宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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「小説を書く目的は何ですか?」

ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を上梓してから、いくつかの取材を受けました。
聞かれた質問で困ったのが「小説を書く目的は何ですか?」でした。インタビュアーによって多少言い回しは違いますが、「どうして小説を書くのですか?」「小説を通じて何を伝えたいですか?」みたいな似たようなことを聞かれました。

この質問の回答は結構悩みました。
どうして僕は小説を書くのか。
中学生の頃から書いてきて、はや数十年、改めてどうして小説を書いているのか考えると、なかなか明確な答えが見つかりません。

「書くのが楽しい」
間違いではないですが、書いていて「ああ楽しい」と感じる瞬間はあまりないですねえ、僕の場合。ゾーンに入ると夢中で指が動きますが、意識は小説内にあるので、「楽しい」と感じることはないように思います。

「読者の心を動かしたい」
昔はそう考えていた気もしますが、最近は他人の心を動かすみたいな偉そうな思いはなくなりましたね。小説には、そういう力があるのかもしれませんが、最初から意図して書くものではない気がします。

「お金持ちになりたい」
そう思ったことは一度もないですね。小説を完成させるのには膨大な時間がかかる割に「儲かる」仕事ではないと思います。
もちろん大ヒットすれば、たくさんの印税が入るかもしれませんが、それは宝くじが当たるようなものです(宝くじよりは確率が高いかもしれませんが)。
お金持ちになりたければ、別の職業を選択した方が良いでしょうね。

「楽しんでもらえれば」
色々考えた結果、そう答えたことが多いように思います。
読書は時間がかかるし、集中力も必要です。時間と労力を使って読んでもらうのだから、せめてその時間だけでも楽しんでもらえれば作家冥利に尽きると思います。
贅沢を言えば、読了した後に、日常のふとした瞬間に小説内のセリフや風景を思い出してもらえればさらに嬉しいですかね。

皆さんはどうして小説を書くのですか?

tkj.jp