Kindleのペーパーバック
自分の書籍を出版できるKDP (Kindle Developer Publishing)は電子書籍の他に紙のペーパーバックを制作できる。
このペーパーバックはAmazonで普通に購入することももちろんできるが、著者はそれ以外に「校正刷り」と「著者用コピー」を購入することもできて、それぞれ価格が異なる。
どれを購入するのかお得なのかペーパーバックの価格を比較します。
タイムスリップ・ロックンロール | 高山 環 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon
価格の比較
著者の「タイムスリップ・ロックンロール」を例にして、価格を比較してみる。ペーパーバックの価格は、ページ数や判型によって印刷コストが決まり、そこに利益を載せて決まる。著者の場合、ペーパーバックは高価なので、利益は最低限しか載せていない。
校正刷りは校正用のものなので、「転売禁止」の帯が表紙に印刷され、販売用とは異なり、ISBNとバーコードもない。
3つの価格はこちら。
- 正規版:1,725円
- 校正刷り:941円
- 著者用コピー:941円
「校正刷り」と「著者用コピー」は同等の価格だから、販売と同じフォーマットである「校正刷り」を買う必要は多分ない。
「校正刷り」と「著者用コピー」は印刷用のコストだけで購入できる。シンプルに比較すれば、「正規版」は高価で著者が買う必然性はないように思える。
問題は配送料
ただし、「校正刷り」と「著者用コピー」はAmazonプライム適用外なので、配送料が有料になる。東京だと送料は410円。通常配送なので、届くまで日数もかかる。Amazonプライム会員ではなければ送料は常に有料なので、「正規版」はかなり割高ということになる。
「著者用コピー」を知人に配布するときは送料が個別にかかる。そういうときは、自宅へ複数冊を注文し、自宅から自分で発送すれば配送費を節約できる。郵便のクリックポストなら、日本一律185円で配送できるので、自宅宛に一括注文して、自分では配送すれば、Amazonから個別に配送するより225円安い。
正規版ならロイヤリティが入る
正規版を購入すると著者にロイヤリティが入る。「著者用コピー」はロイヤリティが入らない(ロイヤリティを載せずに販売しているので当たり前)。ペーパーバックのロイヤリティは60%。ただし、ロイヤリティから印刷コストが引かれる。
「タイムスリップ・ロックンロール」をもとに計算すると、こうなる。
- ロイヤリティ:正規版の価格 1725円 * 60% - 印刷コスト 941円 = 94円
著者に入るロイヤリティは94円しかない。これは最低限の価格で設定しているからで、逆に言えば設定できる最低の価格は印刷分をギリギリ賄える価格ということになる。
送料とロイヤリティ
送料とロイヤリティを考慮した金額が、こちら。
- 正規版:価格 1,725円 - ロイヤリティ 94円 = 1,631円
- 著者用コピー:価格 941円 + 410円 = 1,351円
正規版と著者用コピーの実質価格差は、1,631円 - 1,351円 =280円。送料とロイヤリティを考慮しても、著者用コピーの方が安い。価格だけを考えれば、著者用コピーを購入しよう。
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