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自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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みんなジョブズになりたがる

垂直統合モデルの優等生Apple

「Apple Logo」の画像検索結果

垂直統合モデルの優等生企業といえばAppleだ。

垂直統合モデルというのは、一企業が上流から下流までの業務を一手に行うことで利益を得る手法だ。Appleは、Mac・iPhoneのハード、macOS・iOSのOS、iTunesなどのソフトを握ることで、莫大な利益を得ている。

利益だけではなくハードからソフトまで統一した美しいデザインを顧客に提供することで、世界一ともいえるブランド力を手に入れた。もちろん、それを推進した創業者スティーブ・ジョブズの影響が大きい。

シェアは取れないモデル

垂直統合モデルはシェアを獲得するに不向きだ。macOSがWindowsのシェアを超えることはないし、iOSがAndroidのシェアを逆転することはない。多くの企業が製品を提供できれば大きなシェアを取れるのは道理だ。

多くの企業が開発すれば玉石混交の製品が市場で流通し、ブランドイメージが悪化する。そのことに気づいたMicrosoftはWindowsの影響力が低下したと同時にSurfaceを開発し、Googleは何度もスマホを自社開発しようとしているが、Appleのような圧倒的なブランド力を手に入れるまでに至っていない。

より強大になるAppleの垂直統合ビルディング

Appleは、垂直統合モデルの高さと幅を広げている。顧客が製品を購入するストアも自社で開発し、iCloudで顧客情報を、Apple Musicでサービスまでも自社で開発し、統一した顧客体験を提供している。

唯一自社で管理していない液晶などのパーツも自社で開発する噂がでているのも、Appleの愚直なまでの垂直統合モデルへの執着があるからだ。

www.bloomberg.co.jp

Apple Musicしか音楽配信サービスが使えず、販売低迷しているHomePodに対して、他のサービスにも対応するように提言しても無理である。垂直統合による統一した顧客体験の提供はAppleの社是であり、このモデルによってAppleは時価総額世界一の企業になったのだ。

日本で成功した垂直統合モデルの企業とは

日本にも垂直統合モデルで成功した企業がある。任天堂である。

家庭用ゲーム機は独特なモデルだ。設計開発した同じ仕様のゲーム機を5年近く販売して利益を稼ぐ。ハードに搭載するOSも自社開発だ(PS4もSwitchのOSもLinuxがベースではある)。

ハードとOSだけならソニーも同じだが、任天堂が異なるのはOSに載る肝心のゲームソフトも自社開発が圧倒的に強い点だ。任天堂のゲームで遊びたいから任天堂のハードを購入する人は多い。

より多様なゲームを提供したいハードメーカーとしては一社でゲーム開発を担いたいわけではないが、結果的にそうなっていて、任天堂は独創的なハードとゲームを提供しシェアを握っている。

新興IT企業はジョブズを目指す

大学の講義みたいに今更垂直統合モデルについて書いたのは、下の記事を読んだからだ。

www.gizmodo.jp

スマホメーカーのHUAWEIが独自OSを開発中というニュースだ。過去にも多くのハードウェア企業が垂直統合モデルを目指した。HPが買収したPalmのWebOS、Intelが開発しサムソンがハード製品を提供したTizen、いずれも成功していない。

理由はシンプルで、オンリーワンではないからだ。AppleがiOSを発表した時、他に似たOSはこの世に存在していなかった。AndroidやWindowsはあとからAppleを追随したにすぎない。

それでも、色々な企業が垂直統合モデルを目指す。すべてを自分らで管理したい欲求を止められないし、みんなジョブズになりたがっている。

www.kantakayama.com

4年落ちのタブレットを使い続ける理由

4年前のモデル

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筆者が常用しているタブレットは『Xperia Z3 Tablet Compact』(以下、Z3)だ。購入したのは2014年。4年も使っているが、動作に不満はない。

バッテリーが劣化する時期だけど、2016年にバッテリーが膨張して液晶が浮く障害が起きた時、修理してもらった。どうやらバッテリーの不具合だったらしく、保証期間外なのに無償だった。

今となっては、もちろん旧モデルになるが、動作が遅く感じることはない。古い機種でも使えてしまうのはタブレット市場の低迷の要因であり、筆者も実感している。

tkan1111.hatenablog.com

タブレットの用途

買い替えても良いのだが、4年経っても、このマシンを超える機種が現れない。それは筆者の使い方が少々特殊だからでもある。

タブレットを使用する用途は、

  • フォトフレーム
  • 風呂での調べ物

だけだ。他の作業はスマホかPCで行う。

家族の写真は、すべてGoogleフォトにアップしている。Z3は、家族の誰もが見えるリビングに配置してある。充電スタンドに立てると自動でフォトフレームになる設定をしているので、いつも最新の写真が時系列に表示される。

写真は一万枚以上あるので、眺めているだけで飽きないし、家族で写真を観て「あ、ここ行ったね」などと会話のきっかけにもなる。

ランダムで写真を表示する機能があっても面白いのだが、残念ながらその設定はなく、常に最新の写真から表示される。Z3のAndroidのバージョンは6.0.1で止まっているから、最新バージョンなら可能かも。

