2019-02-09 ニコニコ動画を凋落から救うのは投げ銭? ニコニコの凋落 ニコニコの有料会員数減少についての記事が「ダイヤモンド・オンライン」が載っていた。 Abema TVで大幅赤字を計上しているサイバーエージェントも今期利益の下方修正を行い、国産の動画配信サービスは窮地に陥っている。 ニコニコの凋落 難しいマネタイズ 次のモデルは「投げ銭」か? 難しいマネタイズ 有料会員が収益の柱であるニコニコ動画の会員数は減少しているが、Abemaの無料会員数は増えている。動画配信サービスをマネタイズする手法が課題だ。 Netflix、dTV、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスはサブスクリプションモデルを採用し、毎月会費を払うことで無制限に動画をオンデマンドで提供するサービスだ。 サブスクリプションモデルは毎月定期的に売上があるので、収益は安定する。だが、この分野は競争が激しく、映画やドキュメンタリーだけではなく、オリジナル番組を各社が制作するなど、差別化にしのぎを削っている。 ニコニコ動画は、自社のコンテンツよりもユーザーがアップしたコンテンツがメインだったので、ユーザーが離れてしまうと途端に経営が厳しくなる。 コンテンツをアップしていたユーザーはYoutubeへ去ってしまった。Youtuberという職業がクローズアップされ、「Youtubeは稼げる」イメージがついたのが大きい。 今では、小学生がYoutuberを目指す時代だ。Youtubeは動画の合間や下部にCMを流して収益を得ている。 そのYoutubeはYoutube premiumという有料会員を開始した。Youtube premiumは広告がなく、Youtubeは広告モデルと有料会員という二本立ての収入源を得た。 Abema TVは広告モデルに限界を感じ、有料会員に軸足を移そうとしているが、巨額の赤字を充当する売上は遠い。 次のモデルは「投げ銭」か? 次のモデルとして注目を集めているのが「投げ銭」だ。投げ銭は、大道芸人の優れたパフォーマンスを見て帽子に小銭を投げるように、良いコンテンツに少額課金して、クリエイターを応援するモデルだ。ニコニコもAbema TVも模索している。 従来のレンタルビデオよりも少額を「投げ銭」するのはユーザーの心理的障壁が小さいと言われている。少額だが、多くのユーザーが参加してくれれば塵も積もれば山となり、企業としてはまとまった収益となり、ニコニコの場合はクリエイターのサポートにもなる。 ただこの投げ銭モデルは、ユーザーと企業との信頼関係がないと成立しない。良質なコンテンツを供給するのはもちろんだが、かつてのドワンゴとユーザーのように独特な文化を共につくる関係をもつことが、新たなユーザーの獲得につながる。 Abema TV、ニコニコの国産の動画配信サービスが継続できるかどうかは、外資系にはないユーザーとの信頼関係が築けるかどうかにかかっている。