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【レビュー】スマートロック新型「Qrio Lock(Q-SL2)」の購入レポート。旧型との比較も。改善はされたが課題は多い

新型Qrio Lockを購入

2017年11月からスマートロック「Qrio Smart Lock」(以下、Qrio)を使用していた。鍵穴に鍵を入れなくてもスマートフォンで玄関ドアの鍵を開けることができるのは便利だった。ただ、動作が非常に遅かった。多くのレビューで指摘されているように初代Qrioはスマートフォンで解錠ボタンをタップしても、鍵が開くまで遅い時は15秒以上かかる。寒い日など玄関ドアの前で鍵が開くのをぼうっと待つのはかなりしんどいし、家族の冷たい視線も気になる。

一年前に新型が新モデルが登場して、反応が速くなったのは知っていたが、鍵を開くだけの機能の改善に2万円をだすことと、廉価なライバルモデル「セサミミニ」も登場したので、しばらく様子見をしていた。

ところが、一週間限定で特別価格のキャンペーンがおこなれていたので、ついに購入してしまった。このキャンペーンでは、スマホがなくてもドアを開けることができるQrio Keyがついてくるので、娘にもたせるには非常に良い。

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というわけで、新型Qrioの使用レビューを記します。

 楽になったセットアップ

新モデルはブラックが基調で箱も真っ黒い。

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セットアップは初代モデルよりも楽になった。初代はセットアップするのに「オーナー登録カード」が必要だった。再セットアップする度に必要になるカードを保管しておかなければならないし、セキュリティコードがやたら長い。

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新モデルでは、オーナー登録カードは不要で、アカウントを作成して登録すれば完了する。

本体設置の手間はあまり変わらない。サムターンの形状にあったアダプターを選び、本体の位置を決め両面テープでドアに貼り付ける。

旧モデルと新モデルを比べた写真。大きさはあまり変わらない。新モデルは軽量にはなっていて、少しだけ薄くなった。

 黒いのでドアによってかなり目立つが、代わりにLEDランプが光る箇所は目立たなくなった。

あと前モデルではあったサムターンを隠すカバーがなくなった。以前の方が見栄えは良い。

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高速になった動作

新モデルになって動作が格段に速くなった。前モデルではかなり待たされる印象だったが、新モデルではタップした瞬間に動作が開始される。

アプリも改善された。アプリを起動すると、大きなボタンがひとつ表示されて、何をすれば良いか一目でわかるようになった。前モデルのアプリは、「開く」と「閉じる」のボタンが常に並んでいた。

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少し気になるのは、アプリを起動する度に、本体との接続を確かめること。わずかな時間なのだが、ボタンをタップしようとすると、いちいち「接続中」の画面になるのは落ち着かない。表しないで接続作業をバックグランドで行えばよいのでは?

履歴も参照できる

前モデルもあった「履歴」参照も見やすくなった。誰がアプリで鍵を操作したのか、手動で操作したのか確かめることができる。筆者は導入していないが別売のQrio Hubがあれば、リモートでも履歴が参照できる。

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合鍵登録もわかりやすく

合鍵登録も以前より洗練された。

物理的なリモートキーである「Qrio Key」も、もちろん登録できる。

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一定期間合鍵を渡せる「ゲストキー」も期間だけではなく、使用できる時間帯なども設定できる。

ただ、これはセキュリティ上仕方が無いのだろうけど、合鍵を持つ人もアプリをインストールしてアカウントを作らないといけない。

キーを持つ全員がEメールでアカウントを登録しないといけないのは、いささか面倒だ。

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ハンズフリー解錠

前モデルの「ハンズフリー解錠」は挙動が不安定で使用していなかった。前モデルはGPSでだけで外出したのか帰ってきたのかを探知していたので屋内にいてGPSの電波が受信できないと誤動作することがあった。自宅で寝ているのにいきなり解錠されたことがあって、筆者は使わなくなった。

新モデルでは、GPSとビーコンで外出と帰宅を探知するので、精度が向上した。設定した自宅の位置から100m離れると「外出」と判断され、再び100m範囲に入ると自宅に近づいたと探知する。

解錠するのは本体とビーコンで通信した時なので、ドアの前に立たないと解錠はされない。

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GPSで範囲に入ると「ハンズフリー解錠」の範囲内に入ると通知も届くので、知らない間に勝手に開いてしまうことはない。

