廉価版iPad登場
新しいiPadが好評なようだ。
概ねどのレビューでも、
- 安い
- Apple Pencilが使える(今までは高価なiPad Proしか使えなかった)
- 液晶など多少の違いはあるが、そんなに気にならない
といった感じだ。
売れないタブレット
国内のタブレット市場は、ずっと冷え切っている。直近の売上で、ようやく下げ止まった状態だ。海外の状況もたいして変わらない。
引用:BCN
メーカー別ではAppleがずっと強い。市場の4割を占めている。タブレット市場の停滞は、iPadの売上の低迷が影響している。
引用:BCN
第3のデバイスと期待されたタブレット
iPad登場時は、PCとスマホではない第3の端末として人気を博したが、スマホの高性能化・大画面化により売上が停滞しはじめた。
スマホと異なり、あらたに買い換える必要が無いのも大きい。筆者の自宅では7年前の2代目と3代目iPadがあるが、今でも使用できる。iOSのアップデート対象外であり、一部の最新アプリは動作しないが、動画鑑賞や子どもがゲームするには不自由ない。ほとんどの作業は、スマホで事足りてしまうので、使用頻度が低いから古い機種でも我慢できるという事もある。
我が家のように、数年前にiPadを購入したが、買い換える必然性がなく、そのまま使用している人も多いだろう。長く使用できるのは製品設計が優れているということなので喜ばしいことではあるが、メーカーにとっては苦しい。
Apple Pencilで掘り起こす需要
買い替え需要を掘り起こすためにAppleが開発したのがApple Pencilだ。Jobsが否定したスタイラスペンをあえて開発したのだ。そうしなければならないほど、タブレットに新機軸の機能をもたらすことが難しかった。
最初高額なProに導入し、廉価版にその機能を広げて付加価値とするのはApple定番のやり方だ。
でもApple Pencilは1万円する。37,800円からのiPad本体と比較して割高な印象を受ける。安いから買い換えようというライトユーザーは「やっぱり高い」「使うかどうかわからないペン機能にそこまで払えない」と拒否するかもしれない。
タブレット市場は残るのか?
コンピューターの代わりにiPad Proを買わせるAppleの戦略は、OS統合も絡めて徐々に進んでいくだろう。しかし、iPad Proが伸びてもPCの売上を侵食するだけで、純粋なタブレット市場が増えるわけではない。
PCとの代替とは別に、第三のデバイスとして安価なタブレット市場を維持・拡大できるかは、この安価版iPadが試金石となる。