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自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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Apple Watchの「通知」を一瞬で消す方法

増えるApple Watchユーザー

昨年あたりからApple Watchをつけている人が増えてきた。LTE内蔵したseries 3が売れているのか、ウェアラブル端末でAppleが首位を維持している。

うざい「通知」

Apple Watchを使っていると、スケジュールやメールを通知してくれるのはありがたいが目障りになってくる。長いメールの通知は、下端までスクロールしないと「了解」ボタンが押せないので面倒だ。

「通知」を一瞬で消す方法

実は「通知」を一瞬で消す方法がある。画面の上から下にスワイプするだけだ。スクロールする必要はない。

たったこれだけだけど、知っているとApple Watchの使い勝手が大きく向上する。iPhoneの上部に表示される「通知」と消し方が似ているから覚えやすい。

『Nintendo Labo』が『Switch Labo』ではない理由

Nintendo Labo発表

突然予告された任天堂の発表はSwitchを使った「ダンボールキット」だった。流行のVRにどう対応するのか注目されていたところ、斜め上をいく発表。いかにも任天堂らしい。「任天堂 LABO」の画像検索結果

複数の問題を解決するアイディア

子どもが遊べないVRの制約をどう乗り越えるか考えていたところに、活用しきれているとは言い難い新型コントローラーの使いみちを模索した結果「発見」したアイディアだと思う。ダンボールを使う「枯れた技術の水平思考」の極地、素晴らしいアイディアは複数の問題を解決するという任天堂のテーゼそのもののプロダクトだ。

Switch Laboではない理由

気になるのは『Switch Labo』ではなく『Nintendo Labo』が製品名であること。Switchのコントローラーと本体を使うわけだから周辺機器の位置づけでもよいと思うのだが、社名を冠した名前をあえてつけている。

任天堂にとってLaboが周辺機器ではなく、独立したプロダクトだと主張したいのだろう。将来的には、Switch以外の機器を使用することも想定しているのかもしれない。たとえば将来的にSwitchの後継機種がでたときでも『Nintendo Labo』ブランドを維持できるように。

バーチャルを超えるリアル

任天堂のチャレンジが成功するかどうかは、ダンボールで作った「アイテム」にどこまで没入できるかにかかる。HD振動やモーションIRカメラがもたらすバーチャルな感覚がバーチャル映像の迫力を越えられるか。2月の体験会の結果が気になる。

 

いかにして私は任天堂に謝罪することになったか

私の過ち

昨年の私が犯した間違いのうち最たるものがNintendo Switchが売れないという予測だった。いくつかの根拠をあげてSwitchの課題を記事にしたが、ご存知のようにSwitchは品薄になり、今でも入手困難な状態が続いている。

自分の誤った予測を行ったことについて個人的に任天堂に謝罪したい。本記事では自分の予測と現実がどこが違っていたのか検証する。

失敗したWii Uと同じ路線

tkan1111.hatenablog.com

この記事では、Wiiから変わらずターゲットにするライトユーザーは安価なスマホゲームに流れていて、わざわざ専用ゲーム機を購入しないと指摘したが、『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』『スーパーマリオオデッセイ』と出来の良い本格的なゲームを投入することで、スマホゲームでは飽き足らないユーザーを引き寄せることに成功した。

背景には任天堂のソフト開発能力の集中がある。Wii Uに早めに見切りをつけて、たっぷり時間と工数をかけて良質なゲームを開発した。決して数は多くないが、良いゲームを作ればユーザーがついてくると任天堂は判断したのだ。

Switchの最も大きな課題と思われた貧弱なラインアップも、開発陣の選択と集中を行い、大作を定期的に発表することでユーザーを飽きさせなかった。

Wiiから指摘されていたOSやネットワーク周りの貧弱さもSwitchでは解消された。動作も機敏だし、Wi-Fiも安定している。設計が古くても安定している、いわゆる”枯れた”SoCを使い、USB-Cをはじめとする業界標準のPCに近い仕様でまとめた効果が大きい。

スマホとバッティングする液晶ポータブル機

tkan1111.hatenablog.com

スマホとのバッティングを避けるために、高価な液晶を廃止して、据え置き機に特化したほうが売れると提唱したが、現実には液晶搭載だからこそSwitchは売れた。据え置きとしてより液晶ポータブル機としての利用のほうが多いという調査結果もある。

