの20.2%と続く。
認知度も高く、PayPayを知っている人は70%にのぼる。
別の記事であげたように、PayPayは他のサービスよりも頭ひとつ抜け出ていると思う。
満足度が高いのはメルペイ
別の調査で最も満足度が高いサービスは「メルペイ」だった。メルペイに「とても満足」「やや満足」と回答したのは利用者のうち71%、2位がLINE Payの68%、続いて楽天ペイの56%だ。
メルペイの満足度が高い理由は、「メルカリの売上が使えるので新たにチャージしなくてもすむ」のと「iDが使える」点だ。
決済サービスを新たに使う障壁のひとつは「最初のチャージ」だ。今後使うどうかわからないサービスに現金をチャージするのは抵抗がある。
メルペイなら、メルカリの売上をそのまま利用できるので、チャージする必要がない。
iDに対応しているので、Apple Payとして端末にかざすだけで利用できる。QRコード決済サービスの課題はアプリを立ち上げてQRコードを見せる・取り込むのが手間なことなので、iD対応は利便性が高い。
QRコード決済サービスを知っている人は85%
QRコード決済を利用している人は15.6%、一度利用したが現在は利用していない人は3.5%、検討中が4.7%。認知度は進んでいるが、利用者したことがある人は5人にひとり。
新しいサービスとしてはまずまずの認知度と利用率だと思うが、これ以上利用者を増やす鍵は、「利用店舗の拡大」と「共通化」だろう。
QRコード決済のメリットのひとつは「クレジットカードなどのように端末なしに決済ができる」ことだ。QRコード決済は、店舗がQRコードを印刷した用紙さえ置いてくれれば決済できる。店舗数が増えれば、認知度もさらに高まるし、現金決済を避けてポイントが貯まるサービスの利用者も増えるはずだ。
もうひとつの普及の鍵は「共通化」だろう。PayPayの利用率が高いと言っても27%。20%を超えるサービスはPayPayを含めて3つあり、d払い、au Payの携帯電話系サービス、急伸するメルペイもあり、決済サービスは今後も乱立していくと思われる。カードのように物理的なものを増やさなくても良いので、ひとつのサービスに集約されることは難しい。
そうであればサービス間の「共通化」が進めば利便性が高まり、利用者も増えると思われる。
チャージ金額の共通化は、決済サービスの根幹にかかわるので難しいとしても、わりかん機能や送金プロトコルの共通化はできるのではないか。
たとえば、PayPay残高からLINE Payに送金できれば、片方しかサービスが利用できない店舗でもチャージ金額を融通して使うことができる。
年内は利用者を増やすためのキャンペーン合戦が続くかもしれないが、年末から来年にかけては、そうしたサービス間の連携が進んでいくと思われる。