マグネットで充電スタンドと接続できるので、本当に置いただけでフォトフレームに早変わり。これができるタブレットはあまりない。

防水機能は必須

もうひとつの要素は、風呂での活用。将棋やサッカーなどリアルタイムで鑑賞したイベントがある時はZ3を持って入浴する。

Z3は防水機能があるので、湯の中に落としても壊れたことがない(自己責任で)。しかも軽いので(約270g)、長時間持っていても苦にならない。動画やテレビとして使う時は百均で買ったスタンドを用いている。

タブレットに求めるスペック

このような特殊な使い方を満たすのに必要な機能・仕様は、

  • マグネット式の充電スタンドがあり、フォトフレームになる
  • 防水機能
  • 軽量

になるが、この条件に合致する製品が存在しない。ソニーはタブレットから撤退してしまい、iPadは防水ではない。

Z3使用者が後継機種によく選ぶのがファーウェイの『MediaPad M3 Lite 10』(以下、M3 Liteと略)だ。

 防水なのは素晴らしいし、最新機種なのでスペックに問題はない。ただZ3より重い(約465g。Z3は約270g)。同じファーウェイの『MediaPad M3』は約310gとZ3に迫る軽量っぷりなのだが、防水ではない。

自宅で使用するので重いのは、まあ我慢できるが、一番困るのが充電。M3 Liteには、スタンドが何と標準で付属するのだが、 これがただのスタンドで、百均で売っているものより少ししっかりしたような折り畳みスタンド。当然、充電機能はない。充電する時は、毎回USB Type-Cのケーブルを刺さないといけない。

筆者のようにタブレットをたまにしかし使わない人間にとっては、ポンと置いて充電できるスタンドは必須。Z3以前もGoogleの『Nexus 7』を充電スタンドと併用していた。

もちろん最新機種なので、M3 Liteには指紋認証、最新OS、解像度などZ3を上回る機能もたくさんある。ただ、スマホと異なり、たまにしか使わないタブレットに筆者が求めているのは、そこではない。

外出先でもタブレットを使用することはほとんどない。スマホとBluetoothキーボードでほとんどの作業が事足りる。長い文章を書くときなどはPCを持ち歩く。その間にタブレットを使用する余地はない。あるとすれば入浴中だけだ。それも、多少リスクを覚悟すれば防水であるiPhone Xを使っても良い。

今のところZ3に不自由していないので、暫く継続して使うことになるだろう。

ソニー Xperia Z3 Tablet Compact SGP612 ホワイト

ソニー Xperia Z3 Tablet Compact SGP612 ホワイト

 

 

Apple Watchとイヤホがコミュニケーションを変える

一般化したApple Watch

直近のApple Watchの台数がMacを超えた試算がでている。

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iphone-mania.jp

通知を確かめるために人はスマホを見る

直近のAppleの決算でもApple Watchを含む「その他製品」カテゴリーも大幅に伸びている。series 3がLTE対になったことが要因と言われるが、iPhoneの画面を見ることに「飽きた」人々が増えてきたのも要因だと思う。

スマホが一般化して、LINEなどの着信がある度に人はスマホを眺めている。その「作業」を減らすためにApple Watchを求める層がある。

tkan1111.hatenablog.com

ヒアラブルか、イヤホか

最近、「ヒアラブル」イヤホンという用語が使われはじめている。

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japanese.engadget.com

筆者はスマートイヤホン「イヤホ」という用語をつくったが、内容は同じで画面を見ないで、音声で命令し、音声で情報を得る仕組みは変わらない。

tkan1111.hatenablog.com

スマホ時代のコミュニケーションのあり方

Apple Watchもイヤホ(しつこく使う)も、スマホを使う頻度を減らす目的は同じだ。

今、人と話していても、一緒に食事をしていてもスマホを使う人が増えてきているし、その態度が許容されつつある。それだけスマホが人の生活に深く浸透し、特に知り合いからの通知を見逃せなくなってきている。ただ、目の前にいる人との繋がりも大切にしたい。

対面のコミュニケーションで視線は重要だ。視線をスマホに落とされると会話しづらくなる(若い人は違うのかな?)。一方、イヤホンを耳に挿した人にも話しかけづらい。Xperia Ear Duoのような耳掛けイヤホンの形状は対面のコミュニケーションを維持できるように考えられている。

LINEやスマホによって密になった人の繋がりが疎かにできないだろう。そうであれば、Apple Watchなどのウェアラブルコンピュータ、ヒアラブルコンピュータであるイヤホ(しつこい)を用いることで、対面の人と遠くにいる人双方とのコミュニケーションを両立することができるようにしたい。

カギを握るバッテリー性能

イヤホを常用するには、バッテリー性能がまだ不足している。耳に掛ける形状では、バッテリーを増量することもできない。将来的にはスマホを使う頻度を減らす方向で進むのか、スマホ依存が増えるのか、バッテリー性能の向上が鍵を握っている。

 

日本でもHomePodは売れない理由

もうじき発売?

