笑い出すAlexa
Alexaが突然笑い出す不具合が報告されている。
日本では報告がないようだが、Amazonも認めているので、英語版では実際に起きるようだ。
笑いだしはしないけど、筆者のAmazon Echoも話しかけていないのに、「すいません、言っていることがわかりません」などと勝手に話し始めることがある。Google homeでも起きるので、テレビや会話中の単語をウェイクワードと誤認識することがあるのだろう。
常に聞かれている
スマートスピーカーの危険性としてよく指摘されるのが、マイクが常にオンであること。テレビの音、家族の会話をすべてスマートスピーカーは聞いていて、その中にウェイクワードが含まれていないかチェックしている。
スマートスピーカー自体が音声認識しているわけではなく、すべての音声をクラウドサービスに送信して、サーバー上でユーザーの音声を認識している。われわれのすべての会話がクラウド上に送られているのだ。
もちろん、各スマートスピーカーメーカーは、「プライバシーを保護していて人間は誰も聴くことができない」と言うし、「iPhoneだっておなじことをしているし、メールやチャットの会話情報がクラウド上にあるのに、いまさら何を言っているんだい?」と呆れるだろう。
ただ、メールやチャットの文字情報と異なり、音声というのはフィジカルな、よりプライベートな情報である。
勝手に情報がプッシュされる
今回の「Alexaの笑い声」はウェイクワードを誤認識したのではなく、Alexaから情報をプッシュ送信する機能が誤って作動したようだ。
日本版Alexaも、すでに通知機能を実装しており、Alexaから情報をプッシュしてくれる。今は人間が能動的に確認する必要があるが、Amazonが好きなときに好きな情報(例えばCM)を流すことも可能だろう。
「今更何を言っているんだ、スマホには毎日たくさんの通知が届いているだろう」とメーカーは言うだろうけど。
その先にあるもの
スマートスピーカーの先にあるのは、なんだろう。各メーカーは、カメラを実装することを考えているに違いない。カメラで常時室内を撮影していれば、誰が話しているのか、ユーザーが何をしているのか、何をしてほしいのかわかるだろう。音声で命令しなくても、スマートスピーカー(スマートカメラ?)がユーザーが知りたいことを能動的に囁いてくれるかもしれない。
たとえば、ユーザーが着替え始めたら、デバイスが「昼から雨が降ります。傘を持っていきましょう」と教えることもできる。
それは確かに便利な未来だ。だけど、そのかわりに風呂上がりの我々の姿がAmazonのクラウドサーバー上に蓄積されることになる。
それでもAmazonは、「いまでも毎日カメラの前に座っているし、たくさんのあられもない姿の写真や動画をクラウド上に平気でアップしているじゃないか」と言うだろうけど。