小説とIT

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
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Evernoteはこの先生き残れるのか?

Evernoteとは?

Evernoteはクラウドにメモを保存できる草分け的ウェブサービスだ。余計なことは覚えずに何でも保存し、スマホ・PCがあればどこからでも閲覧できるサービスは、クールなルックスも相まって大人気となった。

マネタイズに苦労

ところが、他のWebサービス同様マネタイズに苦労し、迷走を始める。個人ユーザーがメインのところにGoogleを真似て有料ビジネスユーザーを募り(現在のCEOはGoogleあがり)、Appleのようにブランド価値に頼りグッズを販売し始めた。これらの試みはうまくいかず、グッズ販売していたサイトは閉鎖、Evernote本体以外に開発したWebサービスも次々とクローズしていった。

 フリーミアムの限界

収入のほとんどを占めている有料会員の数は全体のユーザーの2%だそうだ。フリーミアムは新しいビジネスモデルだと一時期騒がれたが、広告収入に頼れないサービスの多くは低迷している。

そのような状況で昨年Evernoteは無料会員がアクセスできる端末を制限し、会費を値上げした。この方針変更に従来のユーザーは反発した。

さらにダメを押したのが、一部社員がユーザーのデータを参照できるように規約を変更しようとしたことだ。ユーザーの猛反発を受け、実際に退会したユーザーもでて、この方針は撤回されたが、Evernoteのブランドを大きく毀損した。あらゆる情報をクラウドにアップし自分の頭脳のように使うことをEvernote自身が推奨していたのに、他人の頭脳を覗き見ると宣言したわけだから、当然の反応だ。もっとも、ほとんどのWebサービスは社員が預かったデータを閲覧できる規約をユーザーと交わしているのだが、改めて言われると、Evernoteの今までのブランドイメージと相反しているので、失望も大きかった。

 

MicrosoftのOneNote、Appleのメモなど大手の進出も著しいこの分野で、中規模ベンダーであるEvernoteが生き残るには熱狂的なユーザーを確保することが大切なのだが、このところの失態で支持を失いつつある。

 この先どうなる?

Evernoteはこの先どうなるのだろうか。原点に帰って、ユーザーの頭脳を拡張するためにクラウドサービスの改善に集中するべきだろう。もう一度、ユーザーの信頼を取り戻すために。

良い兆候は見える。先日アップデートされたiOS版は良質なデザインで、よく作り込まれている(ただバグは多く、中小ベンダーの限界も感じる)。

Microsoft、Appleのような大手のサービスしかない世界はつまらない。ぜひEvernoteには生き残って欲しい。

 

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
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