日本でもHomePodの販売が近いようだ。

www.gizmodo.jp

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技適マークの申請も通過し、2月にアメリカで販売されたHomePodが日本でも販売開始するようだ。

海外でも販売不振が囁かれるHomePodは日本でも売れないと予測する。

tkan1111.hatenablog.com

 売れない理由

  • 値段が高い
  • サイズが大きい
  • 時期が遅い
  • 機能が少ない

値段が高い

アメリカでの価格は348ドルなので、日本では39,800円だろうか。スマートスピーカーではライバルのGoogle Homeは15,120円、Amazon Ecoは11,980円と半額以下。スマートスピーカー機能だけを楽しむなら、さらに安価なGoogle Home miniやAmazon Echo dotがある。Amazon Echoより割高のGoogle Homeは、期間限定で割引して販売しているぐらい価格競争はシビアだ。

HompePodのほうがスピーカー性能が高いといっても、値段の差が大きすぎる。

大きすぎるサイズ

HomePodは、高さ17.2cm、幅14.2cmある。計ってみるとわかるが、Google Homeなどと比較するとかなり大きい。自宅にサイズが近いものを探したら海苔が入っている筒と同じ大きさだった。狭い日本の住宅では置き場所にちょっと困るサイズだ。高さもあるので、AVラックには入りづらいのでスピーカーとして床に置くか、机の横に置くか。

時期が遅い

日本のスマートスピーカー市場ではGoogle、Amazon、LINEが先行している。アーリーアダプター層はすでに購入していると思われる。

当初HomePodを購入するのはApple Musicを頻繁に使用するユーザーとApple好きな人間だろう。

機能が少ない

様々なテストでSiriの音声認識での回答率が低い結果が出ている。個人情報を守るために、Googleと比較してAppleは音声情報の収集を抑えているのが背景にあるが、ユーザーとしては使い勝手が悪ければ買わない選択になる。

Amazon Echoで人気のradikoは使用できないし、スマートホーム機能も限定的だ。

信心深さが試される製品

アメリカ発売時に指摘したように、AppleはHomePodをスマートスピーカーとしてより、Appleユーザーが使うワイヤレススピーカーとして提供しているつもりなので、他のスマートスピーカーと比較するのは間違っているのかもしれない。

tkan1111.hatenablog.com

ただ、ユーザーはカテゴリーとして確立しつつあるスマートスピーカーの新商品として扱うだろう。信心深いAppleユーザーでも、そう簡単に手が出ない製品になると思う、 特に日本では。

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ホワイト

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ホワイト

 

 

Switchで変わった任天堂のゲーム開発戦略

Wii Uで低迷した任天堂がSwitchで復活したひとつの要因はゲームソフトの質の改善だ。

SUPER MARIO ODYSSEY スーパーマリオ オデッセイ

改善された点

  • 既存の枠に囚われない
  • 遊びきれないほどのボリューム
  • 細部まで徹底された品質管理

既存の枠に囚われない

「スーパーマリオオデッセイ」(以下マリオオデッセイ)を例にとって説明する。

多くの人が楽しんだマリオも「スーパーマリオブラザーズ」が登場してから30年以上経過し、飽きてきた人も多い。長く愛されてきたブランドを維持するのは本当に難しい。変えてしまえば昔からのファンが愛想をつかすし、変えなくてもファンは飽きて去っていく。

「マリオオデッセイ」は、新しい部分と従来から変えない部分が絶妙なバランスを保っている。

  • 人間や恐竜などリアルなキャラクターが登場 (新しい部分)
  • キャプチャーによる変身 (今までにもあった変身の延長)
  • 2Dマリオステージ (過去の継承)

「都会の国」やティラノサウルスなど、今までのマリオの世界では考えられないリアルなキャラクターと世界が「マリオオデッセイ」には存在する。今までの世界観が壊れてしまいそうだが、そこに工夫がしてある。マリオが着替えをすることで、どんな世界でも溶け込めるようにしてある。

戦車やティラノサウルスなど、今までのマリオの枠に囚われない自由なキャラクターで遊べるキャプチャー機能は「髭さえついていれば、なんでもマリオ」というぐらい自由度を広げている。

それが受け入れられるのは、今までの「ネコマリオ」のように変身できたからで、ユーザーは変身の延長線上にキャプチャーを見ているから違和感が小さい。

新しいものばかりではなく、2Dマリオゲームを配置したり、ドンキーコングのキャラクターの起用など過去との繋がりを大事にしている。これにより、これが「マリオ」なのだと印象づけている。

圧倒的なボリューム

従来の任天堂ゲームは面白いがボリュームは少ないというのが定評だった。前作の3Dマリオ「スーパーマリオ3Dワールド」はクリアー後に完全なエンディングを見るためには同じステージを別キャラクターで何度も行わないといけない。マリオオデッセイでは、ステージに隠されたパワームーンを探すために、まだクリアしていない仕掛けを経験できる。その数は数百。ローカルコインの入手もあるので、ちょっとやそっとじゃ終わらない。

Switchのローンチソフトである「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」(以下、ゼルダの伝説)も圧倒的なボリュームでユーザーを驚かせたが、マリオオデッセイでも同様だ。

Switchは発売が延期になったが、その影響はソフトウェア開発にあると思われる。納得いくまで開発したゲームではないと売れない危機感から、ハードを延期してまで任天堂はゲームの完成度を追求した。

徹底した品質管理

もともとは任天堂ゲームの品質は高いという評判だったが、Wii Uのゲームは玉石混交していた。例えば『Wii Party U』は、前作のWii版で840万本とヒットしたのに、単調なマップや代わり映えしないミニゲームで不評だった(実際の開発は任天堂子会社のエヌディーキューブ)。

大ブームを起こしたWiiが急速に失速したのは任天堂のゲームしか売れずにサードが売れないのが要因と考えた任天堂は、Wii Uでは自社ゲームだけではなく、サードのゲームが伸びるように注力した。その結果、Wii Uのゲームに魅力がなくなり、Wii Uの販売自体が低迷した。