実際に触るとわかるが、Switchはスマホでは決して味わえないゲーム経験をもたらしてくれる。物理的なボタンでの操作はやはり快適だし、大型液晶も見やすい。コントローラーを外して液晶をテーブルに置くスタイルで遊んでいる人は少ない気がするが、小さなコントローラーも使い勝手が良い。製品のアイデンティティにもなっているコントローラーを差し込む音と感触も小気味よい。 

課題はある

全世界で絶好調なSwitchだが、Wiiから続く課題はまだ残っている。任天堂制作のいわゆるファーストのゲームは売れるが、サードベンダーのゲームは売れない傾向も変わっていない。ゼルダとマリオという昔からのブランドに頼っているのも同じだ。『スーパーマリオオデッセイ』でみられる従来の枠にとらわれないゲームづくりは好感がもてるが、任天堂一社だけでどこまで今の勢いを維持できるだろうか。

もうひとつの課題はコントローラーの活用だ。コントローラーに付加価値を与えて新しいゲームづくりを提案する手法はWiiから続く路線だが、Switchでも十分に活用されているとは言い難い。コントローラーが最も活かしたゲームはローンチタイトルである『1ー2ーSwitch」だが、新技術のお披露目の意味合いが強く、新たなゲーム体験の創出するところまでには至っていない。

新型コントローラーが成功するかは、1月に発表された『Nintendo Lab』にかかっているように思える。

 

以上、課題はあるが、Switchの販売予測が大幅に外れたことについて謝罪させて頂く。ごめんなさい、任天堂。

iphoneとiPad Proのための新製品の発表

新製品発表

Appleは春のイベントを行わず、新製品の発表だけを行った。Appleがサイレントローンチするのは、インパクトが小さい製品をわざわざ紹介するとイベントの価値が落ちるからだ。毎回注目されるAppleのイベントは莫大な広告費の代わりになるぐらい影響が大きい。

今回発表された製品はマイナーチェンジばかりで確かにインパクトは小さいが、Appleの今後の戦略を占うのに重要な意味を持つ。ひとつずつ見ていこう。

iPad

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「Air」の名称が取れた新iPadは、大雑把位に言えば前々モデルになるiPad Airに新CPUを載せてTouch IDをつけた仕様になっている。重量もAir 2より重く、厚みも増し、iPad Airに退化した印象だ。

iPad Proと差別化するためにApple Pencilには非対応、Smmart Connectも搭載していない。

新しい無印iPadの最大のポイントは価格だ。iPad史上最安となる3万7800円は、このiPadの立ち位置を明確に示している。iPhoneに慣れたユーザーが、より快適にコンテンツを消費するツールとして気安く購入できる価格帯にした。さらに言えば現行のタブレットの需要はAppleブランドをもってしてもこの値段でしか売れないのだ。

PCの代替を目指すコンテンツクリエイター向けのiPad Proとポジションを離すことで、双方の特徴を明確にしている。性能も異なれば価格も二倍近く違うので、もはや「iPadかiPad Proのどちらにしようか?」と悩む人は少ないだろう。

その代わりに、安い値段でiPadを拡販し、無印iPadの性能に飽き足りなくなったユーザーをiPad Proに誘導する目的があるのだろう。

PCの代替需要を獲得する目的をもつiPad Proにユーザーの目が行くように、タブレットが売れなくなってもAppleはiPadを捨てる訳にはいかない。

iPhone (PRODUCT)RED Special Edition

https://store.storeimages.cdn-apple.com/8561/as-images.apple.com/is/image/AppleInc/aos/published/images/i/ph/iphone7/gallery2/iphone7-gallery2-201703?wid=1068&hei=643&fmt=jpeg&qlt=95&op_sharpen=0&resMode=bicub&op_usm=0.5,0.5,0,0&iccEmbed=0&layer=comp&.v=1489424008777

iPhone史上発のREDモデル。色以外に何も変わらないし、多くのユーザーがケースを装着してる現状、ボディ色に大きな意味があるとは思えないが、広告のインパクトはある。予想外に変更されなかったiphone 7のボディに飽きがきているユーザーにとってiphone 6あたりから買い替えを促すきっかけにはなる。