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以前よりは使えるようになったけど、まだ課題はある。GPSで「帰宅」を検知した後、しばらくドアに近づかないと「ハンズフリー解錠」設定が無効になるようだ。例えば、自動車で帰宅して、しばらく車内で作業をしていると「ハンズフリー解錠」が無効になる。ずっとビーコンを有効にしていると電池が消耗するのを防ぐ措置だと思うが、有効になっている時間を設定できるようにして欲しい。

Qrio社も課題を認識していて、ビーコン強度の調整機能を付与する予定だったが、キャンセルされてしまっている。

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オートロック

自動的にドアを施錠するオートロックもできる。前モデルでは解錠後数秒後(設定可能)で自動的に施錠していたが、これだと宅配便業者から荷物を受け取るときに施錠してしまい困ることが多かった。

新モデルでは、ドア枠にセンサーを取り付けてドアの開閉を検知できるようになり、ドアを閉めてから10秒後に施錠されるようになった。

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その代わり、最初の設定するときにドアを開いたり閉じたりしなければならず、結構面倒だ。しかも、オートロックを一度オフにすると、設定を再びやりなおさないといけない。

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荷物の搬入など、オートロックを一時的に解除したい時もあるので、オフにしても設定を記録しておいて欲しい。

一応、一時的にオートロックを解除するコマンド(?)は用意されているが、自分はともかく家人全員に周知するのはしんどい。

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Apple Watchへの対応

QrioはApple Watchからの動作にも対応している。新モデルではApple Watch単体からの操作にも対応していて、iPhoneがなくても解錠できるのはランナーにとって便利だ。

コンプリケーションにも対応しているので文字盤からも起動できる。

iPhone版はひとつのボタンでシンプルになったのにApple Watch版は「施錠」と「解錠」が別々のボタンになっている。

Apple Watchからの操作の場合は、ボタンをタップしてからQrio本体に接続して状態を確かめているので、今がどちらの状態なのか判別できないと思われる。

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接続を確認していない仕様が問題なのか、筆者の環境がよくないのかわからないが、Apple Watchからの操作に時々失敗する。

iPhoneから動作すると成功する場合でも、Apple Watchだけ失敗することもある。「失敗しました」とだけ表示されると原因がわからないので、イライラする。

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ちなみに、Apple Watch単体では「ハンズフリー解錠」に対応していない。

子どもに持たせるのに良いQrio Key

こちらがQrio Key。軽くて小さいので子どもに持たせるのに最適だ。ボタンが2つ並んでいるだけで車のリモートキーみたいだ。ぶら下げられるフックもあるけど、薄いプラスティック製なので、振り回してぶつけると壊れそう。

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気になる点

ブラックカラーのみ

新モデルのイメージカラーがブラックのようで、本体もキーもすべてブラックのみ。アプリのアイコンもブラックで、カラフルなアイコンと並べると違和感がある。

帰宅するときは明るい気分でいたいのに、暗いアイコンと画面を見ると気が滅入るのは筆者だけ?

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ウィジェットには未対応

iPhoneのウィジェットに対応していない。対応していれば、アイコンから起動するよりは素早く解錠できるのだが。おそらくiPhoneのアプリ起動時に接続を確かめているので、ウィジェットから解錠を操作されると接続確認ができない仕様なのだろう。

Siriから動作できない

Siriショートカットに対応していないので音声では操作できない。Qrio Hubを購入するとAmazon Echo(Alexa)、Google Homeで操作することができる。2019/05/13今日現在、Alexaからは解錠・施錠できるが、Google Homeからは施錠のみできる。

3D Touchに未対応

iOS版アプリ「Qrio Lock」は3D Touchに対応していない。アイコンを強押しして「解錠」が選べれば一発で鍵を開けることができる。

ただ、アプリ起動時にQrio Lockと接続確認をしている。だから、アプリ起動前にはドアの状態を判別できないので、「解錠」を指示することができないと思われる。

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まとめ

新モデルになって素早く解錠できるようになったので、大きな不満はない。新モデルに買い換えて感じるのは、あまりに動作が遅かった初代モデルはプロトタイプだったということだ。2代目では実用的な速度になっているので、初代から2代目へ買い換えるユーザーに対して何らかの特典が欲しかった。

また、改善の余地はまだある。ハンズフリー解錠の精度(というより設定ができるようにしてほしい)とApple Watchの動作の不安定さは改善して欲しい。

オフにするとオートロックの設定がリセットになるのも勘弁して欲しい。

「スマホで鍵を開ける」ことに2万円の価値を見いだせるかどうかが、本製品を購入するかどうかの判断となるだろう。

個人的には、コンプリケーションから素早く操作できるApple Watchユーザーは買って損は無いと思う。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
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