Wii Uの反省からSwitchでは緻密な計画に基づき、良質な任天堂ゲームを惜しげもなく投入した。その結果、Switchで売れたゲームのうち任天堂製のゲームの比率は7割を超えている。

これではWiiの二の舞いになりそうだが、任天堂はSwitchでインディーズ会社へ門戸を開き、多種多様なゲームを用意している。今まで高額だった開発機を安価で提供し、資金力がないクリエイターも開発に参加できるようにした。今のところSwitchでバーチャルコンソールを実装しないのもインディーズ市場を潰さないためかもしれない。

大作ゲームは任天堂、ミニゲームはインディーズという棲み分けができてきている。

問題をとことん詰めるのが任天堂

見つけた課題に対して徹底的に対処する手法を任天堂は今までも取ってきた。「ゲーム人口を増やす」ために今までのゲーム機とは形状が異なるWiiを開発、テレビを占有しないように液晶画面を搭載したWii U。

スローガンは立派だし納得がいくものだが、従来の任天堂は、そのスローガンに対して十分な議論がなく、スローガン達成そのものがゴールになってしまった印象を受ける。ハードもソフトも煮詰まっておらず、最初の掛け声は良いが、その後が続かない。

Switch以降は社内で議論を重ね共通認識を作り、あるべき姿と現実を近づける作業を綿密に行った形跡がある。急な社長交代により、集団指導体制が敷かれた影響も大きいのだろう。

別のチームが開発したマリオオデッセイとゼルダの伝説が同じ方向性を持ったゲームになったのも偶然ではない。方向性と手法が確立し、社内に共有されている証だ。

今のSwitchは成功しているが、ゲーム業界は急激に変化する。変化が起きた時に今の手法ではなく、社内で議論を重ね最適な方法を見出し、臨機応変に変わることが任天堂に求められる。  

みんなAppleにワクワクしたい

絶好調な業績

AppleがQ1の業績を発表した。懸念されていたiPhoneの売上は落ちておらず、過去最高の売上を達成した。

www.apple.com 

iPhone Xは売れていた

サプライヤー関連の情報から、iPhone Xの売上減少が予想されたが、台数は昨年同期比でマイナス1%だが、売上は伸びている。

高価なiPhone Xが売れて製品単価が伸びたからだ。iPhone Xは高すぎて売れていない噂は何だったのだろうか。

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ハイエンド志向な日本

ひとつのポイントは「日本」だ。地域別で最も売上が伸びたのは日本だ。前年同期比で26%伸びている。ハイエンド志向の日本ではiPhone Xが他の地域よりも売れた。ITニュースの情報源はUSがほとんどなので、安価なiPhone 8が売れているUSの状況からiPhone X退潮の報道がされたのだろう。f:id:tkan1111:20180502070237p:plain

廉価版iPadの売れ行きに注目

iPadは売上・台数とも伸びている。前年同期比では製品単価は向上しているが、前期比では製品単価は下がっている。iPad Proにより製品単価は上がったが、今後廉価版の新型iPadにより製品単価は下がると予想される。それでも総売上が伸びるかが、今後の注目点。

やっぱり「Appleプライム」を

セグメント別で最も伸びたのは「その他製品」だ。Apple WatchやApple TVがこのセグメントに含まれていて、Apple Watchが好調という報道を裏付けている。

Apple MusicやiCloudなどの「サービス」も伸びている。スマートフォンが飽和状態な今、サービスの分野はまだ伸びしろがある。

以前、提案したように「Appleプライム」のような統合型サービスが登場すればもっと伸びると思う。

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みんなワクワクしたい

ジョブズのiPhoneのように革命的な製品を売るのも大変だが、固定化しつつある製品を伸ばすのも難しい。スマートフォン市場の成長が止まっても、事業全体をそつなく伸ばすクックの手腕は大したものだ。

今のAppleに課題を見出すなら、新規分野の開拓だろう。大幅な市場拡大をスマートフォンに期待できない現状、iPhone以外の新規分野を見出す必要がある。

だが、HomePodの不調をみてのとおり、スマートスピーカーという新規分野ではライバルのAmazon・Googleに遅れを取っている。

Apple Carなどの新規事業もまだ見えてこない。

これだけ儲けているのだから当面問題はないが、みんながAppleに期待するのは世界を変えるプロダクトだ。iPhone登場のときのように、みんなワクワクしたいのだ。

そろそろ、次の革命的な製品がみたい。それはクックの仕事ではないかもしれないが。

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サイバーエージェントは日本将棋連盟を「買収」すべき

好調なサイバーエージェントの決算、赤字続きのAbema TV

最近のサイバーエージェント社の決算は、会社全体の売上よりもAbema TVの赤字の大きさが報道されることが多い。それだけAbema TVが目立つ存在ということだろう。

Abema TVの総視聴時間は伸びているが、ここに来て鈍化しているようにも見える。旧SMAPメンバーの特番などの爆発的なコンテンツが不足している影響だが、今のAbema TVは起爆剤的なコンテンツより視聴習慣がつくような息の長いコンテンツを目指しているので、その方針が数字に現れている。

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よく話題に上がる営業利益はメディア事業としては49億円の赤字。藤田社長曰く、「先行投資」という位置づけだそうなので、問題視していないようだ。

