本コラムでは『Nintedo Switch』は液晶・バッテリーを外した安価な据置機で出せば売れたと論じているが、実際のSwitchはそうではない。
では、Switchが売れるために任天堂はどうすればよいのだろう?
3DSを廃止する
Switchが発表された時、専門家の多くはローンチタイトルの少なさに懸念を示した。サードの作品は移植作ばかりで、任天堂の作品はゼルダと『ワン・ツー・スイッチ』のみ。ゼルダはWii U用に開発されたゲームでSwitchの売りのひとつであるHD振動に対応していない。実質1作品だけがオリジナルなのだ。
サードが弱いのは任天堂ハードの伝統なので、ローンチ初期は任天堂が頑張らないとダメなのだが、肝心の任天堂のソフト開発力が弱く、HD時代の業界水準に達したゲームを量産できなくなっている。
限られた開発リソースを集中させるために、3DSへのソフト供給を止めるべきだ。任天堂も据置機とポータブル機の両方にソフトを供給する限界はわかっていて、両方に対応できるSwitchを開発したのだが、現段階では3DSのソフト開発は継続すると宣言している。
Switchが成功すれば3DSは廃止されると思うが、いますぐ止めないとその成功を拝めなくなる。
Switch 2DSを追加する
任天堂は3DSの販売が低迷してきた時期に、折りたためない安価な2DSを追加した。北米市場を狙った商品だったので日本ではあまり売れなかったが、比較的ビギナーユーザーに強い任天堂にとって価格は大事だ。税込32,378円するSwitchは値段で敬遠される危険性が高く、廉価版の投入は効果的だろう。筆者としては液晶・バッテリー抜きのモデルを期待するが、ポータブル機として好評ならドックなしモデルがあってもいい。
ポケモンGOと連動する
親が子供のゲーム時間を監視できる以外にスマホとの連携は発表されていない。多くの人が保有するスマホと連動しない手はない。特に任天堂はポケモンの権利を持っているのだから、Bluetoothで連動させてSwitchでもポケモンGOが遊べるようにして、広いマップと捕まえたポケモン一覧が大画面で参照できれば、利便性が高まる。スーパーマリオランもスマホで購入したら、Switchを用いて大画面でプレイできても面白いし、課金するユーザーも増えるだろう。
Switch TV機能を付与する
テレビ機能を付与するのではなく、Apple TVやAmazonのFire TV Stickみたいにスマホの画面をテレビ画面に転送する機能だ。
定額動画配信サービスが流行っている今、テレビ画面への転送機能は喜ばれるだろう。スマホやタブレットで動画を鑑賞している人は多い。誰もがApple TVをもっているわけではない。
Wi-Fiの中継機能を付ける
Switchにかぎらず、一般家庭でもWi-Fiの利用用途は増えている。少し広い家だとWi-Fiがとどかない部屋もでてくる。SwitchがWi-Fiの中継器になれば使えるエリアも広がる。Blu-rayなどのマルチメディア機能はもはや不要だが、家庭のネット環境を拡張する機能はニーズがある。
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残された時間はあまりない
PS4が世界的に成功している今のゲーム業界で、スタートアップに失敗すると挽回は難しい。新作マリオ、スプラトゥーンが揃う年内が期限だろう。それまでに良いモーメンタムが作れるかが任天堂浮沈の鍵となる。残された時間はそれほどない。
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