使わない人にとってテザリングは、名称のどこに濁点がつくかわからないほど興味がないサービスだが、外出先でPCを利用する人には必要な機能だ。
テザリング有料化
今回、auとソフトバンクが、主にデータ容量が大きいプランに対してテザリング無料キャンペーンを終了すると発表した。
ドコモは今のところ無料キャンペーンを継続するが、いつ終了するかわからない。
この「テザリング有料化」が物議をかもしている。「テザリング無料」と言ってもユーザー自身が契約したサービスに付帯するデータ容量を消費するわけで、「自分が買ったパケットを何に使うか勝手だろ」というのがユーザーの言い分だ。
それに対してキャリア側は「テザリングはネットワーク負荷が大きい」というのが終了(ドコモは無料キャンペーンの継続)の論拠だ。
ただ、キャリアのセカンドブランドとも言われるワイモバイルやUQは、キャリアより安い料金でテザリング無料だ。ネットワーク負荷増大が問題なら、まずMVNO・セカンドキャリアのテザリングを禁止するべきだ。ネットワーク負荷は詭弁だろう。
なぜキャリアは無料にできないのか
無期限に無料にすれば他のキャリの差別化になるし、なによりパケット消費量が増えてキャリアの売上に繋がるはずだが、なぜ各キャリアは無料にできないのだろう。
筆者の推測になるが、テザリングを無料にできないのではなく、キャリアは「有料にしたい」のだろう。
既存キャリアはMVNOとの価格競争に苦しんでいる。値上げできないので、基本料金とは別のところで収益を上げる必要がある。そこでテザリングをオプション料金にすることで1ユーザー当たりの売上(ARPU)をあげようとしているのではないだろうか。
1ユーザー当たり月500円を徴収できるのはARPUの底上げに非常に大きい。現在キャリアのARPUは5,000円を切るぐらいだから、10%以上の売上になる。
テザリングが欲しい人は?
ただ、無料キャンペーンが終了して有料になったあとで、テザリング有料オプションを申し込む人がどれだけいるのだろうか。
今まで無料だからといってテザリングオプションを「オン」にしていた人は自分で「オフ」にしなければキャンペーン終了の翌月から料金を払うことになる。
そういったユーザーが多そうだからソフトバンクはキャンペーンを実質2ヶ月延長した。それでも変更し忘れるユーザーはいるだろう。各キャリアはこういったユーザーの設定し忘れによる売上を当てにしているとしたら、ちょっとえげつない。