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ニコニコ動画を凋落から救うのは投げ銭?

 ニコニコの凋落

ニコニコの有料会員数減少についての記事が「ダイヤモンド・オンライン」が載っていた。

Abema TVで大幅赤字を計上しているサイバーエージェントも今期利益の下方修正を行い、国産の動画配信サービスは窮地に陥っている。

サブスクリプションモデルは毎月定期的に売上があるので、収益は安定する。だが、この分野は競争が激しく、映画やドキュメンタリーだけではなく、オリジナル番組を各社が制作するなど、差別化にしのぎを削っている。

ニコニコ動画は、自社のコンテンツよりもユーザーがアップしたコンテンツがメインだったので、ユーザーが離れてしまうと途端に経営が厳しくなる。

コンテンツをアップしていたユーザーはYoutubeへ去ってしまった。Youtuberという職業がクローズアップされ、「Youtubeは稼げる」イメージがついたのが大きい。

今では、小学生がYoutuberを目指す時代だ。Youtubeは動画の合間や下部にCMを流して収益を得ている。

そのYoutubeはYoutube premiumという有料会員を開始した。Youtube premiumは広告がなく、Youtubeは広告モデルと有料会員という二本立ての収入源を得た。

Abema TVは広告モデルに限界を感じ、有料会員に軸足を移そうとしているが、巨額の赤字を充当する売上は遠い。

次のモデルは「投げ銭」か?

次のモデルとして注目を集めているのが「投げ銭」だ。投げ銭は、大道芸人の優れたパフォーマンスを見て帽子に小銭を投げるように、良いコンテンツに少額課金して、クリエイターを応援するモデルだ。ニコニコもAbema TVも模索している。

従来のレンタルビデオよりも少額を「投げ銭」するのはユーザーの心理的障壁が小さいと言われている。少額だが、多くのユーザーが参加してくれれば塵も積もれば山となり、企業としてはまとまった収益となり、ニコニコの場合はクリエイターのサポートにもなる。

ただこの投げ銭モデルは、ユーザーと企業との信頼関係がないと成立しない。良質なコンテンツを供給するのはもちろんだが、かつてのドワンゴとユーザーのように独特な文化を共につくる関係をもつことが、新たなユーザーの獲得につながる。

Abema TV、ニコニコの国産の動画配信サービスが継続できるかどうかは、外資系にはないユーザーとの信頼関係が築けるかどうかにかかっている。