これも、やはりiphoneしか売れない、iphoneを売らざるを得ないAppleの苦悩が見え隠れする。

更新された製品と更新されなかった製品

https://store.storeimages.cdn-apple.com/8561/as-images.apple.com/is/image/AppleInc/aos/published/images/w/at/watch/bands/watch-bands-hero-201703_GEO_JP?wid=558&hei=480&fmt=jpeg&qlt=95&op_sharpen=0&resMode=bicub&op_usm=0.5,0.5,0,0&iccEmbed=0&layer=comp&.v=1489707495115

他の新商品は本当にマイナーな変更・追加にとどまった。更新・追加された製品は、iphone SE、Apple Watch(のバンド)、iPad mini。

iphone SEは容量が増えて実用的なラインナップとなった。安価なiphoneとしての位置づけであるSEのニーズは一定数あるので、iphoneとiOSのシェアを増やすために重要な製品と判断したのだろう。

Apple Watchはバンドの追加だけだが、ファッションとしてのApple Watchブランドを維持するために定期的な追加発表は大事だ。Apple Watchを長く育ていきたいAppleの思惑が見える。

iPad mini4はラインナップを縮小。iPad mini2と32GB版を廃止、128GB版を値下げした。128GBで45,800円という価格はiPad 128GBと比べて3,000円しか安くない。

本来はもっと高い値で売りたいのだろうが、iPadを戦略的に拡販するために値下げした関係で無理やりこの値段に押し込められた印象だ。

今回期待されていながら更新されなかったのは、iMac、Mac mini、MacBookだ(Mac Proは後日アップデートされた)。

クックも言及しているのでMac mini以外の製品はいずれアップデートされるのだろうが、長らく放置されているのは事実だ。iphoneとiPad Pro以外の機種はAppleの中での優先順位が下がっている。

Appleとしては、屋台骨であるiphoneとPCの代替を目指すiPad Proをいかに拡販するかが重要で、それ以外の製品の優先度が低いのは仕方がないかもしれない。

Appleの方向がより明らかになった今回の発表だった。

任天堂が解消できたSwitchの懸念点と、まだ残る課題

任天堂は『Nintendo Switch』を3月3日に発売した。Wii Uの反省を踏まえて、ハード・ソフトとも多くの点を任天堂は改善した。ネットでの評判も上々である。

発売前にあがっていた懸念点と今後の課題を記す。

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モダンになったOS

遅い起動、いつ終わるかわからないアップデート、Wii U OSの評判は散々だったが、Switchでは改善している。サクサクした動き、考え抜いた結果であるシンプルなメニューはモダンな印象を受ける。

今回ターゲットである大人を意識したメニュー画面になっており、スマホに強く影響を受けている。

Wii U同様に発売当日にアップデートがかかったが、Switchでは数分以内に完了した。今回は下位互換がないので旧機種のバックアップ・リストアも不要でスムーズに移行できる(Wii Uではこの作業に半日近くかかった)。

https://www.nintendo.co.jp/hardware/switch/specs/img/img07.jpg

 HDMI CECに対応

発売当日のアップデートでSwitchはHDMI CEC(HDMIリンク)に対応した。Wii Uでは最後まで未対応だったし、仕様も公開されていなかったので危惧していたが、きちんと間に対応してきた。液晶からテレビ画面へ簡単にスイッチできるのが売りなのだから、TVリモコンの操作が必要では煩雑過ぎる。

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大きな不具合なし

発売前には悪い噂も流れたが、目立った不具合はない。左ジョイコンの遅延もどうやらボンバーマンRで起きる固有の問題のようだ。

ジョイコンの充電は面倒

3つのモードで遊べるSwitchだが、どのモードで遊んでも充電の課題がある。

  • TVモード・・・ドックに繋がる本体は問題ないが、ジョイコンは24時間しかバッテリーが保たない。ジョイコン単体では充電できないので、遊び終わったら毎回本体に接続しないといけない
  • テーブルモード・・・USB-C端子が下部にあるので充電しながら遊べない
  • 携帯モード・・・本体に接続しているジョイコンの充電は問題ないが、本体のバッテリーはゼルダで遊んでいると3時間ぐらいしか保たない

ジョイコン充電グリップを購入すれば、遊びながらでもジョイコンを充電できる。

据え置き機であればTVモードがメインの使いみちになるのだから、同梱のの充電できないグリップではなく、こちらの充電グリップを同梱してほしかったがコストの関係だろうか?

