第2世代HomePodを発表
Appleは第2世代HomePodを発表した。スマートスピーカーのHomePodは、初代が3年前に販売されていて、その間に小型のHomePod miniが発売された。初代HomePodはスマートスピーカーの中ではかなり大型で、ライバルであるAmazon Echoと比べて高価で、あまり売れているようには思えず、HomePod miniはともかくHomePodの後継モデルはもう登場しないと勝手に考えていたが、今回第2世代モデルがいきなりサイレントローンチされた。
第2世代HomePodと初代モデルを徹底比較してみました。
サイズ
- 第1世代:高さ 172 x 幅 142 mm
- 第2世代:高さ 168 x 幅 142 mm
第2世代は第1世代より4mmだけ低いが、ほとんど同じ大きさ。Amazon Echo Subよりは小さいが、スマートスピーカーの中ではかなり大型だ。
重さ
- 第1世代:2.5 kg
- 第2世代:2.3 kg
第2世代は0.2kg軽いが、ほとんど変わらない。
スピーカー
- 第1世代:ウーハー、7つのツイーター
- 第2世代:4インチウーファー、5つのツイーター
第2世代になって、ツイーターの数が減っている。新しいバージョンの方が数が減っているのは珍しい。音質は比較しないとわからないがカタログスペックが落ちているのは気になるところ。
マイク
- 第1世代:6つのマイク
- 第2世代:4つのマイク
スピーカーだけではなく、マイクの数も減っている。個々のマイクの性能はわからないが、スマートスピーカーにとって音声認識をするマイクは生命線だ。様々な方向から音声を認識するためにマイクは多い方が良い。
Wi-Fi
- 第1世代:Wi-Fi 802.11ac
- 第2世代:Wi-Fi 802.11n
第2世代は最新型なのに、Wi-Fi 5に対応していない。Macでは6Eに対応しているのに、HomePodはWi-Fi 5にも非対応。
上位のWi-Fiに対応できなかったのは、チップの仕様だと思われる。第2世代HomePodはS7チップを採用している。S7はApple Watchに採用されている小型チップだ。第1世代はiPhone 6に採用されていたチップだったから、第2世代はダウングレードした感じが否めない。
S7を搭載したApple Watch series 8もWi-Fi 802.11nまでしか対応していない。S7の仕様制限だと思われる。
U1チップ
- 第1世代:なし
- 第2世代:あり
近接センサーであるU1チップを第2世代は内蔵している。部屋のどこにあるかがすぐにわかるが、大型のHomePodをなくすことはあまりないだろう。2台設置してステレオスピーカー仕様にするときに使うのかもしれない。U1チップがあることで、音楽を鳴らしているiPhoneを近づけるだけで、HomePodから音楽を鳴らすことができる。
Matter
- 第1世代:非対応
- 第2世代:対応
第2世代はスマートホームの統一規格「Matter」に対応した。Matterにはファームウェアで対応できるかのかと思ったけど、そうではないようだ。
温度と湿度センサー
- 第1世代:なし
- 第2世代:内蔵
第2世代は温度と湿度センサーを内蔵した。第1世代は内蔵していないが、ファームウェアアップデートでminiはセンサーが開放されるそうだ。今まで有効化していなかったのは、上位モデルであるHomePodの性能を上回らないようにしていたからか。
価格
- 第1世代:35,413円
- 第2世代:44,800円
第2世代は値上げした。スピーカーとマイクの数が減っているのに値上げして見えるのは、円安を反映したからと思われる。
USのプライスは、値下げした第1世代と同様で299ドル。
まとめ
U1チップや温度センサーを搭載しているが、3年ぶりのモデルチェンジの割には、進化の幅は小さいように思える。音質は聴いてみないとわからないが、スピーカーとマイク数が減っていてカタログ上は劣化している。
初代を持っている人が、買い替えるほどの性能アップではなさそうだ。サイズと音楽性能以外は、ほぼ同じ性能のHomePod miniの価格は14,800円で、価格差は3万円。ステレオ性能や空間オーディオの有無に差はあるが、小型で設置しやすいHomePod miniを選ぶのもありだ。特に2台を購入してステレオスピーカーとして使うならminiの方が増設しやすい。
ライバルとなるAmazon Echo Subは29,800円なので、HomePodの方が15,000円高い。Appleのサービスとの親和性はHomePodの方が上だが、それ以外のスペックではEcho Subが上回る。
音質にこだわる人は実際に鑑賞してから、HomePodを選ぶと良いと思います。