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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
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Apple TVが映すAppleのジレンマ

Apple TVは、初代の発売から今年で10年目を迎える息の長い製品だ。初代はHDDを内蔵し、iTunesのビデオや音楽コンテンツを格納する機器だったが、用途が限られていて、ビジネス的に成功しなかった。それ以降もアップデートは続き、現役機種は4代目になるが、未だに爆発的にヒットとまで至っていない。

それでもAppleは諦めておらず、AmazonからFire TVの責任者をヘッドハンティングして事業を促進しようとしている。

www.bloomberg.co.jp

Apple TVの売上が伸びない原因からは、今のAppleが抱えるジレンマが透けて見える。

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ローカルか? グローバルか?

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Appleはグローバル共通の製品開発を好む。周波数や法律が各国で異なる中、iPhoneでもグローバル単一モデルでの販売を目指していた。

Apple TVがターゲットしている放送業界は通信業界以上に、国によって環境が異なる。というよりAppleの母国であるアメリカの環境が進みすぎていて、放送事情が他国と大きく異なっている。

国土が広く多様な人種を抱えるアメリカでは、地上波が送信できる限られた番組では全国民を満足させることができず、ケーブルテレビが発達していた。ケーブルテレビは有料なので番組にお金を払うことに日本人ほどアメリカ人は違和感がなく、1番組ごと買い切るPPV(Pay Per View)も一般的になった。資金が流れてこないからか、無料で提供されるアメリカの地上波の質は酷い。

最近では、そのケーブルテレビを解約する人が増えている。HuluやNetflixなどの動画配信サービスの隆盛が背景にある。最新のテレビにはNetfilixボタンがつき、ネットがあれば地上波のアンテナがなくてもテレビだけで多くのコンテンツを視聴できる。

eiga.com

二代目以降のApple  TVのターゲットはネットでコンテンツを観たいユーザーだ。動画配信サービス未対応のテレビでもApple TVがあればNetflixを視聴できる。iTunesで映画などのコンテンツもレンタルまたは購入できる。

日本をはじめ多くの国では、アメリカほどケーブルテレビが発達しておらず、地上波や衛星放送を視聴するのが一般的だ。例外は韓国でアメリカと同様ケーブルテレビの加入率が70%近いが、他国の加入率は20%以下だ。

動画配信サービスが伸びてきたとはいえ、地上波を全く観ない日本人は少ない。両方のコンテンツを観たい場合、Apple TVとテレビ本体の両方を扱わなければならず操作が煩雑になる。

昨年末にリリースされたApple TV向けアプリ「TV」はアメリカ専用だ。Apple TV上で動画配信サービスやiTunesのコンテンツを一括管理し、多くのコンテンツへスムーズにアクセスできるようにするアプリだ。こういった対応ができるのはコンテンツ管理がApple TVだけで完結するからで、地上波や衛星放送などチューナー経由のコンテンツが主体な日本では難しい。

iPhone 7でお財布ケータイといった日本独自の機能を組み込んだモデルを開発したように、Apple TVでも例えば三波チューナーを内蔵したローカル向けモデルが発売される日が来るのだろうか?

万能の利器であるが故の悩み

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4代目Apple TVは、音声コマンドへの対応、リモコンのタッチインターフェイス、アプリの搭載が売りだ。だが、これらは全てiPhoneでもできる。音声コマンドはiPhone搭載のSiriの方が優秀だし、tvアプリよりiPhone向けアプリのほうが質量ともに充実している。Apple TVの用途で最も多いコンテンツの視聴も、もちろんiPhoneでもできる。

唯一iPhoneにできないのは大画面テレビへの投影だが、液晶サイズが拡大したiPhoneでの視聴でも満足できる人も多いし、コンテンツの投影だけならApple TVのような大仰な装置ではなくChromecastのようなUSB給電で稼働する簡易な装置でも構わない。

スマホをもってない人には、これだけで完結するApple TVは便利だと思うが、iPhoneを持っていないApple TVユーザーはどれぐらいいるのだろう?

 

Appleの岐路

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Appleが全世界でシェアを拡大するためにローカルへの対応が必要だが、国の事情に合わせたモデルを開発すれば、開発費用が増大してしまう。

iPhoneのようにビジネス規模が大きければ、その費用も回収できるが、Apple TVの売れ行きは芳しくないし、”文明の利器”iPhoneにおされて、Apple TVだけしかカバーできない範囲は狭い。

十年前であれば、リビングの中心に君臨するテレビに自社製品を接続してもらう意味は大きかったが、タブレットやスマートフォンが増え複数の液晶モニターが家庭に存在する今はテレビの相対的価値は下がっている。

今のようなリッチなApple TVではなく、テレビへコンテンツを転送するだけのタイニーApple TVを発売した方が賢明だと思うが、どうだろう。

 

Fire TV Stick

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