宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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無名の新人小説家はどこに住むべきか

中核市を選ぼう

朝日新聞の記事にあるように僕は東京生まれで、関東に住んでいる期間が長かったけど、現在は宮崎市に住んでいます。

digital.asahi.com

小説家は毎日出勤するわけじゃないので、勤務地のそばに住む必要がないわけです。編集者の方との打ち合わせも今はリモートで済むし。
売れっ子小説家は在京メディアの取材とかあるので、首都圏に住んでいた方が良さそうだけど、無名の新人小説家には取材も少ないし。
嬉しいことかどうかわからないけど、居心地が良い場所を住まいに選ぶことができます。

勤務先が不要なら、不動産が安いので地方住まいが経済的です。僕が住む宮崎市のような中核市ぐらいの規模なら、全国チェーン店もショッピングモールもそこそこありますので、現代における標準的な暮らしはできると思います。
地方が一番不便なのは、大企業が少なく給与が低いことなので、リモート勤務ならその懸念は不要です。

中核市でも県庁所在地だと、パスポートを取得する場所があったり、県のイベントが開かれたりので、さらに便利です。

都会は疲れたから地方に住みたいと願う地方初心者の方でも中核市からはじめるのが良いと思います。それ以上”深い”地方だと、今までとはかなり異なる生活を強いられることになるからです。
中核市に住んで、もっと自然のそばが良いなら、よりディープな場所に住むことをお勧めします。

tkj.jp

小説家としてはどう?


ここまで「リモート勤務ならどこで住む?」みたいな記事になっているけど、小説家としたらどういう場所に住むのがいいんでしょう。

まず必要なのは大型書店と図書館でしょうか。図書館の規模は自治体によって差があり、市の規模と連動しないことが多いので、住む前にその土地の図書館へ行ってみることをお勧めします。
書店数が減少している現在、大型書店は中核市じゃないと存在しない地方が多いと思います。中核市に片道1時間ぐらいで行ける土地を選ぶのが良いのでは。

僕の場合、カフェやファミレスで執筆することが多いので、その手の店が近い土地が嬉しいですね。できれば自転車で住めるぐらいの距離にあると便利です。

気分転換に海や山が近いとさらにいいかな。天気が良い日は、海が見える場所で執筆することもあります。

地方に住む欠点としては、大規模イベントが少ないことだと思います。展覧会やコンサートの数は少なく、大都市にしかライブを開かないアーティストもいます。
地方でも「モノ」はネットで手にいれることができますが、「体験するコト」はネットだけでは得ることが難しいです。

都会にしかないような趣味の店が絶対必要な方も地方住まいは難しいかもしれません。

本当に大事なのは人間関係

どこへ住むかを決めるのに、仕事の他に重要なのは人間関係です。遠くに引っ越せば今までの知り合いと疎遠になります。仕事と違って、友人とリモートで繋がるのはそんなに簡単じゃありません。飲まないから詳しくないけど、今でもリモート飲み会をしている人は少ないんじゃないかな。
まあ、今までの人間関係を断ちたい人は、あえて遠くに引っ越すのもいいでしょうけど。

小説家は比較的孤独な仕事ですが、人と接することで新しい発想が生まれることも多いので、いつでも話せる人を確保することは大事かと思います。

拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」には、「小説を書くのは、月より遠い場所」だというセリフが出てきます。そういう孤独な場所も必要でしょうし、人と話せる場も必要だと思います。
そのためには中核市がお勧めです(無名の新人小説家には)。人気有名小説家の方は、都会にお屋敷を建てて、地方に別荘を持ってください。