Abema TVをマスメディアにするのが藤田社長の目的なので、これぐらいの投資は必要だろう(テレビと比較すればコンテンツや設備への投資額は、はるかに小さいが)。

 

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「ながら視聴」環境は改善

たしかに若年層を中心にいわゆる「テレビ離れ」を起こしており、ネットで動画を視聴するのが習慣化してきている。

YouTubeのようにユーザーが能動的に選択して視聴するのではなく、「ながら視聴」のニーズはあると思う。人は自分で主体的に選びたいときもあれば、人が良いというコンテンツをだらだらと観たいときもある。

 以前の記事では、もっと簡単に視聴できればユーザーが増えると提案したが、Android TV、Fire TV、Apple TVなどにも対応し、アプリの使い勝手も改善されてきて、以前より気軽に視聴できる環境が整ってきた。

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どこで儲けるか?

大きな課題はマネタイズだ。上記のグラフのとおり、売上は徐々に増えてきているが、そのほとんどは広告費と思われる(一部有料会員もあり)。つまり現状のテレビ放映と同じ、番組の間に広告を挿入するモデルだ。

テレビに取って代わろうとしているのだからCMで稼ぐのは当然の考えなのだが、それでは送信手段が地上波からネットに変わっただけで、本質的な部分は何も変わらない。現状のキー局が広告収入では立ち行かなくなってきているのも承知のとおり。例えばフジテレビでは、直近の四半期で放送事業がマイナス21%減。既存マスメディアからAbema TVが奪おうとしている領土は、すでにイナゴに食べつくされているのだ。

サイバーエージェントもこの課題を認識しており、収益の多角化を事業方針にあげている。

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日本将棋連盟を買収せよ

ここで注目は「M&A」だ。昨年株式譲渡によりプロレス団体「DDT」がサイバーエージェントグループ入りした。コンテンツを強化するだけではなく、将来的なマネタイズを視野に入れているのだろう。Abema TVで取り上げることでプロレス人気を盛り上げ、リングにお客様を呼び寄せる相乗効果を想定していると思われる。

そこで提案するのは、日本将棋連盟の「買収」だ。日本将棋連盟は公益社団法人なので、株式買収はできないが、サイバーエージェントグループに取り込むことで更なるマネタイズが可能だ。日本将棋連盟は高い知名度の割に、収入は約25億円と中小企業程度の規模だ。

Abema TVの視聴数ランキングでは、将棋が上位を占めることが多い(将棋の中継が長時間に及ぶのも影響はしている。Abema TVの視聴数は放送時間に何人が視聴したかをトラックしているので、放送時間の長い番組は視聴数が多くカウントされる)。

将棋を優良コンテンツに仕立てたのはニコニコ動画だが、今の勢いならAbema TVのが上だ。

まあ、日本将棋連盟の主要なタイトル戦は、Abema TVのライバルであるテレビ局をもつ新聞社が主催しているので実現は困難だろうが、それぐらい新しい発想で取り組まないと、更なるマネタイズは難しいと思われる。

Abema TVがマスメディア化して、そこに繋げるのが広告だけではなく、様々なエンターティメントビジネスを結びつける軸となれば面白いことになると思う。

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完全ワイヤレス充電環境に弱点があった話

いつまで経っても販売されないAirPower

AirPowerが発売されないので、待ちきれずワイヤレス充電器を購入した。

 今年発売予定のAirPowerだが、Appleからは何の発表もない。iPhone、Apple Watch、AirPodsを同時に充電できるAirPowerは、3製品とも常用している筆者には最適の製品なので、ずっと待っていたが、売ってくれなければ使えない。そのうち寝室と自家用車でワイヤレス充電に慣れたら、デスク周りもワイヤレスにしたくなってきた。

tkan1111.hatenablog.com 

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選んだのはスタンド型

筆者が選んだのは、Ankerの「PowerPort Wireless 5 Stand」(以下、5 Stand)だ。デスク用なので、椅子に座って画面が見えるように、スタンド型にした。

いくつかあるスタンド型から本製品を選んだ理由は、こちら。

  • 価格
  • シンプルなデザイン
  • 充電ランプが目立たない

2,000円台からあるワイヤレス充電器

Amazonだとスタンド型のワイヤレス充電器は2,000円台が多い。筆者が購入した製品は、2,390円で多少割高だったが、デザインが最もシンプルだったので、こちらにした。

ロゴはいらない

5 Standのデザインは非常にシンプル。後部にも余計な支えがなく、現在販売されている中ではもっとも目立たないデザインだと思う。惜しむらくはロゴが目立つこと。スマホを置く部分にAnkerと銀色の目立つ文字で刻印されている。Ankerという名のしれたブランドではあるが、ない方が良かった。充電中はiPhoneに隠れて見えないからいいけど。

ロゴがないのが良いなら、こちらの製品もあったのだが、別に発売されている2018年モデルはロゴがあるので出荷される製品がどちらか今いち不明なのと、待機中にもランプが点灯するのを嫌った。 