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最大の課題はソフトウェアの供給

ローンチのゼルダは高評価だが、Wii U版もあるので、ゼルダのためだけにSwitchを買う理由に乏しい。1-2-Switchは同梱するべきボリュームでローンチの起爆剤になりそうもない。

当初から言われているようにローンチの弱さをカバーするソフトウェアが任天堂サードパーティーから計画的に供給されるかどうかがSwitchひいては任天堂の命運を決めることに変わりない。

 

ブームを起こすには弱すぎるPS VR

SONYはPS VRの出荷台数が91万5000台に達したと発表した。

www.jp.playstation.com

対応したコンテンツも100本を越えて順調なことをSONYはアピールしている。

しかし、未だに供給が追いついておらず、海外の方が余っているからと個人輸入する人もいるぐらいだ。

 

増産できない理由は明らかになっていない。歩留まりが高い部品があるとも聞こえていないので、単純に生産施設が不足しているのか。

VRゲームを一般化するような大きなブームメントを起こすには、台数は全然足りない。3Dゲームのように一過性のブームで終わらせないためにも、増産に力を入れて欲しい。

 

巷に流れるSwitchの悪い噂を検証する

発売まで一週間を切った今、Switchを巡る悪い噂が飛び交っている。新機種が出る前にネガティブキャンペーンみたいなデマが流れるのはよくあることだが、先行して本体を入手したメディアからの発信も多く、全てがデマとは言い切れない。

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左ジョイコンの応答が悪い?

複数メディアが取り上げているのが左ジョイコンの応答が悪くなるときがあるというもの。体験会でも経験したレポートもあるので、確度は高い。

この動画で検証しているとおりだとすると、本体とジョイコンの間に手や体など遮蔽物があるとジョイコンの応答が悪くなるようだ。ジョイコンは小さいので手が覆うように持つと同じ現象が起きてしまう。

youtu.be

ジョイコンはBluetoothで通信しているので、通信出力を上げるアップデートを行えば解決しそうだが、ハード側の仕様だと解決できない。仮にソフトウェアで解決できても、サイズが小さいジョイコンがバッテリーの保ちを気にしての現行仕様だとすると、通常に遊ぶのに困るほど頻繁に充電が必要になる可能性もある。

カメラが組み込まれてバッテリーの容量が小さいと予想される左ジョイコンだけを起きるのも気になる。

 

スタンドが弱い?

「テーブルモード」で遊ぶ時に本体を立てるスタンドが弱すぎるという記事もでている。スタンドを開いたままドックに刺すとスタンドが吹っ飛ぶ懸念も上がっているが、どうやらわざと外れやすくして部品の破損を防いでいるようだ。

 

youtu.be

任天堂のハードには子供が安心して遊べる厳しい安全基準があり、今回のSwitchについても任天堂は安全に気を遣っている。手に持ったジョイコンを誤って投げないようにストラップを本体に付属した。

ただ、このスタンド、外れやすいのは仕方がないとして一定の角度にしか固定できなかったり、片側だけで支えているので画面をタッチすると倒れやすい仕様なのはいただけない。テーブルモード時に画面をタッチ操作する動画をあまり見かけないのはこの問題を懸念しているからだろうか?

バッテリーが保たない?

携帯モードで遊ぶ時にバッテリーが保たないという噂もでているが、この記事だとゼルダで遊んで約3時間保ったそうだ。

www.youtube.com

3DSやPS Vitaの他の携帯機とくらべても悪い値ではない。以前の携帯機とくらべてSwitchの筐体は大きいが、携帯性を考えてバランス良いバッテリー容量を搭載していると考えられる。

それ以外の噂は?

噂:携帯モードで遊んでいるときは本体の充電ができない

解:一次ソースがなくデモっぽいが、携帯モードで遊んでいる時にジョイコンの充電ができないのは仕様

 

噂:スリープモードから回復すると外しているジョイコンとのリンクが切れる

解:高橋名人のブログがソース。実際に起きたようだが、再現性があるのか不明

ameblo.jp

 

早めのアップデートが鍵

初期プロダクトに多少の不具合があるのは仕方がない。いかに素早く解決できるかがポイントだ。ゲーム起動に時間がかかる問題をWii Uを長らく解決できなかった(根本解決は最後まで行えなず)。

アップデート環境も問題だ。Wii Uでは買ってすぐにアップデートがかかったが任天堂のサーバー環境が貧弱でアップデートまで時間がかかったり、アップデートが失敗したり、せっかく新しいハードを買っても何分も遊べない事態となった。これらはWii Uの初期イメージを著しく悪化させた。

