Metaは3期連続減収減益
FacebookやInstagramを運営するMetaが決算を発表した。3期連続の減収減益で、前年同期比の売上はマイナス4%。営業利益もマイナス49%だった。
主力の広告事業が振るわないのが理由で、Metaの経営はより厳しくなると思ったが、低迷していた株価が高騰している。
どうしてこの決算で株価が回復したのか考えてみます。
市場予想を上回る
株価は売上の数字だけで決まるわけではなく、市場予想の乖離で決まる部分がある。売上が低下しても市場予想を上回るなら株価は上がる。
前年同期比では、今期の売上は低落傾向に歯止めがかかった印象だ。利益も前期よりは増えた。
自社株買い
Metaは400億ドルの自社株買いの実施を表明した。これに市場は好感した。MetaとザッカーバーグCEOは、今までどちらかというと株価に注視しない経営をしてきたが、今回株価と市場を重視していることをメッセージにしたのは大きい。
ザッカーバーグCEOは「効率化を進める」と宣言した。この発言も株価対策の意味合いが強い。すでにリストラを実施していて、実際にコスト削減に取り組んでいるのもわかる。
メタバース好転の兆し
多額の投資を実施し、社名までMetaに変えるなどメタバース事業への傾斜が懸念されていたが、今期のメタバース事業の営業損失は43億ドルと市場予想の44億ドルは良かった。
第3世代のVRゴーグルの発売を今期内に行うと表明している。黒字化するにはまだ時間がかかるが、少しずつ好転する兆しが出てきていると市場は受け取ったようだ。
広告事業を支える事業は?
株価は高騰したが、売上が減少しているのは変わりがない。Appleの広告規制はMetaの主力事業に影を落としたままだし、メタバース事業が成功するかもいまだわからない。
スマートフォンのようにVRゴーグルを多くの人が使うには、キラーコンテンツが必要だ。スマートフォンと違いVRゴーグルは使ってみないと良さが伝わりにくい。
Metaにとって今年は試練の年になると思う。年内に業績を回復する方向性が見えないと、創業者であるザッカーバーグCEOの進退問題にも繋がりかねない。