目立たないランプ

5 Standは充電待機中の時は消灯していて、充電中のみ青色に点灯する。点灯ランプも小さく目立たないので、デスクの上で仕事をしていても気にならない。常時点灯だと、夜は意外と眩しいものだ。

やっぱりワイヤレスは快適

スタンド型のワイヤレス充電器にして、当たり前だが、何も挿さずに置くだけで充電できるメリットは非常に大きい。

今までは、Apple純正の「Lightning Dock」を使っていた。これ以上ないシンプルなデザインと高級感ある金属製で気に入っていたが、「挿す」「抜く」動作、と「置く」「手に取る」動作の差を改めて感じた。置いて、再び手に取る動作に全くストレスを感じない。

ケーブルと違いDockは片手で挿すことができるが、Lightningコネクタ目指して挿すのと、ただ置くのでは緊張感が違う。DockからiPhoneを抜く時はDockも持たないと抜けないので両手が必要だった。それが嫌なので筆者は両面テープでDockをデスクに貼っておいた。PowerPortのようなスタンド型のワイヤレス充電器なら、すべての作業を片手で行える。

ちなみに純正Dockをメルカリに出品したら、今回ワイヤレス充電器を買った金額以上で売れた。さすがAppleブランド。f:id:tkan1111:20180430140408p:plain

動画視聴も楽ちん

横に充電できるのもメリット。純正Dockでは縦にしか設置できなかったので、動画などを観る場合はスタンドを別途用意するかMacの液晶に立てかけるしかなかった。

気にならない充電速度

充電速度はLightningケーブルの直挿しより遅い気がするが、就寝時までバッテリーがもてばいいし、外出先であればモバイルバッテリーを使えばいいので気にならない。どうしても素早く充電したい時はケーブルに挿す方が良いだろう。

ワイヤレス充電環境にして困ったこと

良いことばかりではない。完全ワイヤレス充電環境にして困ったのは「AirPodsが充電できない」こと。ワイヤレス充電環境を完備したことでLightningケーブル端子がひとつもなくなってしまった。そのためにAirPodsを充電する場所がない。わお。

MacBook ProのType-CにLightningケーブルを挿すのも不格好なので、やむなく充電器からLightningケーブルを一本出しておくことにした。AirPodsはワイヤレス充電機能がないのだから、こればっかりは仕方がない。

真のワイヤレス充電環境を構築するためには、AirPowerの登場を待つしかないさそうだ。

 追記(2018/05/11)

AnkerからiPhoneの急速充電対応タイプが登場した。充電器付きなのでお値段高め、カラーはホワイトでも良い方はこちらでもよいかと。

AnkerがiPhone 7.5W対応の置くだけ充電パッド発表。形状別の2モデルを用意、最高出力10W - Engadget 日本版

 

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絶好調な任天堂に死角はあるか?

絶好調だった任天堂の決算

任天堂の決算は絶好調だった。売上・利益とも大幅に伸び、前年同期比の売上は2.2倍、営業利益6.0倍と、Wii登場時を超える好決算となった。

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世界中で好調

日本も伸びているが、北米・欧州、そして「その他」カテゴリーに属するアジアでも伸びている。全世界的にSwitchが受け入れられている。

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売上の約97%がゲーム専用機の売上で、販売停止になったWii U、売上が減少している3DSを補って余りあるほどSwitchが伸びている。

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ソフトも充実

ソフトの売上も素晴らしく、「スーパマリオオデッセイ」は全世界で1000万本の売上を達成、併売のWii Uと合わせると「ゼルダの伝説」「マリオカート8」も1000万本売れている。

注目すべきなのは、ハード1台当たりのソフトの本数(アタッチレート)だ。Swtich1台当たり約3.9本のソフトが売れている計算になり、Switchローンチ当初懸念されていたソフトの枯渇は全く問題になっていない。

過去の反省から、緻密な任天堂のソフト開発スケジュールと、インディーズ会社を引き込みダウンロード販売を充実させたことが要因だ。

一年目のSwitchの売上を見て、大手のソフトベンダーも開発を進めているので、ソフトが枯渇する懸念は薄らいできている。

任天堂に死角はあるか?

3DSは減少しているが、任天堂は「Switchを一人一台」販売を目指していて、それまでの間は3DSがその役割を担う戦略を立てているので、大きな問題ではない。

今回の決算で社長交代がアナウンスされたが、新社長の談話を聞く限り、大きな方針転換はないようだ。君島社長がつくった集団指導体制により、今までとは違う安定した経営ができる状態になっている。

「安定」というと「保守的」に捉えがちだが、ゲーム開発は博打的要素が強いビジネスなので、博打で札を貼り続けるためには強固な経営基盤が不可欠だ。

Switchや任天堂の最近のソフトを見ると、優れた製品を提供する法則みたいなものが社内に浸透している印象を受ける。

娯楽時間の奪い合いが焦点

今の任天堂の懸念があるとすれば、「娯楽時間」の奪い合いだろう。Netflixなどのネット動画配信やAmeba TVのようなネットTVがさらに伸びて、ゲームよりも面白いとなってくるとゲームで遊ぶ時間が減ってくる。時間は誰にとっても有限だ。

他の娯楽に打ち勝つためには、良質で斬新なゲームを作り続けるのに他にない。今の任天堂にはその力があると思う。

 