Wii Uの反省も踏まえて、任天堂がきちんと対策していることを望む。

孤独な端末

Amazonの音声認識技術『Alexa』は他社へ無償で提供しているので、普及が進むと、家中に複数のAlexa対応機器が混在することになる。

それぞれの機器が単体での動作を前提にしているので、「Alexa」と呼び出したときに近くにあるすべての機器が反応してしまう。

Alexa搭載のテレビと冷蔵庫があって、たとえば「冷蔵庫の中身をテレビに映して」と命令したら機器同士が連携してほしいところだが、今はそういった連動ができない。

Alexaは音声情報をネット経由で送信し、サーバー側で解析した依頼内容に合わせたアクションを実行する。そのためかクライアントとサーバー間のやりとりだけで、ローカルの端末間の通信は行えない。

現状は同じ空間に他のAlexa搭載機器があるかどうかローカル端末もサーバー側も判別していない。さっきの冷蔵庫とテレビのような連携を行うためには家の中にハブを置くのが妥当だろう。

動画や写真を格納するホームサーバーは以前からあったが、Huluに代表される定額動画サービスやgoogleフォトなどのクラウドサービスが普及したので、一般家庭ではコンテンツを格納するサーバーを必要としていない。

Alexaが必要としているのは、クラウドサービスと複数端末を連携するための集中管理システムだ。

他社を見てみると、Androidは複数の端末が同じ部屋にあっても端末同士を意識していない。

限定的ながら、実現できているのはAppleだ。近くの端末間でファイルのやりとりができるAirDrop、携帯回線に繋がるiPhone経由でMacから電話を掛けることができるなど連携ができる。BluetoothイヤホンのAirPodsは近くにある同じiCloudアカウントの端末と自動的に繋がる。

垂直統合型だから連携しやすいApple製品でも音声認識技術でSiriは端末間の連携ができない。iPhoneのSiriに「部屋のMacを起動して」とは命令できない。

いわゆるIoTが普及し家庭に複数端末が存在するのが当たり前になってくると、端末間の高度な連携は今後のITが進化するための大きな課題のひとつになるだろう。 

PCは死んでいない

PCビジネスを主体とするHP Inc.が発表したQ1決算では、PC事業が増収だった。

 

itpro.nikkeibp.co.jp

PC市場全体が拡大しているのではなく、Lenovo, HP, Dellの上位3社に寡占化が進んでいるだけだ。Acerなどの台湾メーカーの不振が大きい。

進化が止まり、価格勝負になってきたPC業界では大量生産できる上位企業がより優位になってきている。仕入れ部品がコスト高になる中位企業は利益かシェアのいずれかを落とす選択をしなければならず、どちらを選んでもネガティブスパイラルに陥ることになる。上位3社が有利な構図は当面変わらないだろう。

今回の決算ではPC事業は増益でもあった。AppleのMacbook, MSのSurfaceなど強豪が多い中、高付加価値PCであるEliteが好調だった。

PC市場が拡大しない現状で、上位PCベンダーは、利益がとれる高付加価値のPC、DellはXPSシリーズ、LenovoはYoga, ThinkPadの販売に注力している。

大量生産で利益を上げているからこそ、高付加価値PCの開発に資金が遣えている。次のポイントは、さらにPC市場が縮小したときに、上位3社のいずれが生き残れるかだ。それぞれ特徴があるので、興味深いところだ。

 

 

Appleの東芝への出資は実現するのか?

東芝の半導体ビジネスにAppleが興味を持っている記事がでたが、本当だろうか?

 

headlines.yahoo.co.jp

ソースもよくわからないし、こういった非常事態には多くの噂を流し有利に交渉しようとする輩もいるので、容易には信じられない。

過去の実績から、完全買収はなくても出資はあり得ると予想する。

これまでファブレスがAppleの戦略だった。工場を自社で持たず、外部委託することで素早く製造ラインを立ち上げ、需要の増減に臨機応変に対応してきた。

東芝の半導体ビジネスを買収すればAppleのファブレス経営を原則を揺るがすことになる。半導体の需要が落ちて東芝の半導体分野が経営危機になれば、Appleの経営にも影響がある。そんなリスクをAppleが犯すだろうか。

