宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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僕の校正ルーティン

校正さんはプロフェッショナル

著者初の書籍「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を上梓する時は、プロの専門家が校正してくれました。ドラマやドキュメンタリーで語られているように、校正の方は本当にプロフェッショナルです。
例えば、初夏の神奈川で5時に待ち合わせしたシーンで、何気に書いた「夕焼けに染まった」という風景描写に対して「この時期の神奈川では、この時間に夕焼けにはなりませんがよろしいですか」という指摘が入ります。
あまり深く考えずに雰囲気で書いたこと(本当はダメなんでしょうけど)を指摘されると、恐縮してしまいます。
それでも、校正さんは指摘してくれますが、修正するかどうかは小説家に委ねられます。先の例では、どうしてもそのシーンでは夕焼けが必要だと小説家が判断すれば、実際の天体の動きとは違っていても残すことはできます(多分)。
どこまで緻密に書いても小説はフィクションなわけで、リアリティは大事ですがリアルではある必要は必ずしもないです。それでも明らかな事実誤認があれば(例えば、現実に存在する病気の治療法が間違っている場合など)、修正する必要はあるでしょうが。

自分で校正

Kindle作家の時は、誰も校正してくれないので、出版する前に自分で校正しないといけませんでした。
他人にお願いする前にできる限り誤字脱字を減らしたいので、今でも同じ校正のプロセスを踏んでいます。
僕が行っている校正ルーティンは、こんな感じ。

  1. 黙読(3回)

  2. 音声読み上げ(2回)

  3. もう一度黙読(1回)

  4. 最後に一太郎の文字校正機能

まずは目で読んで校正します。推敲も兼ねていますが、大体3回は読み直します。
その後、音声読み上げを行います。これはWordとMacOSの読み上げ機能を使っています。目で見ているときには気がつかないニュアンスの違いや同じ文末の繰り返しを見つけることができます。
慣れてくると、速度を上げることができるので(僕の場合はx1.75倍で読み上げています)、黙読よりも作業を早く終わらせることができます。
次に、もう一度黙読をします。この状態になれば誤字脱字はない(はず)なので、漢字とひらがなの比率や、漢字に閉じるか開くかなどを確認します。
最後は、一太郎の文字校正機能を用います。
普段はiPhoneかMacで作業をしているので、一太郎をインストールしてあるWindows PCに原稿ファイルを移して、文字校正を行います。
Wordにも文字校正機能はあるのですが、日本語の文字校正においては一太郎の方が一日の長があるように思います。
文字校正サービスを提供しているWebサイトがいくつかあるのですが、小説のように長い文章を校正してくれる無料サービスは知りません。有料ならあるのですが、使用料金が結構高く、原稿が完成した時しか使わないので、今のところ一太郎を採用しています。一太郎なら一度買ってしまえばランニングコストはかかりませんので。

それでもなくならない誤字脱字

それだけ何度も読み返し、作業を繰り返しても、誤字脱字がゼロにならないのは不思議なことです。今月刊行した「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」は初めての書籍なので気合を入れて確認したはずなのに、校正の人にかかると何十もの修正点が見つかります。
それでも、少しでも校正の人の負担を減らすために、自分の校正ルーティンは続けていきますが。