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AirPodsと健康

健康センサー

Appleが耳に健康をチェックするセンサーをつける特許を取得したそうだ。

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iphone-mania.jp

血流が多い耳にセンサーをとりつけることで、心拍数や呼吸数を計測できる。

Apple Watchで心拍数を測ることができるが、将来的にはAirPodsにも同様な機能が付加されるのかもしれない。

治療費が高いアメリカでは日々の身体をチェックし健康を保つことが経済的にも重要なのだろう。

Apple Watchだけではカバーできない

腕時計であるApple Watchを身につけたくない人もいるから、AirPodsにもセンサーをつけたいのだろうけど、AirPodsを常時つけている人はいないのにどうするのだろう。常時装着しているApple Watchなら、心拍数の異常を感知して病院に通知することもできるが、AirPodsではそうもいかない。

まあ、Appleの特許申請したからと言って、必ずしも実現するわけではないから、「とりあえず」の特許なのだろうけど。

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絶好調のAmazonの弱点とは

絶好調なAmazonの決算

Amazonは引き続き絶好調だ。

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jp.reuters.com

 

売上は前年同期比で38.2%増。これだけの規模の企業で、毎年伸び続けているのは驚異的としか言えない。

ネット販売だけではなく、クラウドサービスであるAWS、Amazonプライム、Amazon Pay、ホールフーズ・マーケットによるリテール、そして広告と、Amazonが重点分野としている多くの分野で成長している。

以前にも記事にしたように、Amazonはオンライン販売という優れたビジネスモデルだけではなく、ビジネスを成長させる「人」が優れている。だから、新規事業でも勝ち続けることができるのだ。

tkan1111.hatenablog.com

一番先頭を走っているランナーが最も一生懸命に走ったら、他のランナーは誰も追いつけない。アメリカだけではなく全世界でAmazonは勝利している。

もはや「Amazon vs. 小売店」ではなく「Amazon vs. 全世界企業」の構図になってきている。オンラインだけではなく、すべてのビジネスをAmazonは変えようとしている。

Amazonの弱点

では、Amazonの弱点はどこにあるだろう? それは政府だろう。AmazonのCEOジェフ・ベゾスはトランプ大統領と仲が悪いと言われている。先日もトランプ大統領の批判でAmazonの株価が下落した。Amazonのシェアが増大すれば独占禁止を訴える政治家も出てくる。政治家は一企業が力を持つのを嫌がるものだ。これはトランプ大統領だけではない。自分を選出してくれた地元の企業が窮状を訴えれば、Amazonを糾弾する政治家も増えてくる。

アメリカだけではない。ヨーロッパでもAmazonに課税する動きが強まっている。

AmazonのCEOジェフ・ベゾスは「世界の人のためにより良いことをする」と主張する。その方針は立派だが、世界の多くの既得権益者との対立をどう処理するのか。今までとは異なるアプローチが求められるだろうし、その先に今のようなAmazonがあるかわからない。

www.kantakayama.com

3つ目のAppleストア新店舗は、東京駅改め大阪駅?

東京駅ではなく大阪駅?

Appleストアの新店舗が大阪にできる情報が出ている。

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www.gizmodo.jp

Apple Japanの求人広告に「大阪駅周辺エリア」とあるのが根拠だ。確定していると言われるApple京都の求人と同じ広告に記載があるので、確度は高そうではある。

状況的にはあり得る大阪

大阪にできてもおかしくない。

  • 1店舗当たりの人口が多い
  • 新しいタイプのAppleストアがない
  • 外国人観光客が増えている
  • ロゴが示すのは「鉄道」?

首都圏の人口約3,200万人に対して現在4店舗(1店舗当たり600万人)、大阪圏の人口約1,200万人に対して2店舗(同じく1店舗当たり600万人)あってもおかしはない。

Appleは世界各地で新しいタイプのAppleストアをオープンさせている。Apple新宿も新しい基準で造られており、Apple渋谷も改装中だ。大阪エリアに一店舗しかない既存のApple心斎橋を休業して改装するよりは、新たに大阪につくる方が自然だ。

大阪を訪れる外国人観光客が多いのもプラス材料。

そうなると、東京にもう一店舗作る噂はどうなったのだろう。例の右下のロゴから大阪のイメージは浮かびづらいが、以前の記事ではそのロゴは「鉄道」を表していると予想したから、大屋根が印象的な大阪駅の周辺エリアというのは合致している。年内オープンとAppleは明言しているので、近いうちに真相が明らかになると思われる。

 

 

 

Fire TV Cubeは日本向きな製品

Fire TV Cube登場(予定)

Amazonが「Fire TV Cube」という新商品を出しそうだ。

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www.gizmodo.jp

Fire TVにAlexa

去年流出したとされる画像には四角い箱のような製品が載っており、形状からしてこれが「Fire TV Cube」(以下、Cube)とみられる。

この製品の上部にはEchoと同じボリューム・ミュートボタンがあるから、Alexaが動作しそうだ。

Fire TVはテレビのHDMIに接続して、動画を鑑賞する装置だ。四角い据え置き型より、既存のようにHDMIに直挿しできたほうが設置場所を取らないし配線も簡単だ。据え置き型のCubeには、より多くの機能を付加するに違いない。

Fire TVは4KとHDRにすでに対応している。動画配信をメインにしているので、4K以上の高解像度やハイエンドな音質に対応するのも難しい。

そうなると据え置きにする一番の理由は、スピーカーとマイクを取り付けEchoとして使えるようにすることだろう。

Echoのマイクはテレビの近くでも機能するが、テレビをつけているとAlexaの回答がテレビの音声とかぶってしまい、聞き取りづらい。Echoを使っている多くの人はテレビから離れた場所に設置していると思う。