以前にもAppleが工場に大型出資した事はある。シャープとジャパンディスプレイなどの液晶メーカーである。iPhone、iPadの旺盛な需要に合わせて、液晶パネルを安定的に供給してもらうために出資したわけだ。

東芝が製造するNANDメモリーは現時点では活況なので、安定的な供給を得るためにAppleが東芝に出資することはあり得ると思う。

 

両輪を失う東芝に残された道

米国の原子力事業で起きた巨額損失を埋めるために、東芝は虎の子の半導体事業を売却しようとしている。不正会計で地獄を見た東芝は、半年前には原発半導体が事業の両輪だと言っていたのに、事業の両輪を失う新たな地獄に落ちてしまっている。

東芝のPC事業が今後どうなるのか、あまり表に出てこない。半導体事業より比較的規模の小さいPC事業に構っているときではないのかもしれないが、不正会計の舞台のひとつはPC事業だったし、富士通との統合などPC部門の切り離しは半導体売却がでる前から話は出ていた。

Lenovo,HP, Dellなどのグローバルベンダーに規模で劣る東芝のPC事業は今後大きな利益を生むことはないだろうから、いずれ売却か事業停止に追い込まれる可能性が高かった。

だが、車の両輪を失った東芝に残る事業はインフラとPCがメインになる。以前とは比べ物にならない事業規模とはなるが、売却とリストラで小回りが利くようになった東芝がPC事業に改めて注力するとしたら興味深いストーリーだ。

ダイナブックからはじまった東芝のノートPCは、今でも一定のブランド力がある。数はでなくても利益率が高い製品を販売すれば、事業を存続できる可能性はある。もっともこの分野はVAIO, MacBook, ThinkPadとライバルも多いので、困難な道なのは間違いないが、東芝が走れる道はもはや限られてきている。

 

AndroidがAppleに勝てない唯一の理由

iPhoneの新規購入者の30%がAndroidからの乗り換えだそうだ。 

japan.cnet.com

Android OSはスマートフォン・タブレットのOSとしては世界最大のシェアを持つ。それでもiOSは一定のシェアとスマホ業界のほとんど全ての利益率を得ている。

デファクト・スタンダードになった製品が圧倒的に強いIT業界で、なぜAndroidは力を発揮できないのだろうか。

すべての問題はAndroid OSがバージョンアップできないことに起因する。

iOSは新しいバージョンがでる半年前の発表会から話題になる。それは既存ユーザーのほぼ全員が恩恵を被ることができるからだ。

Androidでは新しいOSが発表されてもほとんどのユーザーはアップデートできない。ベンダーが独自にAndroid OSを改造しているので、対応が終わるまで最新OSは意味をなさない。これでは既存ユーザーはOSに興味が持てないし、ロイヤリティも高まらない。Appleのブランド力の源泉が、ユーザーのロイヤリティにあるのは周知の事実だ。

Androidは多くのバージョンのOSが市場に混在することになる。各バージョンへの対応を手間に感じて、アプリ開発者はiOSでのアプリ開発を優先する。

グーグルも、この問題をもちろん理解していて、自社ブランドのスマホを強化するために昨年Pixelを発表した。

OSのブランドを維持して利益を確保するためには、水平分業ではなく垂直統合モデルを採用するべきだとAppleを見てGoogleも気づいたのだ。今までWindows OSだけでPCを開発していなかったMicrosoftがSurfaceを強化しているのも同様の理由だ。

シェアを握り、多くのアプリを呼び込むために効果的だった水平分業モデルからの転換は、この十年のIT業界で起きた大変化の一つだろう。

 

Amazon Echoは、すぐそこまで来ていた

アメリカで人気のAmazon Echoが、いつ日本で販売開始になるのか注目が集まっている。絶賛されている音声認識の日本語化が課題と思われていたが、先週アップデートされたAmazonアプリの音声認識がかなり良い出来だったので、Amazon Echoの日本上陸はかなり近いとみる。

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Amazon Echoとは?

Aamazon Echoについて簡単に書くと、Siri搭載の卓上型スピーカーである。音声でスピーカーの操作はもちろん、本日の予定などを質問できる。驚くはその精度と流暢な発声だ。膨大な音声データを解析したAlexaと呼ばれる音声技術はSiriよりもはるかにレベルが高い。

Alexaは他社にも無償で提供されており、今年のCESではAlexaに対応した冷蔵庫や自動車、ロボットが多数発表された。様々な機器に利用されれば、Amazonの元に集まる、さらに多くの音声データを解析し、Alexaはより精度を高める好循環が生まれる。

gigazine.net

 

Amazonアプリの実力は?

