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任天堂決算は減収減益。高まるSwitch次期モデルへのプレッシャー

任天堂が決算発表

2023年第3四半期の決算を任天堂が発表した。今期通算の売上高は前年同期比マイナス1.9%、営業利益がマイナス13.1%の減収減益だった。

決算の詳細を見ていきます。

Nintendo Switchの販売台数がマイナス19%

売上が落ちた最も大きな原因はハードだ。ハードの売上高比率が減り、Nitendo Switchの販売台数も前年同期比でマイナス21%と大幅に減った。

原因は、世界的な半導体不足が原因と任天堂は説明している。確かに年末年始前まで、Nintendo Switchは品不足を起こしていたが、それにしても減り過ぎている。

Switchは今年で販売6周年だ。Wiiの販売開始からWii Uまでは6年、Wii UからSwitchまでは5年間だったので、任天堂ハードウェアの歴史の中でもSwitchは最長寿モデルとなった。当然、ハードウェアの売上が落ちてくる時期だ。

円安なので、海外販売比率が高い任天堂は、円安に振れると円建ての売り上げは伸びるはずだが、それでも減収に陥っている。

Switchの今後

販売開始から7年目に入るSwitchのハードの売上が大幅に伸びることはないだろう。ただ、「スプラトゥーン3」に続き、ポケモンもヒットし、5月12日に発売する「ゼルダの伝説」は大ヒットすることがほぼ約束されている。ソフトウェアの売上はまだ伸びると思われる。

今までの任天堂は、自社販売ソフト比率よりも、他社販売ソフトが増えることをアピールしてきた。あまりに自社販売ソフトが強過ぎて他社のソフトメーカーがSwitchを敬遠するのを避けるためだ。

今回はハードの売上が芳しくないからか、自社ソフトの販売の好調さを強調した。自社ソフトの販売比率は80%に迫る。

Switchが売れたのは、任天堂のゲームが人気だからだ。任天堂のソフトの多くが続編タイトルだ。スーパーマリオにはじまり、スプラトゥーン、ポケモンなど、歴代の有名ソフトがSwitchに投入された。

ただ、「ゼルダの伝説」とピクミンの続編が登場すると、ほぼ全ての有名ソフトの続編がSwitchに揃うことになる(「ゼルダの伝説」は前作もSwitchで販売されたが、Wii U向けに開発されたものだった)。

新しいハードウェアが登場しないと、新たなゲーム体験は生まれにくい。Switchはそもそも最先端のハード性能を有していなかったので、6年が経過してさすがに見劣りしてきた。

Switchは各家庭に普及した4Kテレビに対応していない。現代で4Kに非対応なハードゲーム機はSwitchぐらいだろう。4Kに超解像度化するサードパーティ製のハードが登場する始末だ。

現時点で次期ハードウェアについて任天堂は何のアナウンスもしていない。Switchは任天堂史上最大のヒット作になった。次期モデルはSwitchをベースにして開発されているに違いない。

Switchがヒットした最大の理由は、ポータブルと据え置き機を統合したことにある。Switch前の任天堂は2つのハードウェアを同時に販売してきたが、スマホゲームの隆盛によりポータブル機の勢いは減速し、2種類のラインナップを維持できなくなっていた。そのトレンドは変わっておらず、次世代機も据え置きとポータブルを統合したハードウェアになるだろう。

コンセプトを継承したハードといえば、Wii Uだ。Wii UはWiiの上位互換でWiiのゲームを全て遊ぶことができた。ただ、Wii UはWiiとはずいぶん違う。ディスプレイ付きのGamePadを用意し、自宅ならポータブル機のように遊ぶことができた。ただ、GamePadの性能は低く、画面は見ずらく本体から少し離れると使えなかった。そもそも、Wiiは大ヒットしたモデルとして有名だが、モデル末期はかなり失速していて、Wii Uが発売された時はすでに勢いはなかった。

任天堂は、Wiiの二の舞は避けるために色々と考えているに違いない。Switchのコンセプトを大きく変えると失速するかもしれないし、キープコンセプトで勢いを持続できるか難しい決断に迫られると思う。さらに、Switchをあまり引っ張ると勢いがなくなり、次世代機の立ち上げにも影響する。

次世代機は、4Kや空間オーディオなど最新の映像・音声フォーマットに対応するだけなのか、全く新しいゲームの遊び方を提案するようなハードウェアになるのか。

さすがに年内には何らかの発表があると思うので、期待したい。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
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