ただ、テレビをすべてFire TVでコントロールしたらどうだろう。地上波やブルーレイレコーダーなどを流さず、Amazonビデオだけを鑑賞するのであれば、Echoを使う時は動画の音声を自動でミュートすることができる。

テレビ画面の占有はITの企業の夢

リビングの最も良い場所を占めるテレビ画面をコントロールするのは、長らくIT企業の願望だった。古くはMicrosoftがWindows Media Centerで、最近ではGoogleがChromecast、AppleはApple TV、HuluやNetflixはテレビを含めた多くのプラットフォームに機能やアプリを付加する方向でテレビ画面を占有しようとしている。

スマートスピーカーでシェアを握るAlexaとFire TVを組み合わせることで、Amazonは競合他社より優位なポジションに立とうとしている。

日本には最適な製品

アメリカはネット動画配信が主流になりつつあり、Alexaの普及率も高いので、この試みは成功すると思う。日本ではまだまだ地上波が強いので、ケーブルテレビのセットボックスからネット動画に移行したアメリカとは事情が異なるが、Alexaの普及率が低い日本で、Fire TVとAlexaの両方の機能を持つCubeが成功する可能性はある。まあ、日本で販売するとはどこにも記載はないが。

価格は大きなポイントで、Amazonがどこまで普及させたいか本気度がわかる。まずはAmazonの正式発表を待ちたい。 

Fire TV  (New モデル) 4K・HDR 対応、音声認識リモコン付属

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漫画村を焼き払おうとして延焼したもの

海賊版サイトをブロッキング

政府の要請に従いMTTグループが「漫画村」などの海賊版サイトをブロッキングを行うと発表した。

japan.cnet.com

 

プロバイダーが「このサイトは見てはいいけど、このサイトは駄目だから繋げない」とユーザーのアクセスをチェックして拒絶することが「通信の自由」を侵害する懸念があると言われている中での発表だ。

政府とNTTでどういった議論があったかわからないが、現行法と現在起きている著作権違反の損害を考えて、お互いにこれがギリギリの選択だと判断したのだろう。

NTTは「これは緊急措置であり、速やかに法整備を行うことを希望する」と表明している。

反対意見としては、

  • 通信の自由を侵害している
  • 政府が国民を監視、不都合な情報を遮断する先例になる

が多い。

「通信の自由」に抵触する可能性はあるが、刑法第37条にある「生命財産への危機を回避する行為は罰しない」で罪を回避できる可能性はある。

「可能性」と書いているのは、明確にするには裁判における司法の判断が必要だからだ。

政府がネットを監視?

「政府の監視」うんぬんは、ちょっと大袈裟かと筆者は思う。すでに「児童ポルノ」でほぼ同様の遮断が行われており、海賊版サイトが社会的に害悪なのは多くの国民が納得することだ。漫画村事件をきっかけとして、今後の国民統制を目標に謀略をしかけられるほど、日本政府が巧妙な判断ができるとは思えない。

筆者は、以前記載したようにブロッキングを合法化する法の制定を待つべきだと思う。

tkan1111.hatenablog.com

海賊版サイトを潰すのはクリエイターの利益

作家・クリエイターの努力を無視する海賊版サイトは許せないし、生命はともかく「財産」を侵害しているのは明白だ。ただ、謀略論ではなく、世間の批判や特定団体による抗議で、極めて法的にグレーな判断を民間企業が「自主的」に行うのは反対だ。

「今回は緊急事態だから、政府が責任を取るので、違法の可能性はあるが民間企業はブロッキングをしてほしい」としたほうがまだマシだ。

今のやり方は、民間企業(NTTが純粋な民間企業かどうかはさておき)が「忖度」して行う形になっている。こういった誰が責任とるかわからない「空気」のようなもので法や我々の自由が侵されるのは問題があると考える。

今回の件は、漫画村という海賊版サイトを焼き払うのに「空気」によって延焼し、我々の大切なものも燃やしてしまうことを懸念する。

www.kantakayama.com

Face ID付きのiPhone SE2は登場しない?

iPhone SE2登場か?

iPhone SE2の噂が増えてきている。

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www.gizmodo.jp

  • デザインはSEと同等
  • Touch IDまたはFace ID
  • ワイヤレス充電
  • 5月発売

といった内容だ。iPhone XのようにFace IDを導入するフルモデルチェンジか既存の改良版で留まるのか噂はわかれている。

全面改良版であれば、以前記載したようにAppleの方針転換が行われたことを意味する。 

tkan1111.hatenablog.com

フルモデルチェンジか一部改良か?

iPhone 8/Plusを差し置いて、本来廉価版であるiPhone SEに最新技術を導するのは異例だ。ハイエンドスマホ市場に特化していたAppleが廉価版市場も本格的に奪取してきたことを意味する。

iPhone SE2が既存の改良版であれば、ハイエンド機(iPhone X)→ 普及機(iPhone 8/Plus)→廉価版(iPhone SE)の順に最新技術(Face ID)を導入する、今までの方針通りになるに違いない。

Apple PencilをiPad Proから無印iPadに導入したところをみると、iPhone SE2は改良版がでる可能性のほうが高いとみる。

 

<追記 2018/05/16>

最近の情報では、iPhone SEはFace ID搭載っぽいです。新たな記事は、こちら。

国内版SIMフリー Apple iPhone SE 32GB ローズゴールド

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