迫る次世代機の発表
今年の3月でNintendo Switchは販売7年目に入る。任天堂の歴代主力機の中でも最長寿モデルになる。大ヒットモデルとなったSwitchもついに販売台数が落ちてきている。巣篭もり消費が終わり、最近の販売台数は伸びていない。
5月に「ゼルダの伝説」が発売されると、任天堂の大型ソフトは一通りSwitchで販売されることになる。来年以降に新しいソフトが開発される予定はない。
おそらく、任天堂も次世代機の発表を見据えているのではないか。任天堂の次世代機はどういうモデルになるのか考えてみます。
Switchの上位互換は確定?
Switchは任天堂史上最大ヒットしたハードウェアになった。次世代機でもSwitchの豊富なゲーム資産を活用できる可能性が高い。次世代機はSwitchの上位互換であることは間違いない。
次世代期はWiiにとってWii Uのようなモデルになるだろう。そうなると、次世代機もJoy-Conを受け継ぐことになるのだろうか。
ただ、派生モデルであるSwitch LiteはJoy-Conが本体から外れない。Joy-Conが外れなくても、大体のゲームは遊べるが、「Switch Sports」「リングフィットアドベンチャー」「スーパーマリオパーティ」などJoy-Conを振って遊ぶSwitch用に作られた新しいゲームはことごとく遊べない。次世代機がJoy-Conを装備しないなら、既存のSwitchを併売するかもしれない。
難しい任天堂の次世代機
任天堂にとって次世代機は鬼門だ。ヒットしたWiiの後継機として登場したWii UはWiiほどヒットしなかった。
Wii UはWiiの上位互換だったが、当時流行りはじめたスマホ・タブレットに対抗してディスプレイ内蔵型GamePadを搭載したが、液晶やネットワーク品質が悪く、Wiiほどの大ヒットに至らなかった。
任天堂は新しいハードウェアで「新しい遊び方」を提案するのが伝統になっている。Wiiでは振って遊べるリモコンを付属し、Wii UではGamePad、SwitchでJoy-Conとポータブルと据え置き両方の遊び方を提案した。
次世代機でも、Switchの上位互換を維持しつつ新しい遊び方の提案をする可能性がある。
ただ、Switchまでの開発には岩田社長が在籍していた。岩田社長下の任天堂は理詰めでゲーム機を開発する傾向があり、スマホゲームの隆盛により、据え置き機とポータブル両方のマーケットを維持することが困難な状況から両方のシチュエーションで遊べるSwitchを開発した。
しかし、岩田社長はもういない。今の任天堂が開発するゲーム機は、以前より保守的なモデルになるのでは?
次世代機はSwitch 2?
Switchは大ヒットしたが、現代ではそのスペックはかなり見劣りする。高性能機であるPS5の入手が困難な間にPCでゲームをする文化が定着した。最新のゲーミングPCと比べるとSwitchの性能はかなり低い。4K出力や空間オーディオ、無線LANの強化、ローディング速度など、最新のスペックに近づけるだけでSwitchは魅力的なハードウェアになるだろう。
任天堂ゲーム機の一番の魅力は「任天堂のゲームが遊べること」だから、気をてらわなくても任天堂のゲームに魅力があればハードウェアも売れるに違いない。
次世代機の名称はどうなるだろう? SwitchにはSwitch Lite、有機ELモデルの派生モデルはあるが、「2」や「Pro」の名は使われていない。既存のSwitchを併売するなら4Kなど最新スペックを搭載した「Switch Pro」、併売しないなら「Switch 2」という名称になるのでは?
Wii以降インターフェイスを改良することで新しい遊びを提案してきた任天堂だが、その流れはSwitchがヒットしたことで一段落して、次世代期はSwitchのキープコンセプトになると予想します。