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使い方は簡単。Amazonアプリの検索ボックスにあるマイクボタンをタップするだけだ(初回のみマイクへのアクセス許可が必要)。

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試してみるとわかるが、誤認識がほとんどない。日本語の音声認識が高水準なのと、認識した用語とマッチングするテキストデータが膨大だからだろう。

 日本語と英語が混じった言葉も正確に認識し、アルファベットかカタカナか聞いてくれる。Siriなどの他の音声認識では見たことがない機能だ。

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アプリでは日本語の発声水準は確認できないが、高度な認識技術から、すでに開発が進んでいると思われる。

意外なことにAmazonは全世界でサービスを展開しておらず、サイトを運営しているのは13か国だけだ。対応しなければならない言語はそれほど多くない。売り上げの規模が北米に次いで多い日本へ売れ筋のAmazon Echoの導入を急いでもおかしくない。

日本でAmazon Echoが受け入れられるかは興味深い。Echoの後には多数のAlexa対応製品が控えているのだから。

 

Nintendo Switchは順調なのか?

任天堂の君島社長曰く、Nintendo Switchのローンチソフトが少ないのは計画通りだそうだが、本当だろうか?

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Switchの販売計画は変更された

任天堂、E3 2016でNXは展示せず「ゼルダの伝説」最新作に焦点 - GAME Watch

NXと呼ばれていたSwitchは、2016年夏のE3で発表し、年末のホリデーシーズンに販売予定だった。開発が間に合わず、一番の稼ぎ時をスキップして今年の3月発売へ変更になった。代わりにE3ではゼルダの新作のデモを流したが、そのゼルダはWii U用だった。

E3でNXを発表できなかったのはハードの製品版が完成していなかったからだろう。最終形ではなくてもある程度ハードの仕様が確立していなければ、ソフト開発も滞る。現にローンチの目玉であるゼルダはSwitchの売りである特殊なコントローラーに対応していない。

君島社長が言うように計画的なソフト供給であるなら、ローンチの売りであるゼルダはSwitchの特色を表現する内容になっているはずだ。

 

本体の売り切れを防ぐために、ソフトの発売日をずらした?

business.nikkeibp.co.jp

この記事では、発売日に本体の品薄を防ぐためにビックタイトルの発売日を分散させたとあるが、本体の供給が間に合わないなら、世界同時発売をやめればよかった。PS4は一番売上が見込める米国の発売を優先した。日本のユーザーには恨まれたが、アメリカの評判が日本の売上に繋がったし、極度な品薄と転売を避けることが出来た。

Switchでも任天堂が弱い欧州を後回しにするなど対応できたはずだ。売れるソフトの発売日を延期する理由としては弱い。

 

サードの販売促進のため?

ローンチに任天堂の強力なソフトが揃うと他社のソフトが売れず、サードの開発会社がSwitchへの参入をためらうから、任天堂がわざとソフトの販売を遅らせたのではと先の記事にはある。

しかし、サードのロンチソフトは移植作ばかりで、力が入っていないように見える。任天堂がソフトを出そうが出すまいが、爆発的に売れるラインナップではない。

確かに任天堂のソフトしか売れないのは昔からの課題ではあるが、今の段階ではサードをSwitchに惹きつけることができていない。マリオなど売れ筋ソフトの販売を遅らせてSwitchの売上が伸びなければ、サードの開発意欲は更に減退し、以前と同様にサードのソフトが増えない事態に陥る。ただでさえ特殊なコントローラーに合わせた開発が必要なSwitchは敬遠されがちなのに、そんなリスクを犯すだろうか?

 

その後のソフト開発は順調?

噂レベルではあるが、夏の目玉である『スプラトゥーン2』は夏休みの後半である8月15日発売だそうだ。すでに体験会が開かれているので、完成が近いようにみえるが、実際のところはどうなのだろう?

