AI尽くし
Googleの開発者向け発表会「Google I/O」はAI尽くしだった。
iPhoneの売上を支える追随
Android OSの最新バージョンがホームボタンの形状やインターフェイスがiPhone Xに似せてきているのは、いつものことだ。ノッチといい、ホームバーといい、結局みんなAppleに似せてくる。追随するデバイスが増えると、過去のインターフェイスとデザインが急速に古臭くなる。秋に発表される次期iPhone 8(iPhone 9?)はiPhone Xと同様のインターフェイスになり、旧ユーザーに買い替えを促すことになるだろう。それを見越してAppleはiPhone Xだけに別のインターフェイスを与えている。いつものことだけど、うまいやり方だ。
AIを支えるTPU
細かい修正はあるが、煮詰まっているモバイルOSよりも注目度が高いのはAIだ。
上の記事にあるように、Googleフォト、Googleアシスタント、自動運転と、様々な分野、ツールでAIを使うとGoogleは宣言している。こうなると、何がAIで、何が既存システムの拡張かわからなくなる。
これらの動きはクラウドと将来的に5Gを見据えているということだ。AIを用いるために必要である膨大な計算処理を実行するのはデバイスではなく、クラウド上のシステムだ。
AI開発の競争は、大規模で処理が早いシステムを構築する競争でもある。その点で、Googleはかなりリードしている。
Googleが開発したTPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)はAIのための集積回路だ。今回の発表ではTPUは第三世代に移り、約8倍の速度になるそうだ。第2世代の発表からわずか一年でこれだけ速度が上がるのは、この分野がまだまだ伸び代が大きいことを意味する。
今回話題になったのは、Googleアシスタントがユーザーの代わりに電話をしてレストランの予約をしてくれることだった。まさに秘書の代わりだ。
こういった仕事が自動化されれば、もっとクリエイティブな仕事に人間は集中できる(なにがクリエイティブかは、さておき)。
iPhoneが登場して世界は変わった。今後数年で、世界はもう一度ガラリと変わる気がする。今度はAIで。その予兆を見たGoogleの発表だった。