 

以前指摘したように任天堂のソフト開発能力が心配である。


賽は投げられた

心配な点はあるが、あと数週間でSwitchは発売される。今後の売れ行きを決めるのはユーザーだ。ユーザーの評判が良ければ、売上も増え、ポジティブな循環が生まれる。

初期出荷台数は世界で200万台と任天堂は明言している(この数字はWii Uと比べてもかなり少ない)。このうちどれだけが売れるのか、3月の販売台数は要注目だ。

 

 

 

次期Apple WatchとwatchOS 4

Apple Watchが売れているそうだ。

iphone-mania.jp

Series 2になって高速化、防水・GPS機能の追加、省電力化と初代の欠点を全て解消したのが大きかった。

日本の場合はApple Payへの対応も、買いの材料になった。時計ひとつで電車に乗って買い物をするのは、一度体験するとやめられない。

次期iPhoneの噂話は喧しいが、次期Apple Watchの噂は聞こえてこない。iPhone 7とApple Watch series 2は同日の発表だったのに、だ。

現時点で可能なハードウェアの欠点を解消したSeries 2の後継を開発するのは確かに難しいのかもしれないが、ソフトウェア部分にはまだ課題は多い。6月のWWDCで発表されるだろうwatchOS 4を願望も含めて予測してみる。

 

画面の常時点灯

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画面をタッチするか手首を曲げないと画面が表示されないのはApple Watchの大きな不満のひとつだ。時刻を見ようと手首を曲げても反応が悪くて、黒い画面を見るのは悲しい。

常時点灯を許可していないのはバッテリーが保たないからだと思われるが、Series 2ではバッテリーの心配は軽減されている。一日中、腕に巻いていても70%ぐらいはバッテリーが残る。

使用用途によってはバッテリーが心配な人もいるだろうから、せめて常時点灯ができる設定だけでも欲しい。

 

リアルタイム更新

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Appleはサードアプリの更新頻度を制限している。iPhoneのアプリだとバックグラウンド更新できるのに、Apple Watchのネイティブアプリはコンプリケーションに設定するか、Dockに入れて画面を表示しないと更新できない。この制限がwatchOSのアプリ開発を難しいものにしている。

これもバッテリーの保ちを心配しての措置だろうが、Dock格納アプリにはバックグランド更新を設定できてもよいのでは?

 

多様な振動

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振動で電話やメールの着信を知らせる通知機能はApple Watchの売りのひとつだ。ただ通知の振動は一種類しかないので、メールが着信したのか次の予定の通知なのかわからない。スタンドなどの標準アプリで使われている独自の振動をサードアプリにも解放してほしい。

 

通知の処理

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通知を消すためには画面の強押しで一括消去するか、通知の一つずつ読んで消す作業が必要で、スマートな動作ではない。手首を振って通知を消去する噂が以前あったが、非常に良いアイディアだと思う。操作する時両手を使わないといけないのは腕時計型の欠点なので、できるだけ片手で扱える操作にして欲しい。

 

グランスと「友達」の復活

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watchOS 3でDockを採用し、グランスと「友達」を廃止したが、現行のDockは本当に使いやすいのだろうか。洋服や手首がじゃまになりがちなサイドボタンを押すよりも、以前のグランスのように画面を上スワイプの方が簡単に操作できる。サイドボタンをダブルクリックするApple Payの操作も失敗することも多いので変更したい。

「友達」も特定の人にメールや電話するのに便利だったので復活して欲しい。

 

watchOS 4での操作案

上スワイプ・・・Dock起動。左右のスワイプでアプリを移動。現行の設定画面もDockの一部とする

下スワイプ・・・通知(現行通り)

サイドボタン・・・Apple Pay

サイドボタンのダブルクリック・・・友達

クラウンボタン・・・ホーム画面(現行通り)

クラウンボタンのダブルクリック・・・アプリの切り替え(現行通り)

 

ハードウェアの進化は?

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ハードウェアの進化はもう少し先になるかもしれない。
次の大きな進化は、Apple Watch単体での動作だ。今のApple WatchはiPhoneがないと、ほとんど何も出来ない。

SIMを刺してApple Watch単体でネットにアクセスできるにはバッテリー技術が進歩しないと難しいだろう。Apple Watch単体で常時LTE通信したら今のバッテリーでは保たなくなる。ウェアラブル端末はバッテリーを厚くして、これ以上重くするわけにいかない。

画面の小ささも時計端末の制約だ。画面を大きくすればそれだけ重くなる。ホログラム映像が一般化されれば、画面の制約を突破し時計型端末ももっと広まるだろうが、それは近くない将来の話だ。